高校入試も終わり、プレッシャーから解放された受験生達は
新しい生活に向かって目をキラキラさせている。

塾長である私もある種のプレッシャーが
喜びに変わる時期でもある。


今年の受験生の中に、
公立高校一本のみで滑り止めなし。
しかも志望校は、偏差値を15から20以上あげなければ
合格できない高校を希望という生徒がいた。
1年前のこの時期に入塾してきた生徒である。

短い期間で直前の12月の模試までに
それ以上の得点が取れるようになるか・・・?
その生徒は見事に志望校の偏差値を超える得点をたたき出した。

学校からはランクを下げた高校を強く進められたと相談しにきた。
その子自身は、初志貫徹タイプだが、
その顔はどう見ても「塾長が私の背中を押せ」と訴えていた。

いつもニコニコしている明るい生徒であるが、
その笑顔の奥にはかなりのプレッシャーも抱えていただろう。

しかし、この生徒は偏差値の上昇もさることながら
学習状況、モチベーション、良好な家庭環境、
そして何よりも本人がそこに入学したいという強い姿勢があり、
好条件がそろっていた為、私は背中を押した。

結果、志望校に合格。

その生徒の保護者は、合格者発表の掲示板の前で踊っていたらしい。
本人は「他人のふりをしました。」と言っていた。
ちょっと、その踊りを見てみたかったかな・・・。

子供達はみな、プレッシャーから解放されて
のびのびとしているが、やはり受験前の子供達とは違う。
大きな山を乗り越え、ひと回りもふた回りも大きくなった子供達だ。
みんなよく頑張った。


そして私には、また次の受験が控えている。

先輩達の頑張りを見ていた生徒の何人かは、
もうすでにエンジンがかかり、受験体制に入っている。

一人ひとりの学習のスピードは違う。
理解度も違う。
モチベーションや性格も違う。
家庭環境も違う。

なので、当然
一人ひとり、それぞれの学習計画を練る。

こんな事を言ったら怒られるかもしれないが、
過去のデータや経験を生かして、
色々な戦略を練るのは実に楽しい作業でもある。
それが結果となって目に見える形になる喜びを毎年繰り返す。


開成ラボでは、小学生のうちから既に受験への準備は始めている。

事あるごとに国語の学習の課題を出され、ブツブツと言っていた受験生の一人が、
「受験が終わって、塾長が言っていたことがわかりました。」と言ってくれた。
この子も高得点をたたき出し、今は高校入学後の最初のテストに向けての学習をバリバリ行っている。

他の生徒達も受験期になれば、今から学習している課題の積み重ねが何だったのか、
分かることになるだろう。

楽しみだ。
daruma