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2018年04月04日

「暁斎・暁翠伝」東京富士美術館 内覧会レポート

近年さまざまな美術館で展覧会が開催され、人気の高まる幕末から明治時代に活躍した絵師、河鍋暁斎。その長女で絵師の暁翠に受けつがれた画業の伝承とともに、暁斎の魅力に迫る展覧会『暁斎・暁翠伝-先駆の絵師魂! 父娘で挑んだ画の真髄』が、八王子にある東京富士美術館にて4月1日(日)より開催中です。
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狩野派絵師として、また様々な画派を貪欲に学びながら幅広い作風と領域で活躍した暁斎と、その長女で、柔らかで色彩豊かな美人画や小児図を得意とし、時には父・暁斎と同様の勇壮な、あるいはユーモラスな作品をも描いた女流画家・暁翠に焦点を当てた展覧会です。
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埼玉県蕨市にある河鍋暁斎記念美術館は、河鍋家に伝来する約3,000点もの下絵・画稿をはじめ作品・資料が数多く保存されていますが、同展では、河鍋暁斎記念美術館所蔵の作品から、暁斎の伝説的なエピソードとともに、娘・暁翠に受け継がれた画業の伝承までを網羅。貴重な資料とともに暁斎の魅力を多面的に知ることができる展覧会となっています。

内覧会に参加しましたので、その様子をご報告します。(会場内の写真は美術館を許可を得て撮影したものです)
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暁斎は、1831年(天保2)、現在の茨城県古河市に藩士・河鍋記右衛門の次男として誕生。幼い頃から絵を好み、3歳で初めてカエルを描き、7歳で浮世絵師・国芳に入門。その後狩野派に学びます。暁斎は早くから頭角を現し、師の前村洞和はその画才を賞して「画鬼」と呼んだといいます。
幕末から明治の時代、狩野派の絵師は最大のパトロンである幕府の崩壊という厳しい状況に追い込まれますが、暁斎はその画力と反骨の精神を生かして浮世絵を出版、本に挿絵を添え、書画会では求めに応じて無数の作品を描き上げ、さらには来日する外国人に作品を提供するなどして、苦しい時代を巧みに生き抜いていきました。弟子にイギリス人の建築家ジョサイア・コンドルがいたことから海外でもその名が知られています。

明治14年、第二回内国勧業博覧会に《枯木寒鴉図》を出品して絵画の最高賞(妙技二等賞)を受賞しました。この作品を榮太樓總本鋪の主人が破格の100円で買ったため、一躍、「鴉の暁斎」となりました。ちなみに当時の教員の初任給が5円ですからいかに破格であったのかが想像できます。
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 暁斎は無類の酒好きとしても知られますが、生涯を通じてあらゆる表現を探究し続けた極めて熱心な絵師でもありました。土佐派や四条円山派などの伝統的なものから、浮世絵や西洋画に至るまでさまざまな画法を研究し、仏画から戯画まで幅広い画題を、ときにはユーモアを交えながら、圧倒的な画力によって描き上げた暁斎。本展では、緻密で繊細なものから一気呵成に描き上げた大胆なものまで、本画や浮世絵、挿絵や能・狂言画、席画など暁斎の画業を改めて多角的に展望する内容となっています。

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これまであまり紹介されていなかった千代紙やデザインの仕事による作品も展示されています。

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河鍋暁翠(かわなべ・きょうすい、1868(明治元)-1935(昭和10))は、父・暁斎から幼少より絵を習い、明治30年代に現在の女子美術大学の日本画の初の女性教授となりました。
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数え5歳の頃、父に「柿に鳩図」(河鍋暁斎記念美術館蔵)を手本として与えられ、日本画の手ほどきを受けます。
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暁翠は、柔らかで色彩豊かな美人画や小児画を得意としましたが、父・暁斎と同様の勇壮な、またユーモラスな作品も描きました。
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なお、東京富士美術館は常設展も見逃せません。ブリューゲルやモネなど西洋絵画の名品の数々がさりげなく展示されています。一部を除き写真撮影も可能です!暁斎・暁翠伝のチケットで鑑賞できますので、こちらもぜひお立ち寄りください。
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流派を横断する自在な筆致、斬新でユーモラスな画風、またそれらを支える確かな画力。暁斎の魅力を改めて再認識できる展覧会です。今回はさらに暁翠の作品をまとまってみることができる貴重な機会でもあります。
初公開となる作品・資料も多数あり、暁斎・暁翠父娘の魅力をぜひ会場でご確認ください。
会期中、山口晃さんの講演など、多彩なイベントも予定されています。→イベント

暁斎が好きだった蛙がいっぱい!シュガーアーティストの田中弥生さんの蛙も展示されています。
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「暁斎・暁翠伝 ─先駆の絵師魂!父娘で挑んだ画の真髄─」※会期中展示替えあり
休館:月曜日(祝日の場合は開館。翌日火曜日が振替休館)。但し4月2日(月)は開館。
時間:10:00~17:00  *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1300(1000)円、高校・大学生800(700)円、中学・小学生400(300)円。
 *( )内は20名以上の団体料金。
 *毎週土曜日は小中生無料。
 *誕生日当日に来館すると無料。
会場:東京富士美術館 八王子市谷野町492-1
交通:京王線八王子駅西東京バス4番のりば、及びJR八王子駅北口西東京バス12番のりばより創価大正門東京富士美術館行、もしくは創価大学循環にて約15~20分。無料駐車場あり。
公式サイト
公式ツイッター

展覧会の内容を網羅した「河鍋暁斎・暁翠伝」(著:河鍋楠美 出版社:角川書店)も発売中。書店、ネットでも購入できます。
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