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良い悪い、望む望まないは抜きにして、朝鮮半島が統一されれば、日本にも大きな影響を及ぼすことになるでしょう。領土問題、歴史認識問題、拉致問題、核問題、安全保障問題など、あらゆる範囲に影響を及ぼします。また、日本に限らず、朝鮮半島と国境を接する中国やロシア、韓国と同盟関係にある米国など、その影響は世界中に広がるものと思われます。今回はそんな朝鮮半島統一に関して、その実状に迫るQ&Aの記事を紹介したいと思います。

彼らが夢見る統一は”乞食”である
ホンホンホ市民経済社会研究所所長
2014.01.13|プレシアン
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1. 朴槿恵大統領が1月6日の新年の記者会見で、「統一は大当たり」と発言して以降、政府の一部省庁が慌ただしく動いていると言います。単刀直入にお伺いします。統一は本当に大当たりなのですか?
我が国の国民の中で平和的な南北統一を望まない国民は一人もいないでしょう。しかし、我が国の一部の保守勢力が目指す急進的な吸収統一は大当たりどころか乞食となる恐れがあるので注意が必要です。


2. 国内外の研究者たちは、統一便益と統一費用について何か研究結果を出したのですか?
昨年1月に南北社会統合研究院が発表した報告書「統一費用・統一便益」によれば、国内外で実施されている研究の中で、参考となる統一費用の研究は31件であり、統一便益の研究は4件でした。南北社会統合研究院は、統一部の高位公職出身者が立ち上げた研究院です。その研究院が、参考となる統一便益の研究を4件しか指定できなかったということは、それだけ統一便益に関する研究が困難であるということを意味しています。


3. 統一便益に関する研究報告書の中で最もよく知られたものはどれですか?
現代経済研究院が2010年に出した報告書「南北統一、便益が費用よりも大きい…統一費用と統一便益の推定と示唆点」が多く引用されています。非常に残念ながら、この報告書は、統一費用と統一便益の算出過程において、あまりにも多くの致命的なトラップを抱えています。


4. その報告書の致命的なトラップとはどのようなものですか?
その報告書は全く現実性がない前提をもとに統一費用が推定されています。その報告書は、北朝鮮の住民一人当たりの所得を1000ドル(約10万円)から3000ドル(約31万円)に上げるのに10年かかり、それによる統一費用は1570億ドル(約16兆円)と推定しています。しかし、統一されたというのに、北朝鮮住民の一人当たりの所得水準を10年間1000ドルから3000ドルに留めるという前提が果たして成立するのか疑問です。結局、このような前提は、北朝鮮の住民を統一後、10年以上福祉の死角地帯に放置するということであり、決してありえないことです。


5. 1990年のドイツ統一当時、西ドイツと東ドイツの一人当たりの国民所得はどの程度だったのでしょうか?
ドイツ統一は1990年10月3日に行われました。当時、西ドイツの一人当たりの国民所得は2万ドル(約200万円)前後で、東ドイツは9000ドル(約90万円)前後でした。両国の一人当たり国民所得の格差は2.2倍に過ぎなかったにも関わらず、ドイツの統一費用は1兆5000億ユーロ(約206兆円)に達しました。


6. 南北社会統合研究院の統一費用研究(31件)では、平均統一費用はどの程度とされているのですか?
31件の研究の中で、2005年以降に出された10件余りの研究報告書を見ると、10年間でかかる統一費用は約1500兆ウォン(約141兆6000億円・報告書の平均値)と推定されていました。


7. 統一直後、北朝鮮の一人当たりの所得を2万4000ドルに上げるにはどれ程度の費用が必要となりますか?
それを計算するのは簡単です。北朝鮮の人口を2500万人だと仮定すれば、北朝鮮住民一人当たりに2万4000ドル(約25万円)ずつ所得保全すれば良いです。その金額は総額で6000億ドルで、最近の為替レートで計算ると約630兆ウォン(約59兆5000億円)に相当します。もちろん、この場合、北朝鮮住民一人当たり2万4000ドルずつ所得保全するという意味ではありません。経済主体は、家計と企業、政府にありますので、北朝鮮のそれに対し、国民一人当たり2万4000ドルに相当する支援を行うという意味です。


