高橋新吉という詩人がいた。
昭和62年6月5日に東京江古田の自宅で亡くなっている。
出身は愛媛県西宇和郡伊方町。
今は原子力発電所が建っている漁村だ。
ダダイズムの旗手として、また晩年は禅詩人とも表現された。
昭和の始めの作品ながら、文学の現在のシュルリアリズム的なものはその詩集にほとんど内包なれている。
一編だけ紹介。
「作品57」
曇天の下をヒタ走りに走って
私は櫨(はぜ)の木に登つた
そして赤い舌を出した。
それから雨が降ったのだ。
もう一編。
「留守」
留守と言へ
ここには誰も居らぬと言へ
五億年経ったら帰つて来る
いや。
突然思い出したもので書き記した。
奥さんは元気なのかなぁ。