2018年05月

全国文芸同人誌評掲示板 ②

全国文芸同人誌評掲示板根保孝栄・石塚邦男氏より、批評していただきました。   
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「海峡派」142号(北九州市) その2

  

・作品を書くことで、いかなるベネフィット(利益)が得られるのか。損得勘定で考えると、同人雑誌の活動は世俗的な意味合いのベネフィットはないと言っていい。同人雑誌の活動におけるベネフィットは、大半は精神的な意味合いに限定されるだろう。それは、芸術活動のほとんどにあてはまるだろう。なぜ書くのか、なぜ同人雑誌に所属しているのか、という問いは、同人雑誌の古い書き手にとっては、すでに整理済みの課題であろうが、同人雑誌とは関係のない部外者からはどう見られているのか。世俗的なベネフィットを基準に考える一般には理解を超えたことかもしれない。
 以下に小説作品に触れたい。

・小説は連載物が多いのがこの雑誌の特色である。
木村和彦「対馬海峡」は最終回。はたけいすけ「あしたは晴れている」は連載15回、松本義秀「遥子と翔平」は連載4回、西村宣敏「視えない街」は下といずれも連載。前回までの内容はどうであったか、あらすじがあれば読者に親切だろう。

川下哲男「離島の花」は、コンサルタント会社に務める<私>は、亜熱帯の島に派遣され、島の騒動に巻き込まれながらなんとか仕事をやりおえて帰ってくる話なのだが、特異な仕事の内容は興味深いものであった。  注文を言うと、毎回書かなくてもいいから、2、30枚のがっちりした作品を書いて欲しい。気合いを入れて書くと秀作が書ける筆筋が揃っているのに惜しい。単に参加すればいい、というような作品を見ると悲しくなる。気合いを入れて書いて欲しい。


全国文芸同人誌評掲示板より その①

全国文芸同人誌評掲示板に、根保孝栄・石塚邦男 氏より、批評していただきました。
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・抜粋します

「海峡派」142号(北九州市) その1 バラエティーに富んだ短詩型ジャンル、 シュールな清水啓介「黒いバス」の方法意識

  

・現代詩は岐路に立っている。詩人も詩の書き方の方向に迷いを覚えて展望を暗中模索している状態であるし、愛読者も流行りの音楽の歌詞には関心を払うが、寂しいことに純粋の現代詩には関心を示さない状況が長く続いている。若者の世代が減少してくるにつれ、詩を書く者は減り詩を読む者は急激しているのだ。
 減少しているのは詩ばかりではない。短歌、俳句も減少している。それは、金になるものではないからだ。高度成長時代が終わり生活が厳しくなると現代詩、短歌、俳句人口は急速に減少し始めた。趣味などやる余裕がなくなったのだ。

・しかし、詩は読者が読む読まないにかかわらず詩人によって書かれる。詩人は詩を書くことによって悲しみが癒され、慰められている。それは詩の神通力とでも言えるだろう。あるいは、祈りとでも言えるだろう。


横山令子
「高く手を振って」は、作者も慰められ読者も心が洗われる作品。第一連紹介。

   庭の椿に雀が集まってきた
   賑やかで 元気な声が響く
   どんな合図があったというのか
   いっせいに飛び立って行く


小川ひろみ「山、笑う」は、詩を書く自分を客観的に見詰める作品か。最終連紹介。

    樹々を抜ける風のごとき一瞬の命
    書こうが書くまいが
    どうとでも好きにするがいいと
    山、笑う


清水啓介「黒いバス」は、戦後詩世代が詩作品にとりこんだ懐かしいシュールな喩法を駆使していて共感するものがあった。全文紹介してみよう。

    小さな路地ばかりの その街を
    不思議なバスが ゆっくりと はしる
    車体は 真っ黒
    運転席の窓も 真っ黒
    客席の窓も 真っ黒で
    そのぶん
    それら客席の窓にはガ内側から それぞれ
    人の横顔の実物大写真が貼られている
    その黒いバスは
    道行く誰の眼にも見えてはいるのだが
    意識にのぼることは全くない

    今日も その黒いバスは はしる
    ゆっくりと はしる その後を
    おびただしい数の ぼんやりとした
    はかない人影たちが
    黙々と 尾いて行進してゆく
 
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kaikyoha

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