警察の世界というのは一般人には刑事ドラマや漫画でしかその世界を知るすべがない。
大門軍団が街中でショットガンを撃ちまくるのは、さすがにおかしいとわかるとしても
その他の世界観や設定は意外と鵜呑みにしてしまっている。

そこで元警視庁刑事の経歴を持つ北芝健氏の書物を紐解き、実際の刑事と架空の刑事を比べることによって
各作品の間違いを知ることにする。



◆ 躍る大捜査線
レインボーブリッジは所轄で封鎖出来る

関係各所(都市整備局、湾岸局、国土交通省)の意向に関係なく
犯人が通る可能性が出てきた時点で、不審車両がいるということにしてしまえば、
所轄だけで封鎖しても問題なし。



◆ 名探偵コナン
小学一年生の証言に証拠能力はない

捜査の基本である「六何の法則(5W1H)」もままならない
小学一年生の証言など相手にしてもらえない

(追記※過去5歳の証言が採用されたケースもあるとのコメント頂きました。
    断言できるものではないようです)



◆ 金田一少年の事件簿
現場には一般人は入れない

事件現場へはなんびとたりともみだりに足を踏み入れることは許されない
名探偵であろうと刑事の許可があろうとお偉いさんであろうと例外はない



◆ 相棒、踊る大走査線
警官は無帽での敬礼は絶対にしない

映画やドラマで刑事が制服警官に向かって挨拶代わりに敬礼するシーンがみられるが、
一発で私服警官とわかる行為は禁止されている



◆ ルパン三世
銭形の所属するICPO(インタポール)には捜査権や逮捕権はない

ICPOはあくまで加盟各国の情報共有期間であり断じて「国際警察」などではない。
銭形はむしろ公務執行妨害の現行犯となる



◆デスノート
法律を変えない限り キラは捕まっても無罪放免

不能犯(犯罪的な結果を意図したものの直接その結果を発生させることがないため、刑罰の対象とならない行為)として
司法が裁くことのできない存在ゆえに立証不可能



◆ 古畑任三郎
東京都全域を自転車で移動は不可能

東京都全域を管轄する本庁の刑事が緊急を要する出勤に自転車でやってくることはありえない
ましてやブランドものの自転車は警察車両としては到底考えにくい。
また警部補のようなたかだか主任クラスであの髪型はありえく、
第一印象を損なう髪型は聞込みで本物の刑事か疑われる。

犯行の自白だけで、公判の維持は不可能

ほとんどが犯人の自白しか得てないこの作品で、犯人が裁判で否認したら
証拠不十分で公判自体が維持できなくなってしまう。



◆ はぐれ刑事純情派
パソコンが使えない刑事は存在しない

日常の通常業務もパソコンは必須で、クリックって?という刑事は仕事にならない。



◆ ガリレオ
監察医は都内に一カ所だけ

真矢みき演じる監察医は署内にいるかのように描かれているが、
監察医は大塚にある東京都監察医務院しかいない




◆ あぶない刑事、西部警察
サングラス着用には特別な許可がいる

ヒゲなどの自然発生物以外で人相を変えるおそれがある時は”異装届”を提出したうえで上司の許可が必要
ちなみにズラはセーフ

ブランデーやブランドものの洋服はありえない

常に貧乏である現場の刑事においてダンディー鷹山のようなブランドものに身を包んだ刑事は存在しない。
また一課長程度に個別の部屋など用意されておらず、ブランデーなどあるようなら服務規程違反で飛ばされる

警官の90%以上は実践で拳銃を使用することなく終える

まして拳銃は貸与されるわけで自分で選べないので2丁拳銃などありえない




◆こちら葛飾区亀有公園前派出所

遠距離通勤はNG

北条正義巡査は東大卒のエリートで三重県の松坂から新幹線で通っていた。
交通費も税金である以上、寮または首都圏の親戚を頼るように指示される

両さんの服装は始末書4枚が必要

無帽、腕まくり、サンダル、旧制服
服務規程違反で年間1000枚の始末書が必要

元極道の刑事は存在しない

初期のキャラである戸塚金次は背中に入れ墨を背負いほほに傷がある。
実際は警察学校に入校した段階で裸にされ五体満足かチェックされる。
そこで和彫りやタトゥー、小指がないのはそこで落とされる。
ただし、元暴走族の白バイ警官の本田巡査のような経歴の持ち主は多く存在する。
麻里愛のような性同一性障害の男性も警官にはなれるが、まだ前例はないようだ


                    参考文献: 警察裏物語 北芝 健 (バジリコ株式会社)
                            踊るドラマの刑事 ウソ・ホント   (コアマガジン)
                            警察のしくみ (図解雑学)   (ナツメ社)