少年の頃ジャンプを読んでいて、両さんは出世出来ないと言われ続けながらも、巡査長という階級がよく理解できなかった。
子供の世界では学級委員か班長ぐらいしか上の階級がないから、長がつくのは偉い役職と刷り込まれているのだ。

今ならフィクションの舞台がサラリーマンものであれば部長/課長、万年ヒラなどの役職名でその力関係をすぐ把握出来る訳だが
警察が舞台となると徹底した縦割りの階級社会ながら、その上下関係が一般人にはわかりにくいと感じる。


そこで警察の上位階級から順に並べ、その役職が全体に占める割合と、過去のフィクション作品(警察/刑事もの)の登場人物を各階級を当てはめていくことにより、その全体像をイメージしたい。


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警視総監 -警視庁の長 、階級最高位  1人

野上警視総監  野上冴子の父  (シティーハンター 85')
松竹梅警視総監 松竹梅ミロクの父 (有閑倶楽部 81')


警視監 - 警察庁次長、道・府・大規模県警察本部長、警察大学校の校長など 38人
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室井慎次 (踊る大捜査線3 )警察庁長官官房審議官
夜神総一郎  (DEATH NOTE 04') 警察庁刑事局局長

警視長 -警察庁課長、中小規模県警察本部の本部長、大規模警察本部の部長級など 警察官全体の0.5%

警視正 -警視庁課長、県警察本部の部長級、大規模警察署の署長級)警察官全体の0.5%
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松村 優子 (木の実ナナ あぶない刑事 86')横浜港警察署長
神田署長  (踊る大捜査線)湾岸署署長
黒木警視正 (丹波哲郎 Gメン'75)
横山礼一郎 (渡辺謙 池袋ウエストゲートパーク 00') 警視庁池袋西署署長
機動刑事ジバン (機動刑事ジバン89') セントラルシティ署に勤務する刑事
 

警視  -警察本部の参事官、中小規模警察署の署長。副署長 警察官全体の約 2.5%
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木暮 謙三  (西部警察 82') 西部警察署 捜査課長 実はキャリア組
室井慎次  (踊る大捜査線 ※初登場時)捜査一課強行犯捜査担当管理官
秋山副署長 (踊る大捜査線) 湾岸署副署長
三上薫   (加藤雅也 アンフェア 06') 警視庁刑事部鑑識課検視官 ノンキャリアでは異例の階級(後述)


警部  -警察署の各課長、県警察本部の課長補佐  警察官全体 約 6%
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銭形警部  (ルパン三世) ICPO総務局国際協力部第1課
真山 薫  (浅野温子 あぶない刑事 86')横浜港警察署少年課長
町田透   (仲村トオル あぶない刑事 86')横浜港警察署捜査課長
大門 圭介 (西部警察 82') 捜査課長
服部刑事  (成田三樹夫 探偵物語 79')
毒鬼悪憎  (ついでにとんちんかん 89') 大日本警察署の警部
目暮十三  (名探偵コナン) 警視庁刑事部捜査第一課強行犯捜査三係
沙粧妙子  (浅野温子 沙粧妙子-最後の事件- 95') 警視庁捜査一課所属
野々村光太郎 (竜雷太 ケイゾク 99')警視庁刑事部捜査一課係長


警部補  -警察署の係長 警察官全体の約 30%
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古畑任三郎 (古畑任三郎 94') 警視庁刑事部捜査一課
真下正義  (踊る大捜査線 ※初登場時)
後藤 喜一 (機動警察パトレイバー 89')警視庁警備部特科車両二課第二小隊長
野上冴子  (シティーハンター 85')
杉下 右京  (相棒  後に警部に昇進)警視庁特命係・係長
矢部謙三 (トリック 02') 警視庁公安部


巡査部長  -警察署の主任級 警察官全体の約 30%
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内海 俊夫  (キャッツ・アイ 81')捜査一課主任
青島俊作  (踊る大捜査線 最新作では警部補(係長)に昇格)
大原部長  (こち亀) 警視庁新葛飾警察署地域課
安浦吉之助 (藤田まこと はぐれ刑事純情派)
草薙俊平  (北村一輝 ガリレオ 07') 警視庁捜査一課
高見兵吾   (柴田恭兵 はみだし刑事情熱系 96') 所轄署刑事課


巡査長  勤続10年以上のノンキャリア
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タカ&ユージ (あぶない刑事 86')神奈川県港警察署捜査課刑事
和久平八郎 (踊る大捜査線) 湾岸署刑事課強行犯係
両津勘吉  (こち亀) 警視庁新葛飾警察署地域課


巡査
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トミーとマツ   (噂の刑事トミーとマツ 79')警視庁富士見署捜査課
中川圭一&秋本麗子(こち亀)新葛飾警察署地域課
今泉慎太郎    (古畑任三郎 94')
麻宮サキ     (スケバン刑事 84')所属不明




このように実際に当てはめて比べると、意外な人が実は出世頭だったり、時代背景/作風で一概には比べられないが、この2人が同じ階級?など、思わぬ発見が見受けられる。
上位階級になるとキャリアかノンキャリアでその立ち位置が変わってくる。例えば検視官(変死を鑑定)は刑事モノでよく冴えない爺さんが務める役職だが、これはノンキャリアの中でも知能だけではなく強行犯捜査での実績も求められ、スーパーエリートしかなれない希少なエリート職なのだ。

国家公務員Ⅰ種試験に合格したキャリア組(500人弱)を除いた、ノンキャリアだけの警察組織の階級における割合は以下のようになる

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ノンキャリアからすると警視以上は非常に狭き門であり、逆に警部補以下は階級インフレがみられる。一昔なら巡査部長が現場の指揮をとることもありえたが、今は交番に警部補が配置される事もそんなに珍しくないという。
その一方キャリア組は年に10数名しか採用されず、3つの飛び級で警部補から始まり30歳前後で警視になる事が標準とされており、それより上のポストは同じキャリア組同士で争いとなる。躍る大捜査線で先輩官僚に対し「受験で遊ばず、死ぬほど勉強しておいて良かった」とつぶやくシーンはこの現状を考えると過剰な演出とも言えないようだ。


冒頭でふれた巡査長だが、これは正式な役職ではなく、現場に長くいるものへの名誉職が正しい言い回しかもしれない。昇進試験をあえて受けず自ら望んで現場の第一線に居続けるものを含まれるため、青島(巡査部長)>和久さん(巡査長)のように階級では立場が下でも、巡査部長以下は年功序列の縦割りの方が優先される場合もある


60年代~90年代までは七曲署のような大暴れする複数の無茶刑事に人望の厚いボスがまとめるといった現場だけに焦点を当てた単純な上下関係図式が多かったように思うが、近年は警察の縦割り社会を風刺する作風のものが多く見受けられる。
この一般人からすると難解な階級もこの階級表を頭の何処かに入れておくと、大原部長が初登場から部長と呼ばれながら「両津のせいで出世が~」と嘆いている理由もわかり、いろんな作品もより一層楽しめて見れると思います。