どんな著名な歴史上の哲学者の発言よりも、メロディーにのっけて放たれる短的な詩的メッセージに心奪われる時期がある。
ニーチェや孔子の教えより先に、自らを大事マンと称するモノ達の説法を街のいたるところから説きふせられるという、まるで無くしたエアギターを捜索するかのようなメビウスの輪から抜け出せない時期を過ごしてしまったのだ。

そのお陰かデビュー間もない浅香唯が「芸能人は12~3人しかいないと思ってた」との発言に当時、宮崎出身ゆえの素朴さが奏でる郷土音だと微笑ましてもらったもが、今となっては黒より黒い暗黒級のドス黒さしか感じることができなくなってしまった。
決して 燃える血を忘れた訳じゃない!甘いぬくもりが目に染みただけ!と思いたかったが、もうわたしの色眼鏡は何重にも重なっており、ぬくもり程度じゃ目には染みてこないのだ。

最近になってやっと、「J-RAPの感謝率」「J-POPの会いたい率」「J-ROCKの何かを探せ!率」が異常値である事がわかってきたように、これらメッセージは今となってはほとんど記憶に留めてない。

だが、唯一ブルーハーツ時代のヒロトが放った言葉で今になってその重さを痛感できる言葉がある

「生活は下手な理想主義をぶっ飛ばすくらい重いもんだと思う」

今となってなんと真を突いた言葉だろうかと思い知らされる・・
軽いあこがれだったりうっすら思い描く未来程度の玉など、生活という名のあさま山荘の鉄球に太刀打ちできるわけもない。


下手な詩的メッセージよりも思ったことを直にそのまま発するブルーハーツ時代のヒロトの飾らない本音にこそ、そこに重なる本当のメッセージが見え隠れしていると思う。

そんなブルーハーツ時代のヒロトの飾らない本音を集めてみた。



ファンのことなんか関係ねーよって言うのがカッコいいんだろうけどさ、
結構、ファンのこと意識してやってるんだよね、俺。


僕は僕の偏見で歌を歌っとる


まわりが見えてないと不安でしょうがないんだよ


夢と現実のギャップでさ
押しつぶされそうになるんですよ 


学校がイヤだと言って登校拒否できるやつはええよ。
俺はいじめの対象にもならない本物の劣等性だったんよ。


あのビルん中の一室で毎日おんなじ働きをしとる人があるんだけど、
それが安定した生活かと言われたら、本当ににそうなんかなぁ?と思うよな。


カッコつけんと生きとれんよ。
〝飾りなんかいらないんだ〟というカッコつけ。


ポリシーは・・・・・ポリシーとか何とかを決めないこと。


ボクは一貫して自己満足です。めざすものは。

ブルーハーツは全てをわかってる人達じゃないからさ、
普通の人なんだからさ、人生相談されても困るんだよね



引用文献:ドブネズミの詩(うた)  (著者/ザ・ブルーハーツ 角川書店 1988-12)                  
     ザ・ブルーハーツ『1000の証拠』 (月刊宝島)



唯我独尊と思われたヒロトのこういった一面を知ることで彼らの唄と詩にまた違った広がりがみえてくるからたまらない。
未だにドブネズミに潜む美しさを見出すことはできないが、彼らの人間臭さを放つネズミ達はよく見える