2012年11月

宇佐文学 53号

宇佐文学 53号 いただきました。
遅くなりましたが、ありがとうございました。

小説
まーだだよ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 椿山 滋
卓也は一緒に暮らしている母から、結婚はまだかといつも言われている。つきあっている祐子とは結婚を考えているが、まだ踏み切れないでいる。伯父の葬儀があり、兄やほとんど知らないような親戚と会う。そんなとき、祐子から妊娠したと携帯にかかってき、結婚を決意する。身近な人の死を前に、人生を考える卓也を洗練された文章力で読ませる。後味がとてもよい。

少女と精神病院(第一部) ・・・・・ 原田捨雄
昭和30年代、菊子は15歳で上京し精神病院の看護婦見習いに。磯野看護婦をはじめ高橋婦長など、いろんな人から、いろいろ指導がある。当時の精神病院の内容や看護婦の仕事のことが、リアルに描かれている。

因縁 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 軸丸浩一

久姫(豊前「花剣菱」より) ・・・・・・・・・・ 大森由紀子

大神 宅女 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小川進一
第三章「宅女考」ということで、万葉集の二首を大神杜女だと思うという意見や、72ページの波豆米が宅女に相談を持ちかけるところの会話体など、小説らしく、面白く読ませる。

郷土史
鷹の系譜(二二)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 岩男英俊

もう一人いた勤皇の志士 ・・・・・ 
緒方末弘

随筆
あんた、どがんしょっとね ・・・・・ 高橋薄明

乞食大臣 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 深井津音夫
これは、面白かった。随筆とあるが・・・掌小説かな? ケリ子という名前からすでにおかしい。ケリ子は、家の財産を使って仕事もしない男と乞食の練習をする。男は「いつか乞食大臣になる」と言い、ますますケリ子は男に惚れる。カットもおもしろい。

生きた化石 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 佐田宏規

言葉と口調について ・・・・・・・・・・・・・・ 寺内八江

忘れられていること ・・・・・・・・・・・・・・・・ 今仁章夫

民主医療運動の草分け 
     中島辰猪
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 都留忠久

旅行記(アンネの足跡を旅して 2)・・・・ 
平池久義

史実
日露戦争を勝利に導いた男 
     横尾穣
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
向野 茂

回想記
日本人軍事捕虜のシベリア抑留地 
            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
新貝公明

随筆
宇佐の平野をぞうれっしゃが走った 
             ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 村永ミエ子
「宇佐文学」の好きなところは、宇佐のことが小説、郷土史、随筆といろいろな形で紹介されていて、宇佐を愛しているのだなあと感じられるからだ。この随筆も、戦後、ぞうを見たいという子供たちを列車に乗せて東山動物園に連れていくという企画から、今あるコンサートのことを紹介している。作者の願いがかないますように。

自分史
臺灣引き揚げ・後日談(四)・・・・・ 
首藤正登

史実
真実の人(六)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 安倍次郎

散文詩
ある若者の死 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
今村澄江


江本洋詩集より ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 江本 洋
「街」「闇」「私の人生」「私」の4編を発表しているが、中でも「私の人生」には、一緒にがっくり落胆した。香典泥棒とか葬式荒らしという言葉は知っていたが、まさか・・・という衝撃があった。

わしは(津崎恵二氏に捧ぐ)・・・・ 下村幸生
一人の男の人生のダイジェストのような内容。「わし 死ぬのはこわくないのよ」といいう台詞が言えるのは、戦争を体験した者の持つ強さのような気がする。

人生の岐路 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 内尾宣和

峡天 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 佐藤良美

別れ話、触れ合う心 ・・・・・・・・・・・・・・ 角柳潤一
花の写真と花言葉と詩が相互に関連する2編。すてきな試みと思う。

同級生 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 今村澄江

短歌
佐藤多恵子「短歌」作品集 ・・・・ 佐藤多恵子

静かな背中 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
佐藤良美

俳句
若葉風 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 溝口独妙

四季に寄せて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
上杉羣治

川柳
美しく ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 菅 勇峰
「皺の手が皺の手さする老介護」「人許す気持ちになって丸く老い」どれもほろりとさせられる。

