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2020年01月06日

世界初の試み!ダ・ヴィンチ没後500年「夢の実現」展

ダ・ヴィンチ没後500年 「夢の実現」展が東京・代官山で開催中です。
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ルネサンスの巨人レオナルド・ダ・ヴィンチは、今から500年前の1519年に亡くなりました。彼は《最後の晩餐》や《ラ・ジョコンダ(モナリザ)》という、 世界で最も知られた絵画を描いた画家ですが、67年の生涯で残した作品は驚くほど少なく、現存絵画は16点ほどしかありません。しかもその多くは未完成であったり、欠損しており、完全な姿で残っている完成品は4点しかありません。
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東京造形大学では、今回「Zokei Da Vinci Project」の名のもと、教員の指導のもと、学生たちが未着色作品に彩色を施したり、消失部分を科学的根拠に基づいて復元を行い、未完成作品や欠損した作品、構想段階で終わった作品などをヴァーチャルに再現する作業に挑戦しました。完全な状態でレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画全16作品を展示するのは、世界初の試みだそうです。

ジネヴラ・デ・ベンチおよび裏面(オリジナル作品:ワシントン、ナショナル・ギャラリー)
ジネヴラはメディチ銀行の番頭格だったベンチ家の娘。この作品は右端と下部に切断痕があり、下から3分の1ほどが切断されて失われています。しかし当時のさまざまな素描や資料から、表裏両面の消失部分に何が描かれていたかを推測が可能であり、プロジェクトでは、切断部分の復元を試みています。裏面の復元は世界初とか。
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サルヴァトール・ムンディ (オリジナル作品:個人蔵、アブダビ、ルーヴル・アブダビ美術館に寄託展示予定)
2017年10月、ニューヨークのクリスティーズで開かれたオークションで、史 上最高値となる508億円(手数料込み)で落札されて話題となった作品。サルヴァトール・ムンディとは「世界の救い主=救世主キリスト」の意味。
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聖ヒエロニムス (オリジナル作品:ヴァチカン絵画館)
聖人が荒野での修行中に、自らを誘惑する妄想に打ち克とうと石で胸を打つ場面を描いています。着色されることなく放置された作品ですが、展示では同時代のフィレンツェの画家たちによる同主題作品の定番の色彩(同聖人の赤いローブなど)を参考に彩色された状態で復元された作品を見ることができます。
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ラ・ジョコンダ(モナリザ)  (オリジナル作品:パリ、ルーヴル美術館)
実際の作品ではひび割れが目立つのですが、今回はひび割れを除いて復元しているそうです。監修にあたった東京造形大学の池上教授によると、ひび割れの有無でこんなにイメージが変わるのかと驚いたとのこと。実物をご覧になった方は、その違いを確認してみてください。
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パネルの前で説明する池上教授

東方三博士(マギ)の礼拝  (オリジナル作品:フィレンツェ、ウフィツィ美術館)
生まれたばかりのイエスのもと に、東方から三人の賢者が祝福に訪れている場面。修道院のための下絵だったのですが、契約は中断され、その後ボッティチェッリの弟子のフィリッピーノ・リッピが作品を納品しました。構図の類似性などから、リッピが本作を参考にしたことは確実で、今回のプロジェクトでの復元に際しても、リッピ作での色彩を参考にしたそうです。この作品にはヨーロッパに存在しない巨大な動物が描かれています。ちょっとわかりにくのですが、ぜひ探してみてくださいね。
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最後の晩餐 (オリジナル作品:ミラノ、サンタ·マリア·デッレ·グラーツィエ教会修道院)
レオナルド唯一の現存壁画にして最大のサイズをほこる作品。
本プロジェクトでは、 剥離部分を周囲の色で補い、キリストの足先などの完全に消失した部分の細部描写にあたっては、 レオナルドの弟子たちが残した模写作品を参考に復元されています。
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観る者の視線は自然とイエスの顔へと導かれるような構図になっており、無料で借りられる解説ムービーでその様子を確認できます。

レオナルドは芸術の他にも建築学や物理学、力学など多分野に渡って精通しており、生涯に膨大な数の工学系発明をしたことはよく知られています。しかしそのほとんどが、当時の技術水準や素材では実現できないか、コストがかかりすぎるものばかりでした。今回の展示では、彼の計画していた巨大騎馬像や工学系作品、巨大建築なども現代の技術を駆使しながら縮小模型やCG、VRなどによって再現されています。
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集中式聖堂》レオナルドの手稿には、集中式(求心型) プランをもつ聖堂のスケッチが多く登場します。ルネサンス以前の中世建築と異なり、 古代的·ビザンチン的な集中式を採り入れています。
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《大墳墓計画》 レオナルドの大規模な構想の中でも圧倒的な壮大さを誇る計画。
中層には六つの墓室があり、入ロのスケッチには中に並べられた石棺も描かれています。レオナルドの東方への憧像が反映されている作品。
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模型の後ろには、3DCGで作成されたリアルな映像も流れており、実際に建築されたらこんな感じだったのかな・・・と想像することができます。

《スフォルツァ騎馬像》は、レオナルドがミラノで取り組んだ史上最大の騎馬像計画。しかし、鋳造の一歩手前でフランス軍がミラノに侵入。集められていた70トン以上もの青銅は、大砲の製造用に使用されました。結局、鋳造される 機会は二度となく、模型も破壊されてしまいました。本プロジェクトでは、レオナルドが挑戦した両前脚をあげていななく野心的なポーズに挑戦。三脚接地ポーズはこれまで数度復元されたことがありますが、両前脚をあげるポーズは世界初の試みです。
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本展では、展示作品の詳細な解説や、レオナルド·ダ·ヴィンチの年表が掲載された豪華なリーフレットが無料でいただけます。
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作品をより楽しむために鑑賞ムービーも無料!写真も一部を除きほとんど撮影OKです。

 展覧会会期中には、ヤマザキマリ氏(東京造形大学客員教授)のトークイベントのほか、茂木健一郎氏も参加するシンポジウム、アントネッロによる音楽イベントなど、レオナルドが生きた時代やルネサンス美術など、ダ・ヴィンチに関連した多数のイベントも開催されます。詳細は、公式サイトでご確認ください。

「夢の実現」展が目指しているのは、「レオナルドがかつて抱いた夢の一部を、500年後の今、実現させる」こと。
彼の絵画空間の中に入り込んで、3次元空間をヴァーチャルに体験したり、彼が考案した機械を動かすVRなど、驚くような体験ができます。この面白さは実際に体験しないとわかりません。レオナルドの多彩な魅力が無料で楽しめる貴重な機会、お見逃しなく!
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◆「夢の実現」展 概要
【名 称】 ダ・ヴィンチ没後500年 「夢の実現」展
【期 間】 2020年1月5日(日)~2020年1月26日(日)
【場 所】 代官山ヒルサイドフォーラム(東京都渋谷区猿楽町18-8 代官山ヒルサイドテラスF棟)
【総意匠数】 復元絵画作品16点、復元彫刻作品1点、復元建築作品2点、復元工学系発明品12点
【公式サイト】 http://leonardo500.jp/

kaisyuucom at 20:19│アート | 東京
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