2007年11月28日

第8話 血の祭典5

題名:恋愛はテレパスで
第8話 血の祭典
登場人物:僕=古河祐二・新カノ?=鈴木優香・不吉な男=ロシライン?
・アメテレ機密IT機動部隊、隊員の田中英美と大山貴史、柿谷祐子と佐山祐介


「ぴーぽーぴーぽー」
救急車がドックヤードガーデン前の、さくら通りで停車した。
それは優香と僕が感じていたテレパスが途切れた場所だ。
一番近くにいたので先発隊として、先に到着していた田中英美と大山貴史であった。
彼らのテレパスは10分前から消失していた。
多勢に無勢ならば一時的にシャットダウンや微弱にすることはあっても、たった一人の誘拐犯みたいなヤツにそんなことはするはずがないし。

あの、嫌な予感が走った。

救急車が怪我人をストレッチャーに乗せたとき顔が見えたが、目と鼻、口、耳から血が吹き出ていた。
その姿は助からないだろうと誰もが思うような出血でもあった。
それを見て優香の顔が強張った。

「おい、どうしたんだよ」
「あの人達・・・英美と貴史」
「ええーホントかよ」
「間違えないわよ。何回も会って打ち合わせした相手だもの。でも誘拐犯に殺されたみたい」
「そうだよな。あの出血は普通じゃないのは僕にも分かる」

考えている間もなく、また強烈なテレパスとテレパスが対立するのが伝わってきた。
明らかにロシラインのモノではなかった。
だが、その邪悪なテレパスに抵抗しているのはアメテレの一員だった。

また、嫌な予感が走った。
またアメテレの誰かが死んでしまうのか?
怯えた気持ちで優香に聞いた。
「誰だろう?」
「2組目も死んだみたい。柿谷祐子と佐山祐介」
優香の顔はみるみる暗くなっていくのが分かった。
もしかしたら未来予知出来たのか?
「大丈夫か?顔色が悪いけど?」
思い詰めた顔をして返事を何分もしなかった優香のテレパスが飛んできた。
「私、今、このみなとみらい地区で殺されるみたい。でもアナタがそれを遮蔽する事も、もう一つの予知で感じるのかな?助けて」
僕は具体的に有利な策など思い浮かばないし。
優香に聞いた
「どうすればよいんだよ?」
「私にも分からない」
このままでは危ないと思い、ここから離れることにした。
優香の肩を抱くようにしてパンパシフィックとヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルがある国際橋の方に逃げて、国際橋の中央にさしかかったとき。優香の足が止まった。

不思議に思い彼女をよく見ると、足の太ももから血が垂れてきた、まるで生理の血が流れてしまったみたいだ。
「大丈夫?」と聞いた。
優香はおなかを押さえながら橋の欄干に手をやり、海を見ていたが、振り向いたとき目に血の涙が流れ出しているのが分かった。

優香は不意に欄干を超え海に身投げしようとした。
瞬間的に僕は、優香を抱え込み彼女に覆い被さるように、守るように海へ転落してしまった。

水中で血は真っ赤に広がり、本来なら浮かび上がるはずの体が、二人とも沈んでいく一方な事に気がつく。

ああ。

これで、彼女の言っていた「殺されるかも」の意味が分かった。
まったく別のテレパス、しかも強烈なモノで攻撃されているのに気がついたがもう遅かった。

体は沈んでいく。そして海底が近くに見える。

相手は優香なのか?
摩季なのか?
幻なのか?
これが走馬燈なのか?
二人っきりのお茶の席が楽しかったのが思い浮かぶ。
親先生が、駄目な僕を何回も何回も辛抱強く、点て方の指導をしてくれた。
母親が母乳を飲ませてくれた。
卒業式の嬉しかったこと。
どんどん思い出してくる。

さようなら皆様。
お母さん・・・
優香・・
摩季・

kajison777 at 03:09 │Comments(0)TrackBack(0)clip!恋愛  | 小説

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