汀女恋しき ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ いわお英柳

「宇佐川柳会」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 黒瀬登他

小論
「宇佐文学」の群像たち(二)・・・・ 
奥田昭統

郷土史
八幡宇佐宮御託宣集 神巻 ・・・・ 小川進一

ショートショート集『メビウスの環』 伊藤幸雄 

「海峡派」の同人、伊藤幸雄氏の小説集『南十字星』と同時に二冊出した、もう一作が、このショートショート集『メビウスの環』です。
伊藤さんは、20年ほどショートショートを書いていて、講談社の「小説現代」の、阿刀田高氏選の“ショートショートの広場”に『前科三犯』『テストマシン』『強制勉強規制法』と、立て続けに入選したそうです。
「海峡派」にも、毎回、発表してきました。
今回、それらショートショートをまとめて本にされたのですが、あらためて、彼の発想力はすごいなあと感心しました。ショートショートはオチが大事で、そのオチもおもしろいのはもちろんのこと、伊藤さんのショートショートは導入がものすごくうまいのです。ぐいぐい引き込まれて読んでしまいます。
書きの33作品が収録されています。

メビウスの環
トキ保護センター
恋愛シミュレーション
ど忘れ
登校拒否
トリック
字空間歪曲罪
詐欺師
元素還元剤
超能力
悪夢
面接試験
夕陽岬殺人事件
宝くじ
思いッ切り
死亡年月日
魔法のランプ
黄金伝説
占いブーム
禁じ手
幻影城
遠い記憶
私の彼は宇宙人
幸運の女神
全自動小説創作機
引き継ぎ
ホラー・ミステリー
もう一人のオレ
まさか
田沼氏の場合
モンスター・ペアレント
決断
お役所仕事

「南十字星」 伊藤幸雄

「海峡派」同人の伊藤幸雄氏が、小説集 『南十字星』 をエポック株式会社より、出版しました。
伊藤氏の初めての小説集で、彼が2003年に「海峡派」に入会してから次々に発表した小説、海峡 / 信濃旅 / 南十字星 / 上高地旅愁 / 紫川慕情 / 銀嶺の果て の6作品が収められています。

昭和4年、日本統治時代の台湾で生まれ、21年に日本に引き上げるまで、台湾で暮らした作者。
その青春時代、美しき幻の地への望郷の念が、どこかしら作品に投影されているような気がする。どの作品もロマンであふれ、読後感は、甘く、切なく、優しい気持ちに包まれる。
とりわけ、「信濃旅情」「上高地旅愁」「紫川慕情」
は、伊藤氏の恋愛小説の三部作であり、風景描写、男女の心の機微、別れ、など映画の中で自分が主人公になったような気持ちでぐいぐい読ませられる。

海峡 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100号掲載

信濃旅情 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
101号掲載

南十字星 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
103号掲載

上高地旅愁 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
105号掲載

紫川慕情 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 107号掲載

銀嶺の果て
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 111号掲載

「輝けブラス」木村和彦

「海峡派」同人の木村和彦氏が『輝けブラス』を出版しました。
この本は以前、『アイウルラ』という表題で出版したものの内容を一部手を加え、書き直し加筆し再出版したものです。
9月24日西日本新聞、「盲学校ブラス 小説に / 視覚障害で楽譜が読めない生徒と、苦楽ともに 部創設 数々のドラマつづる」として、紹介されました。

木村氏は「私の体験を通じて、一般的なイメージとは違う視覚障害者の姿や、彼らが考えていることをぜひ、知ってほしい」と語っています。

『輝けブラス』は、市内の書店などで販売中。
問い合わせは、リーダーズノート出版。

「詩と眞實」 9月号、10月号、11月号

「詩と眞實」 910月号11月号 いただきました。
ありがとうございました。


9
月号



祈り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 吉川千穂


翼をおろしたきみへ
 ・・・・・・・ 甲斐ゆみこ


経験したことのない二〇一二・七・一二
 
                   ・・・・・・・・ 寺崎孝子

20113.11なら、2012は・・・熊本、大分、福岡の筑後・八女地方の大水害。逃げ、おろおろするしかない無力感と、恐怖と、安否を尋ねる電話などへの感謝が伝わってくる。