8. 北朝鮮に一人当たり2万4000ドルずつ所得保全をすれば、それによる経済浮揚効果も大きくないでしょうか?
もちろん、それによる経済浮揚効果があります。だから、統一初年度の費用が630兆ウォン(約59兆5000億円)であっても、10年間で統一費用が6300兆ウォン(約595兆円)となるわけではありません。北朝鮮に一人当たり2万4000ドルずつ所得保全をすれば、それによる経済浮揚効果は非常に大きなものとなって表れるからです。しかし、世の中そんなに甘いものではありません。問題は財源です。韓国が金の卵を産むガチョウを保有しているのであれば、統一初年度の統一費用が630兆ウォンであっても大きな問題とはなりません。しかし、残念ながら、韓国には金の卵を産むガチョウはいません。もし、統一費用を国債で調達するのなら、統一初年度の国家債務は、2013年の480兆ウォン(約45兆3000億円)から1110兆ウォン(約104兆8000億円)に急増し、GDP対比国家債務比率も36%(2013年)から79%に急増します。また、その翌年には、その比率が100%を越え、さらにその翌年には130%を越え…まさにギリシャ型の財政危機に陥ります。したがって、このような急進的吸収統一には同意できません。


9. 統一便益の研究結果も気になります
前述のように、南北社会統合研究院によると、国内外の研究の中で、参考になる統一便益研究は4件に過ぎません。なぜこのように統一便益の研究結果が少ないのでしょうか。それだけ研究者が自信と根拠を持って統一便益の研究結果を発表することが難しいためでしょう。問題は、このように信頼性の高い統一便益の研究結果がないため、不十分な研究結果が頻繁に引用されてしまっていることです。その中の代表的なものが前にも紹介した現代経済研究院の研究報告書です。


10. 現代経済研究院は調査報告書の統一便益をどのように推定しているのですか?
現代経済研究院の報告書では、統一後10年間の統一費用を1570億ドル(約16兆円)としており、統一便益は2197億ドル(約22兆4000億円)と推定しています。統一後10年間、国防費の削減効果が1226億ドル(約12兆5000億円)に達し、付加価値誘発効果が836億ドル(約8兆5000億円)となり、債務の調達コストの削減効果が135億ドル(約1兆4000億円)にのぼるとしています。しかし、この内訳を具体的に見てみると、このような推定値が全く根拠のないものだということが分かります。


11. 現代経済研究院の国防費削減効果の推定値には間違いがありますか?
推定値に致命的な間違いがあります。この研究は、統一後10年間、ドイツのGDP比の国防費の割合が2.5%から1.5%に低下したため、我が国でもそのように国防費が大幅に減少するものと推定しています。しかし、現代経済研究院が引用した、スウェーデンの国際平和研究所(SIPRI)の資料をさらに細密に分析してみると、ドイツのGDP比の国防費の割合が低くなった原因を統一による効果とシンプルに解釈することはできません。SIPRIによると、1990年と2012年の間、ドイツのGDP比の国防費の割合は2.8%から1.4%に減少しました。しかし、同時期には、OECD24カ国の割合も2.5%から1.4%に減少し、韓国も4.0%から2.7%に下がりました。

図:OECD、欧州24カ国とドイツ、韓国のGDP対比国防費の割合(単位:%)
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資料:スウェーデン国際平和研究所(SIPRI)

このような統計を見て、現代経済研究院のように、ドイツのGDP比の国防費の割合が低くなった原因のすべてを、ドイツ統一によるものとするのは適切ではありません。社会科学方法論の教科書が言う政策の効果というのは、ポリシーを施行した集団と、それを実施していない集団との間の差として測定されます(もちろん、様々な外部変数に起因する誤差は十分に考慮する必要があります)。したがって、ドイツ統一の国防費の削減効果は、周辺諸国との比較を通して測定されるべきものです。私は様々な情況上の事情により、現代経済研究院が統計解析上の致命的なミスによって、統一による国防費削減効果を3~4倍以上誇張されたものと推定しています。


12. 現代経済研究院は、統一による今後10年間の付加価値誘発効果を836億ドルとし、債務の調達コストの削減効果を135億ドルとしました。この主張についてはどう思いますか?
統一によって今後10年間、債務調達コストの削減効果が135億ドル(1兆4000億円)に達するという主張には説得力があります。彼らが主張する統一となれば、地政学的リスクは削除され、海外借入金の金利が0.2%程度引き下げられる余地はあります。しかし、付加価値誘発効果が836億ドル(約8兆5000億円)になるという主張には大きな意味はないと考えます。


13. 意味がないと考える理由は何ですか?
国債を発行して統一費用を調達するということは、後の世代の投資余力をドラッグし、現世代が代わりに投資をし、その結果を先取りすることを意味しています。問題は、この世代を跨いだ投資余力ドラッグをする過程が、ギリシャ式の財政危機という致命的なトラップを伴うものであれば、それは大韓民国の経済破局を意味するのであるため、付加価値誘発効果について云々することは何の意味もありません。


