IMG_1705松阪市長・竹上まさと氏が、市長選向けに6月20日ごろに公表した個人リーフレットの「4年間の実績!」を読み、この数字の見せ方はないだろうとずっと思っていました。

そこには、竹上氏は4年間の実績として「借金33億円減少!」「貯金16億円積上げ!」と、ことさら大きく書いていました。
そして、「竹上まさとは公約どおり、4年間で松阪市政を大きく改革しました!!」と。
どんな改革をしたというのだろう。

松阪市の決算カード等を見ればわかることですが、「借金33億円減少!」「貯金16億円積上げ!」とは、平成26年度と29年度の比較です。

竹上氏が市長に就任したのは、平成27年度10月。27年9月末までは、山中光茂前市長が市政を担っていましたので、竹上氏の実績と言うのには、実質的には28年度から31年度(令和元年度)の4年とすべきでしょう。
ただし、市の決算の確定値は、今年の6月時点で確定値が出ているのは平成29年度分までです。
なので、29年度までの4年間を対象としたと言うことでしょう。
しかし、それでは、竹上市政4年間の成果というよりは実質2年分ということになる事実には変わりありません。

それに、27年10月に市長に就任した竹上氏の財政運営の特徴が顕著に出るのは平成30〜令和元年度(平成31年度)です。

わたしが、今年5月の時点で、30年度の決算の推定値(おおむね確定)をもとに作成したグラフ(「海住恒幸通信 第165号に掲載・2019年5月10日発行)では、市の借金残高は29年度から31年度にかけて増加に転じています。
竹上氏が基準値にした26年度に迫る勢いです。
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山中前市長の時代を見るとおわかりの通り、平成21年度から25年度まで借金残高は減少しています。
ただし、26年度だけ一時的に増加し、27年度(山中市長は27年9月に辞職)には再び減少しています。
どういうことかと言うと、竹上氏は、一時的に借金が増加した26年度を基準に、29年度の数値を取り出し、「どうだ、減ったでしょう。改革が進んだ」と自慢げに語っているに等しいということです。

しかも26年度に借金が増加した理由は、市の新しいごみ処理場を建設し、合併後10年でようやく、旧・飯南、飯高地域のごみを他に依存することなく全面的に受け入れ可能とするための支出のため、25年度に合併特例債を42億円借りたことによるものです。IMG_1539
合併特例債は、合併とは関係ない部分に多く使われることが多い中、合併による格差是正のためにようやく支出する財源としての借金増だったのです。
そのため、26年度は借金残高が増えたという事情を逆手に利用したような数字の見せ方をしています。
さらに言えば、新規の謝金はグラフでお示しした通り、29年度以降、急増しています。

竹上市長は、4年間で借金を33億円減らしたと言いますが、28年度の456億円を底にすれば、29年度には477億円、31年度(令和元年度)には488億円(当初予算ベース)へと増加していきます。
こうした状況は一切語らず、借金は減らしたというのはナンセンスこのうえありません。
いま行われている市長選を前に、市内の各家庭に配布したリーフレットでこうした数値の見せ方は、「心ある為政者」と言われている竹上市長がしてはならないことではないでしょうか。

しかも、令和元年度の当初予算では、貯金(財政調整基金)を50億円取り崩す予算を組んでいます。
この通りに執行されれば、平成30年度に99億円あった貯金は49億円に大幅に目減りします。
竹上市長は26年度に85億円だった貯金が29年度には100億円に増えているので貯金が増えたと自画自賛しているのですが、30年度から31年度(令和元年度)には崖っぷちから転落するような予算編成となっていることは一切語らずです。
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では、なんのための貯金の取り崩しかと言うと、貯金を取り崩して借金の返済に充てるためです。
令和元年度は、貯金を取り崩さなければ借金残高は500億円を超えていたということになります。

選挙めあてのため、29年度分までしか決算資料はないということを口実に、30、31年度(令和元年度)の財政状況を正しく語らないというのは、為政者としてあってはならないことです。

わたしは、借金が増えたことを一概に悪く言うつもりはありません。
ただし、正しく、資料を見せず、都合のよいところだけ数字を見せ改革をしたという姿勢は許すことができません。
「心ある為政者」として有権者に見せる資料としては、あまりにひどい性質のものとなっています。