「ふ〜、ココなら大丈夫かな?」

僕等は学生の多いカフェテリアから中庭に移動しベンチに腰をおろす。

「ん〜、SEXした後のクリス先生の苦しそうな表情が気になる。
でも、SEXの相性に問題があるとは考えにくい。
だから、もしかしたらSEXという行為そのものに問題があるんじゃないか?
って、そういうこと?」

「そう。どう思う?
私ね、性欲は強くないの。
だから、もし彼が私の為に無理してるならやめて欲しいの。
私はSEXなんて無くてもいいし、
彼の苦しむ姿は見たくないの。
でも、真実が分からないまま彼にそんなことを言って、
傷つけてしまうかもしれないと思うと怖いの。」

「ん〜、アレじゃない?罪の意識?
教授が学生に手を出したわけだし。
いけないと分かっていても、
君に触れたいと思う、触れずにはいられない。
それで苦しんでるのかも。」

「私、どうしたらいいの?」

「ん〜、僕なんかに相談しないで、
本人に直接聞いてみたら。
『苦しいの?」って。
ね、マリア様。ふふふ、それにしても、クリスとマリアって凄いよね。」

「そうよ!
私、彼のお母さんなんだから!
聖母マリア様よ!
何1人で抱え込んでるのかしら!」


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「で?相談って?」

目の前に座るマリアに問いかけ、
コーヒーに口をつける。

「クリス先生のことなんだけど...」

マリアが僕の表情を伺うので、

「ん?...ああ、君達のことなら知ってるよ。
っていうか、みんな知ってるんじゃない?」

僕は再びコーヒーに口をつける。

「そうよね?良かった!
それなら話が早いわ。
実はね、彼SEXがあまり好きじゃないみたいなの。」

「んっ!...ゲホッ、ゲホッ!」

マリアのあまりにストレートな表現に、僕は噎せてしまった。

「やだ、ちょっと大丈夫?」

僕は何とか呼吸を整え口を開く。

「...はぁ...またストレートな表現だね...」

僕は周りの視線を気にする。
ココは大学の敷地内にあるカフェテリアだ。

「あら、少し表現を考えた方が良かったかしら?」

「...うん、多分ね...まあ、いいや。
何でそれを僕に?」

「あのね、さっきの貴方の見解を聞いて、貴方に相談してみたら何か見えるかもしれないと思ったの。
それに、色々経験も豊富そうだし、
それでいて、只の遊び人ってわけでもなさそうだし。」

「あのマリア、僕君にどういう風に思われてるの?
さっきので、見かけで判断されてたってのは分かったけど。」

「ああ、ごめんなさい。
女の子とSEXすることしか考えてなくて、まともな恋愛もしたことないんだろうなって、そう思ってたの。」

「それはまた、相談相手に対して随分な言いようだね。」

「本当にごめんなさい。」

「はぁ...で?どうしてそう思うの?
クリス先生のこと。」

「SEXした後にね、たまにとても苦しそうな表情をしてる時があるの。
多分、本人は気付いてないと思うけど。」

「...へえ、そう。」

「あ、私がよくないんじゃないかって思ってるでしょ?
自慢じゃないけど、多分それは無いわ。
SEXしてる時は凄いから。」

「...あのマリア、ちょっと場所変えようか。」

僕はこれ以上、周りの視線を感じる中でマリアのストレートな話を聞いてられないと思った。


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「僕の見解は...
仮に、異性に惹かれる理由が...
『自分と異質な者への好奇心』だとしたら...
同性に惹かれる理由は...
『自分と同質な者への安らぎ』
ではないでしょうか?」

僕が自分の見解を述べると、
隣のマリアが不思議そうに僕を見ていた。

「ん?納得出来ない?」

「いいえ、とても興味深いわ。
ただ、貴方は女の子の身体にしか興味無さそうだから、意外だわ。
しっかりした考えを持ってるのね。」

「...あのマリア、僕どんな風に思われてるの?」

「ごめんなさい。
人を見かけで判断するのは良くないわよね。」

(要するに僕の見かけがチャラいってことね。
まあ、否定するつもりも無いけど。
現に、カイとデートしてると必ず軽そうな女の子に声を掛けられるし。
毎回機嫌が悪くなるカイを宥めるのも大変なんだよ。
今だって、マリアが根も歯も無い様なこと言うから、
カイが凄い顔で見てるじゃん。
さっきまで僕達の事で慌てたのに、
そういう反応は自重しないんだね。)

僕達の勇気ある発言のお陰で他の学生達の発言も活発になる。

トントン

肩を叩かれる、マリアに。

「ん?何?」

「さっきはみんなの前でごめんなさい。」

「いや、気にしてないよ。」

「ちょっと相談があるんだけど、
この後少し時間くれない?」

「ああ、練習があるから、少しだけならいいよ。」

「ありがとう。」

マリアはカイに視線を送る。
マリア、それは、
『カイ君、セフン君借りていい?」
とか聞く気だよね?
そんなこと聞いたらまたテンパるから。
察した僕は、先程からコソコソ話す僕達を心配そうに見ているカイに、

「ねえ、カイ、マリアが相談があるみたいだから、先に練習室行っといて。
話が済んだら僕もすぐ行くから。」

「え...ああ、分かった。」

口ではそう言いながらも、
顔は思いっきり不安そうなカイを安心させようと、
僕は誰にも見えないように机の下でカイの手をギュッと握る。


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