14. 北朝鮮の地下資源の埋蔵量が7000兆ウォンにのぼるという主張をする人もいます。これについてはどう思いますか?
全く信頼できないと主張です。そのような主張をする人々は異口同音に北朝鮮の冊子を参照したと言いますが、北朝鮮の冊子の内容を無批判的に受け入れないでください。これについては、中央日報が昨年11月7日付けの記事「北朝鮮の鉱物資源の埋蔵量は誇張されていた」で比較的適切に指摘しています。この記事は、韓国鉱物資源公社パン・ギョンジン南北資源協力室長の言葉を引用し、北朝鮮の鉱物資源の潜在価値が7000兆ウォンだという主張は、「北朝鮮が主張する総埋蔵量に鉱物の相場を乗じたもので、大きな意味がない数値だ」と指摘しています。北朝鮮など一部の社会主義国では、詳細な調査をせず、単純に見た数値を全埋蔵量に含めていますが、それは国際的には通用しない基準であるということです。ほとんどの国では、詳細な調査を行い、算出した確定値と推定値を持って埋蔵量としています。また、本稿では、エネルギー経済研究院ソン・ヤンフン院長の発言も引用しています。それによると、「他国の資源について言及する際、互いに違う基準を適用することによって間違いが生じ、その結果として情報の信頼性が常に問題となっているが、北朝鮮も同様」と指摘しています。


15. 北朝鮮の冊子の内容を信頼していない理由は何ですか?
北朝鮮が詳細な調査もせず、適当に思いつくままに展望した数値をどうして信頼できましょうか。そして、常識的に判断しても、北朝鮮の地下資源の埋蔵量の価値が7000兆ウォン(約660兆7000億円)という主張は全く説得力がありません。米国中央情報局(CIA)によると、2009年の北朝鮮のGDPは280億ドル(約2兆9000億円)で、我々のお金で約30兆ウォン(約2兆8000億円)でした。仮に北朝鮮の地下資源の埋蔵量の価値が7000兆ウォンとするならば、北朝鮮は1年間にその100万分の1を輸出しただけでも、70兆ウォン(約6兆6000億円)となります。そのような富鉱帯をそのまま土の中に埋めておくでしょうか?北朝鮮の地下資源の埋蔵量が7000兆ウォンにのぼるという主張は全く根拠がないことです。


16. 最近、北朝鮮の鉱物の輸出規模はどの程度ですか?
韓国銀行によると、2012年の北朝鮮の総輸出額は28億8000万ドル(約2900億円)であり、この中で鉱物の輸出規模は16億5000万ドル(約1700億円)とされています。輸出全体に占める割合は57%でした。


17. 北朝鮮の地下資源の埋蔵量の価値が7000兆ウォンであるというのに、昨年、北朝鮮はその中の4000分の1である1兆7000億ウォン分しか輸出しなかった…これは全く説得力がないと言うことですよね?
そうです。また、輸出額が1兆7000億ウォン(約1600億円)というのは、地下資源の価値の採掘コストを合わせたものであるため、実際の輸出額のうち、地下資源の価値は1兆ウォン前後に過ぎません。したがって、北朝鮮の地下資源の埋蔵量の価値が7000兆ウォン(約660兆7000億円)という主張が事実なら、北朝鮮がその中の7000万分の1を毎年輸出しているということになります。南北の経済格差及び、軍事力の格差がますます広がっている状況で、北朝鮮の指導部が、そのうち7000万分の1だけを輸出しているというのには、全く説得力がありません。


18. 最近の南北の軍事力の格差はどの程度ですか?
米国中央情報局(CIA)によると、2012年の韓国の国民総生産(GDP)は1兆1156億ドル(約114兆円)であり、2009年の北朝鮮は280億ドル(約2兆9000億円)でした。南北の格差は40倍です。また、CIAによると、北朝鮮政府の予算はGDP比11.8%で、33億ドル(約3400億円)程度でした。2012年に韓国中央政府の予算が2600億ドル(約26兆6000億円)だったので、南北の格差は79倍です。また、北朝鮮が政府予算の70%を国防費に費やしていると仮定すらならば、その額は23億ドル(約2300億円)となり、韓国の国防費255億ドル(2010年)の9%に相当します。要するに、米国の中央情報局(CIA)の資料などをもとに推定してみると、北朝鮮のGDPは韓国の約40分の1であり、政府予算は約80分の1、国防費は約10分の1であるという結論を得るすることができます。


