2009年03月21日

□ルイザの不穏な休暇


ルイザの不穏な休暇
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書評/ミステリ・サスペンス


 本が好き!の献本です。

 前作で主人公ルイザの探偵力が発揮されましたが、今作でも、作家ゆえの観察眼の鋭さが、単なる事故を装った事件の本質を発掘します。

 途中、肥料嫌いの清貧な哲学者である父の畑から異臭が漂い、もしかして?と気を揉まされたり、真犯人の姿など、お見事!騙されました!と言う部分もあり、なかなか読まされるミステリーです。

 一方で、ルイザ・メイ・オルコット、その人が実際に書いていたように、彼女独特の言い回し「偉大なる読者よ」などを用い、描かれている風俗のリアルな詳述共々、現代人の作家が書いているという事をしばしば忘れさせられます。

 1850年代の鉄道工事敷設中のアメリカの活力を描く一方で、今に至るまで世界中で問題になる低賃金の使い捨て労働者の問題なども盛り込んでおり、また、オルコット家の交友関係(高名はエマーソンなどと親交を持っていた)などの歴史的事実をきちんと取り込んで描かれているだけに説得力があります。

  作家として家計を支えると同時に「若草物語」のジョーは自身がモデルと言われる活発なオルコットなので、しばしば文中で女性を縛るためにあるとしか思われない大仰な服の鬱陶しさに言及され(ブルマー夫人の提唱した姿をすれば、下手をしたらわいせつ罪で逮捕されかねなかった時代のようで、今時の過露出の服を見たら、当時の人々は気絶したでしょうね(笑))、一方で、男性に媚を売るしかない隣人のタッパー夫人というキャラクターを配することで、女性をめぐる状況の厳しさも描いています。

 一粒で二度おいしいというキャラメルがありますが(笑)、この作品は史実を踏まえてしっかり書かれているので、ちょっと歴史のお勉強、オルコットの世界を体験、そしてミステリーと、三度おいしいかもです。(^_^)

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kaikoizumi2005 at 21:00│Comments(0)この記事をクリップ!小説・物語 

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