私の中であれは革命的な企画だったなと今でも思うものがある。

それは「ダウンタウンのごっつええ感じ」で新メンバーとして加入したばかりの東野幸治を、
歓迎の意味を込めたドッキリにはめるというものであった。

ドッキリといえばバラエティではスベリ知らずの王道 of 王道

しかし、新ドッキリカメラと命名されたこの企画
冒頭の説明で松本は

防ぎようのないドッキリです」 
誰も得しません

と異例の前フリを行い、どのようなドッキリかは視聴者にも教えられない状態でスタートする。


何も知らずにやってきた東野に隠しカメラがロックされる。
そこでキーワードである「東野さんの頭ってカタ焼きそばに似てますね」を合図に羽交い絞めにされ、
有無を言わせずに頭に八宝菜をかけられる。
このドッキリの仕掛けは、単純明快、これだけである。

状況が全く飲み込めていない素の東野に


松本「東野!東野! ホラ!(ドッキリカメラの札を指差す)」

松本「ウソ! これ全部ウソ! ビックリした?

(なにがウソなのか全くわからない状況で、混乱する東野)

東野「え? はあっ?」

(ドッキリの仕掛け人風にその場の空気をつくる出演者達)

今田「(東野を指差し)ドッキリだとまだわかってない まだわかってない!」

東野「はあ?」

松本「はい これ大成功(拍手で成功を盛り上げる一同)」
今田「カメラ カメラ(東野に大成功のピースを強要)」

あとはこれが×4回続く天丼となる。


理不尽ドッキリに正論を吐き出す東野

「これドッキリやない ヤクザ怖い ビビる それがドッキリや!
(自分の頭にかかったかた焼きそばを指差し)これはなんや?」



真面目に考察してみる。
当時私はこの企画は腹がよじれる程笑ったか?といえば、そんな事はなかった。
しかし、3年殺しの様に時代が過ぎて、徐々におもしろさが染みてくる斬新な切り口だったと思う。

普通のドッキリカメラでは、ターゲットの素で驚いた表情を撮る為に、さまざまな仕掛けを用意して驚かす。
しかし、「スターどっきり(秘)報告」の様にアイドルの寝起きだったりスキャンダルまみれだった中森明菜の様なタレントを、
幾度も騙す事によって逆にタレントのイメージアップを目的とする方向にシフトチェンジしていった経緯がある。

この企画はその風潮を逆手にとったのでは?とも思えせるものだった。
騙している方もよくわからないであろう状況が、ターゲットの演技なしの真の驚きのリアクション引き出し、
視聴者も仕掛け人側としてそのリアクションを本当に楽しめるのです。

松本の「東野! これ全部ウソ!」との矛盾した一言が、この企画のおもしろさを集約しているといえる。
天丼となる2回目、3回目では
「その頭にかかっているかまぼこ(うずら)も全部ウソやから」
と、このドッキリの矛盾を際立たして、また新しい笑いをさそう。

近年、バラエティ番組ではテロップの乱用、サクラの観客、クライマックス直前にCM入りなどと視聴者を取り込む為にありとあらえることをする。この新ドッキリカメラの様なちょとした逆転の発想で、そんなものに頼らなくとも低予算でおもしろい番組は作れるのではないかと、素人ながら思う日々です。