『愛という名のもとに』 (1992年)

このドラマを学生時代に観たのだが、大人になって観返すと当時とは違うシーンでハッとさせられる事があった。
学生から社会に飛び出た 不安、葛藤、やりがい、結婚、絶望、、、
誰もが経験するこの分岐点での、心に突き刺さってくるセリフを集めてみた。



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(自殺直前 タカコへの電話)


チョロ  昔(学生時代)は卒業して社会に出るのが怖かった。
       けど今は社会から出るのが怖い

   
               ・・・・きっとオレはいつも何かに怯えて生きてきたんだ」




◆ボート部 
貴子 (鈴木保奈美)
時男 (江口洋介)
健吾 (唐沢寿明)
チョロ (中野英雄)
純   (石橋保)
則子 (洞口依子)
尚美 (中島宏海)


タカコ 冒頭のナレーション
    
    「あの頃の仲間とも連絡が途絶えがちになっていた。
     時々、なにか大事なモノを忘れてしまった気がするけど、、日常生活に埋没して
     それがなにかを思い出せずにいた


(卒業以来3年ぶりにボート部7人が集まり、その帰り道で)

タカコ  「久しぶりに会ったのに、なんかみんな最後の方は黙ちゃったね。
     あの頃(学生時代)はな~んでもない事で朝まで話していられたのに・・・」



ケンゴ 「意味のないことに笑ったり、怒ったり出来なくなっちゃたんだよ。
     意味があることって世の中にそうないって事の裏返しかもな・・・」







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(大物代議士である父に、タカコとの結婚を報告するも・・)


代議士の父 「若いんだから恋愛は好きにするがいい。だが結婚は違う。
         双方が同じレベルにないといろいろ弊害が起こるものなんだよ」

ケンゴ    「それは一種の偏見じゃないですか?」

代議士の父 「いや!人間とは常に他人より優位に立ちたい。
       資本主義も学歴社会も劣等感や優越感で支えられている。 
      人間は見上げる空と 踏みつける地面と両方を望むんだ。







ノリ 「わたしなんにもないから、、仕事にも今情熱ないし
    学生の頃はな~にも出来る気がしたけど、、、、
    今はなにかしなくちゃって気も無くなってきちゃって、、、
    だから、、ズルいかもしれないけど、、ジュンの夢にのっかりたいなって思って・・・」





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(公務員のジュンが、小説家の夢を捨てられず出版社へ持ち込む)


出版社担当 「(持ち込み原稿を数ページ読み) あなた仕事なにしてるの?」


ジュン  「あ、、あの区役所に勤めてます。」

出版社 「いいじゃないよ。安定してて・・
     最近多いのよね、、バカな芸能人や二世作家が簡単に本出せちゃうから
    自分でもやっていけるんじゃないかって安易な人が、、、
     
     結局は今あるところの逃避なんだろうけど、、

     ・・・・・・正直腹がたつのよね。そういうの。
     (小説家の)才能無いわ、アナタ」






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(パチンコ屋の休憩室にて)


パチンコ屋店主  「今考えると家庭持ったりする方が間違いだったんだな。
          例えば今にも崩れそうな危なっかしいつり橋とコンクリートでしっかりと造られた頑丈な橋の2つがあるとするだろ?
          オレはあぶねえ方渡っちゃうんだな。その先にあるものが楽しみでさ、、、

トキオ  「そーだなーおれもそっちかもしれねぇな(笑)」

店主  そういううやつは家庭もっちゃいけねえよ!

トキオ  「!?」

店主   「女を幸せにできねえ。
       結局女を幸せに出来る男は金払ってでもコンクリートを選ぶ奴さ






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(ノリコの妊娠を知るも、なかなかその踏ん切りがつかないジュン)



トキオ   「小説家の夢にまだ未練あるのか?」

ジュン   「結局なんだっていいんだ。生きがいっていうか、、、
       そういうのが見つかれば、、、なんだっていいんだよ。」


トキオ    「女を幸せにしてやるって事は、そういう事になんねえのか?」

ジュン   「・・・(笑) 
       今の自分に満足出来てない男が、女を幸せにできると思うか?






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(進学校の教え子達に仲間の大切さを伝える為、マラソンを提案するも・・・・)



同僚女教師  「マラソンまだ続けるの?
          もう諦めたほうがいいじゃないのかな?

         これだけ個人主義の世の中で、団体活動なんて逆行してると思うよ。
         生徒の輪の中に飛び込みたい!って気持ちわからなくもないけどさ。
         その輪ってもの自体がそもそも無いんだから・・・





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(役所の屋上でボランティア活動をお願いされる)


福祉センター職員 「もしよろしければ障害者や老人介護のボランティアに参加してみませんか?」

ジュン 「興味ありません!
     他人のために何かをするなんて偽善じゃありませんか?

     正直言ってその種の人間がキライなんです。
     東南アジアやアフリカの救済番組を観てると吐き気がするんです。
     レポーターの芸能人は涙ながらに募金を訴えてるけど、
     帰国すれば毛皮をまとって不倫騒動など起こしている。
     他人に無償の施ししてるというが、逆にタダで自分の虚栄心をかわしてるだけじゃないですか?」



福祉職員    「だったら・・・ キミが本当の福祉をすればいい。」






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(チョロが自殺前夜、入院中のノリを尋ねる)


ノリ 「私たちってさ 仲間の内じゃ将棋の「歩」みたいだねってよく二人でイジけてたよね。
    タカコが要の「王将」って感じで、ケンゴとトキオが「飛車・角」、ジュンとナオミは「金と銀」なんてね
    ワタシとチョロはいつもその周りにくっついてくる「歩」みたいなもんだって

チョロ 「ノリはもう結婚も出産も決まって違うよ。
      いつまでも「歩」なのはオレだけだよ・・

  



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(タカコの母が気丈な娘に対して・・・)


タカコ 母  「死んだお父さんが言ってたの。
          人生は箱を開けるようなものだって。

     「それを開けるとまたその中には箱がある。開けても開けても中には箱があるだけなんだって。
     ひょっとしたらそん中には何も入ってないのかも知れない。

      そして諦めて開ける事をヤメてしまった人には、永遠にその中を知ることはないって


タカコ 母   「もっと素直に悲しいときや辛いときはそう言っていいのよ
        生まれたばかりの赤ちゃんが泣かないと、お医者さんが逆さまにしてオシリ叩くでしょ?
        人間は泣かなきゃダメなの。泣いて自分は生きてるって周りに知らせるの
        心許せる人の前では、泣いていいのよ」





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(チョロの死後、他人に興味を持とうとしない進学校の生徒に対し)

タカコ  「みんながこれから出て行こうとしている社会って辛いことたくさんあるの。
      迷路みたいに抜け道なんてどこにもなくて。
      そんな時支えてくれるのは友達しかいないと思うの。

      今のみんなは高速道路アクセルいっぱいでめいいっぱい走ってる。
      ブレーキを踏んだら置いていかれる不安でどんなに眠くとも脇目もふらずに、、、

       死んじゃうわよ!


      「わたしはちっぽけな教師だから進学校で勉強をセーブしてなんて言えない。
       ただたった一度でいいからインターンで降りてみてほしいの。
       周りの景色を見て欲しいの。みんなで景色をみたいの。
       みんなで何かやったっていう積み重ねが生きる支えになるから







(駅ホームにて)

トキオ  「春を愛するひとは~♪  ・・・ ん?
        続きは何だったけ?」

タカコ  「心清き人   
       すみれの花のような僕の友だち♪」


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野島伸司
フジテレビ 2004-08-18

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