クソゲーと呼ばれるテレビゲームはいつの時代でも定期的に出てくると思うが、ネットが発達した今は事前にデモ動画や体験版が配布されたりと、その危険はある程度は回避できるものである。

続編モノでとりあえず買ったが期待はずれはあったとしても、とんでもないクソゲームを多くの人が買ってしまうという事態は今後はもう起こらないと思う。そういった意味でも「たけしの挑戦状」(ファミコン 86”)は我が国の歴史上で最も売れたクソゲーとして今後半永久に名を残していく事となるだろう。初代ドラクエと同じ80万本売れた訳で、私を含めた多くの被害者が日本中にいると思う。

このゲームの鬼畜ぶりはもはや伝説化されてる為、各所で散々語りつくされておりこの荒らされた畑には何の作物も期待できない。
無理に新しい切り口を探したとて、classが『夏の日の1993』から数十年を経て、自らへのアンサーソングとして歌詞だけ変えて『冬の日の2009』をリリースするような金太郎飴状態と判断し、ここにもはや新たな源泉はないと見切りをつける。

このゲームを別角度でより知る上で、プログラミングを組む前に作られる、実際にタイトー側によって書かれたフローチャート(シナリオチャート)に注目してみた。


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趙クソゲー」 阿部広樹 (太田出版)より引用

この各項目と流れは全てたけしのアイディアが採用され、それをフローチャートに反映すると最終的にこのような形になったという。

(追記:最終じゃなくて初期のシナリオチャートじゃないかとのご指摘頂きました。
    開発者は容量的にメガドライブだったら名作になってたと語っているので、
    カットされた部分が多くある可能性があります。実機と異なる部分がある事を訂正させてもらいます)



◆ 途中から恐ろしく分岐を知らぬ一本道

まず気づくことが、2枚目中盤以降恐ろしく何の分岐もないシンプルで単純な一本目道である事だ。
たけしと何度か詰めていく上で、最初はいろんなアイディアを出し合って議論も白熱したが
後半は疲れていい加減になっていったというのだ。
なんと人間の堕落ぶりを見事に表した尻つぼみな見事な逆三角形チャートなのだろうか・・・

最初の分岐点のスナックだけが、ここだけ妙に細分化されている事がわかる。
ここが最もたけしがこだわった部分だという。

その結果あの忘れようにも忘れぬ恐怖の「すなっく あぜみち」が生まれたのだ。

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「たけしの挑戦状」(タイトー FC)

私の勝手な憶測調べだが、この最初の関門で私を含めた購入者の95%が頓挫したと思われる。
難解なゲームをつくろうとしたたけしが、最もこだわった部分が不幸にも冒頭だったのだ!

<カラオケ>
  ↓
<でかい声か?> →no 
  ↓ yes

たけしはここを「うまく歌えたか?」と提案した。もちろんこの時代にファミコンマイクにそんな性能がある訳もなく、ファミコンで最大限、認識出来る事とは「大きい音をある程度連続して出せたか?」が限界なのだ。砕いて言えば「一定音量域を続けて出せたか?」という事だ

これが後に悲劇を呼ぶこととなる。今までマイクを使用するゲームなど皆無だった。その為、初期のファミコンの発売時期によるバージョン違いで、2Pのマイクで声を出すと音圧が逆転するものもあり、そのケースだとカラオケでひたすら無言じゃなければいけなかったのだ。

そんな大人の事情が入り組んでいるものが、冒頭にくるんだからたまったもんじゃない。
これが攻略本があってもクリア出来ないと言われる要因のひとつになってるのではないだろうか。


◆ 4枚目に書かれている奇怪なチャートの恐怖
私自身は子供のときに最初の「すなっくあぜみち」で放り投げ、ひたすら社長の後頭部を殴る作業に専念してたのだが、その後出た攻略本を使って、3枚目の「セスナ」のパートまでたどり着いたが、あまりのシューティングの難しさに、ここで売却となった。

その為、この4枚目のチャートは全く私は知らない未知のゾーンだが、書かれている内容に背筋が凍るのだ。

登山中に落石>
  ↓
飛びつくか?>  No → <頂上> →<ごくろうさま> →<GAME OVER
  ↓ yes

な、なんなんだ・・このよくわからぬ流れは・・
良かれと思う選択をするも、地獄へとホップ・ステップ・ジャンプするこの展開は、一発屋に多く見られたような・・・

"それが大事” 大ヒット
   ↓
飛びつくか?> yes→<小説版「それが大事」出版(2005)>
   ↓ no           ↓
<それが大事>      <飛びつくか?> Yes → <再結成発表(2009)> →<元メンバー誰も集まらず
                  ↓no              ↓
               <それが大事>        <飛びつくか?> no→<それが大事>
                                   ↓yes
                             <別メンバーで『大事MANブラザーズオーケストラ』結成(現在)>



GAO "サヨナラ” 大ヒット
     ↓
飛びつくか?> Yes→ <紅白出場> 
     ↓ no           ↓
  <サヨナラ>       <飛びつくか?> yes →<サヨナラ>
                    ↓ No
     <日本発 女性ギャングスタラッパー REAL"G" として再デビュー>
               realg


W浅野がトレンディ>
     ↓
飛びつくか?> yes → <B'zがバカ売れである>
     ↓no                ↓
                  <飛びつくか?> no →
                        ↓yes
                  <W-NAO (飯島直子、綱浜直子) 孤独のRunaway>
wnao


GAOにストリートギャングとしての可能性を見出せていなかった自分の浅はかさを謝罪しつつ本題に戻る。

そしてエンディング付近に書かれるまさかの言葉

夢か
   ↓
  おしまい

エンディングを知らないのだが、まさかの夢オチなんですか?
クリアした人間だけがそれを知る特権があるようだ。
(追記:夢オチは実機版でカットされたそうです)

それにしてもこのひとつの項が一時間放置など、大変な作業であるにも関わらず
2枚目以降に戻る矢印が全く見当たらない、終始一方通行な事が最大の恐怖です。