天使をみつけた日
 ・・・・・・・・・ あびる諒一

5歳で絶望的なことがあったのか、作者は5歳で「ぼくの世界は崩壊しました」と書く。しかし、天使を見ていらい、「充分に幸せでした」という。天使の姿は一様でなく、-たり、-たり、-たり・・・という列挙し、「よくみたら/普通のおじさんでした」ともいう。6ページの長い詩。語り口が軽妙でスッと読める。


小説

あしたに手を振る ・・・・・・・・ 宮川行志

妻の花江亡きあと、77歳の菊二郎が、娘の美江に再三持つよう言われていた携帯電話を買う。それからは肌身離さずに身に着けている。その後、携帯電話に振り回される。また、大学時代からの友人であった積極的だった花江と、清楚でおとなしかった佐用子とのことを思い出す。特に佐用子から借りたノートが淡い恋心のごとく、ストーリーにうまく絡まっている。112枚の小説だが、一気に読ませる。


随筆

メロン嫌い ・・・・・・・・・・・・・・・ 松本光雄


10月号

小説

ニワトリ ・・・・・・・・・・・・・・・・ てらしせいたろう

中学生の直彦の家で、鶏を飼うことに。チミと名付けられた鶏の荒々しく、危害を加えようとしてくることなど、こと細やか、かつ、「雄鶏の狂った姿は自分の先祖がこれまでにやってきた罪/その罪に対する報いが直彦を追い詰め」「目ヂカラも強烈だった」など、独特の表現で描写する。また、直彦の家族のこと、同級生のことなど、日常が迫ってくる。


前倒し、中期高年齢者
 ・・・・・ 井川 捷



モルヒネ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 深町秋乃


命乞い
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ サルタヒコ

ペンネームも意味深だが、この詩もインパクトがある。「ひとつの命の救済のため/ほんの一滴でよろしい」・・・何度か読んで、これは蚊のことかな、と思い当る。であれば、1滴でも10滴でもいいのだが、「抗体反応の症状が若干残る」のが困るのだ。長々と乞う台詞は面白いが、「不幸のシンバルを鳴り響かせ」たいものだなどと思いつつ読んだ。


秘密
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 吉川千穂


爆弾三勇士
 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 澤田博行

「愛する」ということ ・・・・・・ 吉津隆勝


喜悦の灰
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 堀尾正隆

ホタル、きみはもう真っ裸じゃないか ・・・・・・・・・・ 右田洋一郎

最初の三行の「おれの才能はただひとつ/おまえをほんとうに好き、と/あの世にいっても言えること」がいい。キメ台詞があるとその詩をずっと覚えているものだ。


随筆

入浴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 高木マツ子


福田瑞男さんとの思い出
 ・・・・・ 寺崎孝子


11月号


恨めしい石 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ あびる 諒

墓参の途中の石段で、ミミズが踏まれている光景をミミズに近い視点で感じている。生と死は、こういう身近にあり、感じるものかもしれない。


夕べ
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 吉川千穂

夏の暑さを一瞬忘れる、さわやかな詩。実り多き夏のイメージが浮かんでくる。


革命二段階論
 ・・・・・・・・・・・・・・・ サルタヒコ


篠山紀信展 写真の力の写真展
 ・・・ 寺崎孝子


陽は昇る
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 山路金剛


輪廻
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中村 靖


小説

パライソ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 木下恵美子

パライソとは天国のことのようだ。島原の乱、とりわけ、神の子、天草四郎に仕立てられた絵が上手な少年が、天草四郎として切支丹を率い、殺される短い一生を息も詰まるような迫力で描いている。筆力もあり、ラストで右衛門作の言葉、「絵を描く喜びを取り戻していた」に、宗教の意味を考えさせられる。


随筆

僕の一冊 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 平戸喜文


愛犬ローズ
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
近藤菅男

 

 

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