今年4月の統一地方選の中で行われる三重県議会議員選挙に立候補を予定している松阪市議会議員2人が、19日、議員辞職した。2人は、「あかつき会」という自民党系会派所属の田中祐治氏と中瀬古初美氏。あかつき会は、田中氏が代表を務めた3人会派だったが、松阪市議会の申し合わせで会派の成立要件は3人以上としていることから、2人が議員辞職したことで会派としては成り立たず解散。一人残った中村良子氏は、自民党系の「青凛会」(野口正代表)に受け入れてもらった。これで青凛会は4人となったが、2月初めに、野口氏も県議選立候補のため議員辞職することから、同会も会派成立要件をぎりぎり満たす3人で維持されることになる。

解散したあかつき会は、山中光茂市長が初当選した2009年(平成21年)の市長選挙後に行われた市議会議員選挙(平成21年7月)で、山中氏の後援会長の肩書きを持って議員になった中瀬古氏ら、2人の“山中チルドレン”ら新人に、ベテランを加えた6人で“市民派”会派として結成されたが、その後、引退や移籍(自民党会派に2人)で3人が抜けたあと、田中、中瀬古、中村の3氏で“自民党会派宣言”。
しかし、結成後6年持たず、田中氏は自民党公募で、中瀬古氏は、民主党の中川正春衆議院議員、森本哲生元衆議院議員から打診を受け、県議選に転出。6年近く先輩後輩として一つの会派運営にあたってきた2人は、定数4を争う選挙でライバル同士として戦うことになった。

3人の議員辞職によって、定数28人の松阪市議会は、新年度予算を審議する3月定例会から25人となる。
欠員のまま、市長所信や新年度予算案に対する代表質問等が行われるが、審議を通して、この数でも十分に機能していくことがわかれば、定数削減論も浮上するかもしれない。

3月で市長を辞職するとしていた山中市長は、新年度予算案の中に、図書館改革事業費を盛り込んで、再々度、議会提出する。
議会では、図書館問題の特別委員会の設置について今月23日の会派代表者会議で話し合われる。

市長が辞職したいとしている時期は6月議会以降に延びた趣旨の記事が地元紙に載った。
しかし、松阪市議会に、市長辞任を求める声は、反山中派を含めて存在しない。
もし、市長を辞めるというのなら、もし、議会が市長不信任案(リコール)を可決したときのための選択肢(議会解散か市長離職)としてとって置いてほしい。
市長選挙という政治の季節を迎えなければならない以上に、いまの松阪市の行政は忙しい。
図書館改革という政策課題とは異なる、社会保障などより地道な分野での制度改変も山のように存在するので、政治家としての市長よりも行政職としての市長として、市長を辞めることなく、これからも多忙な日々を送って欲しい。