歌の歌詞には抽象的な曖昧さをあえて残し、聴く人それぞれにイメージを抱かせる手法が多い。
こちら側で勝手に曲のテンポと歌手のイメージで舞台を勝手に想像する訳だが、
中には実際作詞家の思い描くイメージとは遠くかけ離れて一人歩きしてるケースがある。

過去のヒット曲で作詞家もしくは歌っている本人が思い描いていた歌詞の舞台(所在地)は一体どこだったのか?


大都会 (1979年) クリスタルキング

ここで歌われる大都会は? ⇒ 福岡・博多


大都会=東京では決してない。彼らの出身地は佐賀である。

川の流れのように (1989年) 美空ひばり

この川は? ⇒ ニューヨーク・イーストリバー


日本の川ではなかった。当時NYに住んでいた秋元康が望故の念にかられた時、マンション前を流れるマンハッタンのイーストリバーをみて「ここから流れる水も日本に繋がってる」と思い、浮かんだ歌詞。

M (1989年) プリンセス・プリンセス

肩の向こうに見えた景色  ⇒ 赤羽の街


同期のバンドマンであった当時の彼氏であったイニシャルMと過ごした街。Mの実名については未だに諸説あり。
”出会った秋の写真”は九段下の居酒屋でMと実際に撮られたもの。

CHA-CHA-CHA 1986年 石井明美

街で噂の辛口セクシーギャルがいた街は? ⇒ 三軒茶屋


バブル景気が見え始めた渋谷にも六本木にも近い若者の街。

サマータイムブルース」  (1990年) 渡辺美里

週明けの第三京浜を走って行った舞台は? ⇒湘南海岸を走り、葉山の海岸へ向かった


週末ではなく週明けにドライブとは、彼はフリー業だったのか

贈る言葉 (1979年) 海援隊

”暮れなずむ街”は? ⇒福岡・天神


地下にあったライブハウスから地上に出た際のビル街に降り注ぐ夕焼けを描いた歌詞

オリビアを聴きながら (1980年) 杏里

お気に入りの曲を一人で聴いていた場所は ⇒六本木・芋洗い坂のマンション


アマンドの脇道、芋洗坂を下ってY字路に突き当たった右手のマンション

ひだまりの詩」  (1997年) ル・クプル

最後のフォトグラフを撮った場所は? ⇒大阪・淀川の土手



硝子の少年 (1997年) KinKi Kids

”雨が躍るバス・ストップ” ⇒新宿西口の中央高速のバス停



泣かないで (1984年)  舘ひろし

”消し忘れた煙草”があった部屋はどこ? ⇒広尾のマンション


煙草の銘柄は「winston」

なんてったってアイドル (1985年) 小泉今日子

”ちょっといかしたタイプのミュージシャンと付き合って”とは誰? ⇒長渕剛



秋元康の盟友であった長渕が当時アイドルと付き合っていた事(おニャン子ではないよ)からアイドル像をイメージ

Runner (1986年) 爆風スランプ

「もう戻れないだろう」と部屋を出て行ったのは誰?⇒バンドから脱退したベーシスト 江川ほーじん



ここに出てくる”君”は女性ではなかったようだ。苦楽を共にした脱退を決めた元ベーシストと爆風スランプとして残ったお互いそれぞれの道を走り続けようという決意の歌。

夢をあきらめないで (1987年) 岡村孝子

乾いた空に続く坂道 ⇒ 赤坂



岡村孝子が当時住んでいた赤坂でカナダ大使館裏の坂道をイメージ。

六本木心中 (1984年) アンルイス

六本木のどこが舞台? ⇒六本木から飯倉に向かう道の右手裏


現ロシア大使館横の路地を入った湿った街
           

17才 (1971年) 南沙織

だれもいない海どこ? ⇒山口県、瀬戸内海の富海



当時40歳の女性作詞家が描いた17才の世界

サボテンの花 (1993年) チューリップ

君が飛び出して行った部屋はどこ? ⇒白金台のマンション



聖母達のララバイ」 (1982年) 岩崎宏美

この戦場はどこ? 戦士ってだれ?  ⇒戦場は日本。戦士は日本の企業戦士


歌詞だけ追うと戦時下songと間違えそうだが、日本の企業で揉まれるサラリーマン達を見守る母親の歌。

プレイバックPart2 (1978年) 山口百恵

ミラー擦った交差点はどこ? ⇒湘南。鎌倉駅方面から134号線に出るT字路あたり


2回目の「バカにしないでよ」は"夕べの彼”に対して。

メリーアン   (1983年) THE ALFEE (高見沢俊彦)

”夜霧に漏れる森”はどこ? ⇒ドイツの黒い森


通常、作詞する際はよりイメージが湧く日常の街をイメージして描かれる。高見沢俊彦の日常とはドイツの森なのだ(笑)。2番にある"想いがかよった道"とは「古いお城へと続く細い道。ときどき鹿が横切る道」ここまで具体性を持って絵図を描けるならそれは日常に違いない。

このようにイメージ通りのものもあれば、意外なものもみられる。実際その舞台(場所)に立ち寄った際に口ずさむととり一層親近感が湧く事間違いなしです。

4796649433歌謡Gメン あのヒット曲の舞台はここだ!
テリー伊藤
宝島社 2005-11

by G-Tools

参考文献: 本書では100曲以上に渡って70年代の歌謡曲を中心に、ヒット曲の舞台が掲載されています