3月21日は、夕方に映画『ソロモンの偽証 前篇・事件』を観てきました。今回はその感想を書いていきましょう。

ちょっとジュリちゃん、アナタ何やってるの…

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※PC版ホームページ

≪以下ネタバレ注意≫

実はこのソロモンの偽証、スルー予定だったんですよね〜。

『孤高のメス』は大泣きしたけど、それ以外の成島監督の作品はあんまり…だし、

平野秀朗先生が関西ウォーカーのユーストリームで熱く語っていたのは観ていましたが

『同じパターンで絶賛していた だいじょうぶ3組はそれほど感じるものはなかったし、

散々煽ったところで劇場版鈴木先生の学校裁判のシーンの脚本ほどの完成度は期待できないやろーし、

リーガルハイを観ていたら確実にハードルは高くなるし、それ以前に宮部先生の作品は観た事無いし…』

と思ったのと、縛りやトーマスさんが

『前後編と分かれているけど、2ついっぺんに観ないと意味が無い』

とバッサリと切り捨てていたので そそられなかった、という感じ。

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されど、ジョニーAさんや にゃむばななさんが観られたのは前編だけながらも高く評価していたので

『やっぱり観とかなアカンのかなぁ…どーせ、最近は観る映画で大当たりが続いているから、ハードルはかなり低めに設定できるし…』

と割りきって観ようと決めた次第。

ほんでもって、結果。

見終わってからのカタルシスはびっくりするぐらいありませんでしたよ。

それははっきり書いておきます。

宮川一朗太さんが演じた柏木君の両親が、葬式以外に出てこなかった事により、柏木くんの人となりだったり、死の真相のヒントすら提示されなかった事以上にですね。

三宅さん&松井さんが大出くん一派にいじめられるシーンや、松井さんが雨の中ドン!されるシーン。

大出くん一家の尋常でない荒みっぷりやら、高木学年主任と藤野さんの体育館での口論のシーン、

…それらの描き方が必要以上に生々しくてげんなりさせられたし、

同じ松竹映画の『白ゆき姫殺人事件』を彷彿とさせるテレビ局の人間の薄っぺらさな台詞が、案外何かの伏線になのか?と思わせながら思いきりミスリードだったり…

それらが柏木君よりもよっぽどモヤモヤさせられて、その余韻を引きずったまま前編が終わってしまった感がありますねぇ。

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そらまぁ、深夜のワープロのシーンで容赦無くエンドロールに突入させたところは、

『陰と陽』じゃないですがエヴァの旧劇場版の前編のラストを思いだしてしまい。

風呂敷を広げるだけ広げた上であーいうタイミングでバッサリ終わらせて、エンドロールと後編の予告編まで見せて編集面では突っ走ってくれた成島監督ってある意味すげぇなぁ、とは思いましたが、

基本的には縛りやトーマスさんの言う通りだとは思ったなぁ。

しかしながら。

大人の役者さんはもちろんの事、子役…いや、主演の藤野さんはもちろん松井さんやまえだまえだの子に至るまで、

見た目は中学生だと言われたら概ね納得はできるのに、肝心の演技は子役離れしていて素晴らしかった。

僕の中のカタルシスの無さを補って余りあるぐらいのものがあってですね。

こりゃ作品そのものもそれなりに高く評価しなきゃイカンなぁ、と。

子役について。

いかんせんサイキッカーなもので

『大規模なオーディションって言うたって、大人の事情丸出しのキャスティングや出来レースでチョイスされた子が何人か居るんやろ?』

と邪推しまくりの構えで観てましたが、きっとかなり高い確率でシュートにオーディションをしたんやろなぁ、と感心させられたりもした。

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それでもやっぱり、藤野さんによる基本自然体ながらも、困った時に見せる表情と、時おり見せる凛とした表情のギャップがその度にハッとさせられて…

多分、演技力もズバ抜けてたよなぁ。

あれだけ大人が、大人が、という台詞がありながらも素の藤野さんって、他の子役の誰よりもよっぽど大人びていて、

女優としてのデビュー時点のプロ意識は雰囲気が似ている印象を受けた蒼井優や、極端な話芦田プロよりも高いに違いない、と思ったぐらいで(笑)

大人の役者さんの中では、誰よりも怪演だったと思う黒木華とのやりとりがなかったのはもったいなかったなぁ。

前編であれだけやってくれたら、裁判のシーンもそれなりに期待してしまいそうです。

最後に。

カタルシスが無かった事!以外に、今作で不満だったところを挙げますとですね。

演出面で僕の好みでは無いところが幾つかあった点。

前述のげんなりする生々しさとかは原作の通りかも知れないからしゃーないのかもしれないけど、

あまりにアレだったので思わずこの記事の題名にもしてしまった、

柏木君がいじめられる二人を見殺しにする藤野さんを非難したシーンの回想が有り得ないぐらいしつこかったのは、観ていて引っ掛かったなぁ…

黒木華…と黒木華の隣人、あと永作博美の壊れっぷりの演出も、あと判事役の子のキャラ設定もかな?

そーいう細かいところにやり過ぎの印象が強くて…

そこまでこだわりも無かった様に思ったのもあるし。

結果、かえってモヤモヤさせられたかもしれない。

ひょっとしたらあの壊れっぷりが、非常に重い今作の世界観の中で実は『一服の清涼剤』的笑わせどころだったのか?とも考えましたが、さすがに違いますよね?ということで。

それでは皆様、北尾先生が本気で学校と闘うぐらいのテンションをキープしつつ、後編でお会いしましょう…

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