2010年01月19日
□テラ・ルネッサンス2

鬼丸昌也さんの挑戦 テラ・ルネッサンス 2
- 田原実/イラスト:西原 大太郎
- インフィニティ
- 1260円
書評/

本が好き!の献本です。
テラ・ルネッサンスって何ぞや? 世界に貢献しようと言う青年の物語らしいぞと本が好き!の新着本紹介で知り、申し込んでみました。
戦後日本では経験したことがない程の不景気の中、ともすれば人の足を引っ張り、人の不幸を喜びという悪しき傾向も見られる中、逆にこんな時こそ、と頑張る人もいるのが救いです。本書の主人公の鬼丸さんは景気状況がここまでになる前に活動を始めた人。ただいまの不景気が活動に何らかの支障を及ぼさないかとちょっと心配ではありますが、先ずは彼の活動の一端として、ウガンダで両親をはじめ、近しい人たちを惨殺されたという日本人ではうかがい知れないほどの過去を持つスタッフの人生をたどり、地雷撤去や少年兵の教育などの活動を紹介しています。
実は本書を手に取って、驚いたのは、鬼丸さんは学科違いだけど、長男の先輩だという事。高校時代のカンボジアへの海外スタディーをきっかけに活動を始めた彼。我が家の息子をはじめ、海外へ行くと、非日常の異文化接触に浮かれるだけというのが大方の中、気の毒、過去の歴史と顔を背けずに、出来る事からはじめようと立ち上がった彼。陳腐な言い回しですが、適切な言い方を思いつかないので・・・・本当に立派です。
彼は賛同者を得て、グイグイと活動を広げていきますが、本書を読んでいる限り、出来る事から少しずつでいいとも言ってくれていて、このような活動をしていく中で陥りがちな「善意の私の言うことについて来れない人間はダメ」と言うようなピラミッド型階層を伴う熱狂をもたらすタイプではないようで、私のような軟弱な人間でも共感出来ます。
例えばフェアトレード商品を買うと言うようなささやかな活動でも良いのだよと背中を押してもらったような気がします。
国際貢献は勿論ですが、今、国内でも不景気のしわ寄せが福祉、ことに高齢者に比べると圧倒的に少ない人数の障がい者福祉に来ているようです。また、福祉を食い物にする輩も不景気だからこそ、増えているようで由々しき状況です。
他力本願ですが、鬼丸さんのような方が、国内の福祉の場にもたくさん現れて欲しい、と切に願っています。