19. 望ましい統一方式はどのようなものですか?
個人的には、北朝鮮が中国のように開放し、発展できるよう周辺国が手助けすることが非常に重要だと考えています。そして統一をしたとしても、徐々に統合する方式を模索しなければならないと考えます。3年前にある保守の論客が、3日で内戦を終わらせて、北朝鮮を吸収統一しようという主張をしました。あまりにも天真爛漫な考えです。また、国内の疎外階層のために数兆ウォンの増税をすることに対しても激しく反発する人々が、短期間に数百兆ウォンが必要とされる吸収統一を主張しているのを見ると、本当に大韓民国は「コミカルな地獄」だなと思ったりもします。

ソース:http://www.pressian.com/news/article.html?no=110632



統一費用大幅に削減するには、第二第三の開城工業団地を作ること
2014.1.15|韓経ドットコム
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「第二第三の開城工団が出てこなくてはならない」
ドイツ連邦議員兼財務政務次官のハルトムートコシク(Hartmut Koschyk)氏は先月18日、ドイツにて韓国経済新聞のインタビューに対し、このように助言をした。コシク次官は10年以上、韓独議員親善協会会長を務めるほどドイツにおける韓半島問題専門家として知られている。コシク次官とのインタビューはベルリンの連邦議会議事堂内の彼の執務室で行われた。


ベルリンの壁が崩壊して25周年を迎えますが、ドイツの統一はもう完成したと見てもいいですか?
物質的にはある程度の統合が行われました。しかし、精神的にはもう少し時間が必要です。真の統一に至るまでは、あと25年はかかる可能性もあります。


それはなぜですか?
一部の東ドイツ出身者は、自分自身を統一の犠牲者だと思い、精神的にコンプレックスを持っている人もいます。まだ経済的に厳しい人が少なくありません。このような問題を解決することが、今残された重要な課題です。


ドイツの統一は突然行われました。政治論理が経済論理を圧倒して。
それは認めています。ベルリンの壁が崩壊し、わずか数ヶ月前に壁を越えるために犠牲になった人もいました。それほど統一は一般国民がまったく予想できないことでした。


韓国が今後、統一費用を減らすにはどうすればいいですか?
韓国の開城工団は良い事例と言えます。ドイツも統一前に、開城工団のようなものがあったのなら、統合のプロセスは遥かに容易でした。もちろん、経済的な観点も重要ですが、何よりも人と人との交流を通じて、情緒的な異質感を緩和することができます。さらに、それによって北朝鮮の経済に自生力が芽生えた場合、統一後の政府のインフラ投資コストも大幅に削減することができます。


統一後、1対1の貨幣改革により、多くの東ドイツの企業が競争力を失い倒産しました。そして雇用も消失しました。
旧東ドイツの企業は、競争力を失い自然淘汰されたのです。その代わり、過去25年間の間に約420万件もの競争力のある雇用が新たに創出されました。当時消えた雇用は、いずれにしても消える運命に置かれていました。


ヴィリー・ブラント元首相は「東方外交」に東西ドイツの格差と異質感を軽減するために大きな貢献をしました。しかし、金大中前大統領の「太陽政策」は議論の余地があります。
対北支援が一方的な恩恵になってはなりません。与える時は与えても、徹底的にその価値を評価して反対給付を必ず得なければなりません。ブラント元首相の東方外交と、金前大統領の太陽政策は、そのような点で決定的な違いがありました。


最近、北朝鮮のナンバー2であった張成沢が処刑されました。韓半島情勢をどう見ていますか?
張成沢は、実質的に軍部によって追放されたものと見ています。現在、実権は軍部が握っているので、今後の南北関係がより難しくなる可能性が高いです。ただし、このような状況の変化にも、朴槿恵大統領が冷静にうまく対処していると思います。朴大統領は、過去の野党代表時代にも訪朝し、金正日に会ったことがあります。最近、朴大統領と直接話をする機会がありましたが、南北関係の改善に強い意志を見せていました。


大韓民国と韓半島の未来をどのように見ていますか?
韓国は本当にすごい国です。全世界に吹き荒れた金融危機をうまく克服しました。韓国人は誇りを持っていいでしょう。朴大統領もドイツの経済システムを韓国に移植し、今後、中小企業を積極的に育成すると言っていました。韓国政治は正しい方向に向かっていると思います。ドイツも統一された朝鮮半島の将来のために積極的に協力します。

ソース:http://www.hankyung.com/news/app/newsview.php?aid=2014011518861


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