アウトロダクション
バックパッキングとしての旅行は実に2年ぶり。出発前日にあんな情報が入ってきたり、行ったら行ったで高山病をはじめとしたハプニングの山・・・何回か行った旅行の中でも今回が一番きつかったかもしれない。でも、これは簡単に他と比べられるものじゃないけど、内容的にはこのチベットは本当にすばらしかった。まだまだ世の中にはこんなところがあるんだな。世界って広いわ。
すでに延長戦気味のおれの学生生活だが、社会人になったら間違いなくこんなことは出来ないだろな。かといって会社を辞めて旅に出るなんてことがおれにできるかどうか。旅行に限らず時間はうまく使わねばと、旅をしている間中ひしひし実感。あと1回か2回、将来では行くのが困難なところになるべく行きたいものです。
この旅もとにかくいい出会いに恵まれました。一人旅とは言うものの、純粋に一人だったら絶対におもしろくもなんともないはず。おれの旅を盛り上げてくれたみんなに心から感謝。どうもありがとう。トゥチャイナ。またいつか、世界のどこかで会いましょう。
thanks to
卓矢 ワンさん キウィ 小川さん 豊くん 千恵 野間さん ミロさん
尚美さん シネ スチ ハルカ セラのナマグサ坊主どもとデプンのお坊様
ツトム コバさん 博子さん トシさん ジョカンの子供たち サトシ ノリ
山本さん 大澤さん ドライバーのおっちゃん 高橋くん 小寺くん 安藤さん
キレーのうんこスタッフども
旅で出会ったすべての人たち
2004年10月28日 梶山啓輔
Posted by kajiya_macho1 at
16:33
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9月5日
9時起床。起きたら安藤さんはもう出発済み。顔を洗って朝ごはんを買いに行く。外にでると揚げパンのようなものを売っている屋台が。あまりのこんがりした香りに買ってしまう(0.5元)。別の店でパオズも4個。ゲストハウスの庭でのんびり朝食。飛行機は14:10なのでまだ十分時間があるので外をプラプラ散歩。
11時半頃にタクシーで空港へ。成都の空港はなぜか国内線ターミナルがきれいで巨大、一方国際線はまさに地方空港といった感じ。搭乗時刻とかが載っている掲示板がどこにあるのかと思ったら、これが電光掲示板どころかチョークで黒板に書かかれとる。しかも壁に立てかけてるだけだし。
お土産を探すも、空港だっつーのに全くもってろくなものがない。パンダの街なんだからせめてパンダのお菓子くらい用意しとけよ。仕方ないのでものすごくまずそうな、中国語に混じって「後味が尽きない!」なんていう日本語表記のある豆の菓子を購入。後味が尽きないとはいったい・・・
搭乗を待っていると日本人の団体ツアーが。おばあちゃんたちに「ニーハオ」と声をかけられる。いやいや、日本人っすよ。どうもこの旅行で日本人に見られたためしがない。基本的にはおれは韓国人見えるらしい。日本人はたいてい「あ、日本人だったんですかー」とか言うリアクションしてくるし、英語で話しかけてくる日本人までいやがる始末。韓国人が見ても韓国人に見えるというのだからたいしたもんだ。みんなの話を聞くと、どうやら髭がないのが一番影響してるとのこと。確かに日本人旅行者で毎日髭を剃るのはおれくらいのもんだったけどな。
おばあちゃんグループとの話も弾み、お菓子を分けてもらったりする。「私たちは全然高山病なんて平気だったわ〜」などと言う。65歳に負けた・・・
飛行機でいったん北京へ。行きの時と同じく、北京で出国審査をする。さて、ついに勝負のときが来た・・・。果たして2万円がぶっとぶか否か。
ここでまず、早足で通路を歩いて、審査の列の先頭に並ぶという作戦にでた。ビザ切れがばれた場合、列の先頭のやつがいきなりオーバーステイというやっかいな仕事を持ち込んだら、めんどくさがってスルーできるかもしれない、という中国人のめんどくさがりな性格を見込んでのこの作戦。
何食わぬ顔でパスポートを見せ、審査を待つ・・・・、やはり気づかれた。
「おい、ビザはどうしたんだ?15日を越えてるじゃないか」
「そうなんだよ、ネパールに入れなくてさ」
「オーバーステイは一日につき500元の罰金だ」
「いやいや、ネパールに行くつもりがダメになっちゃったんだよ、勘弁してよ」
そした別のブースで審査をしているおっさんに何ごとか相談し始める出国審査官。
「Next time, No」(シッシッと追い払うような仕草付き)
き、きたー!お咎めなし!いいとこあるじゃん、中国人!作戦成功か?!この嬉しさを伝える相手もいなかったので、一人でにやにやしながら出国完了。イェー
9時頃には成田に到着、いよいよ旅も終了し、遂に日本に帰ってきてしまった。思いのほか入国審査と荷物受け取りに時間がかかってしまい、東京駅発の筑波センター行き終バスに間に合わなくなってしまったので、行きと同じく電車でひたち野うしく駅へ。「高山病になった」とメールして以来連絡を取っていなかった両親に無事帰国の電話をいれ、携帯に入っていたメールの返信をする。うーむ、なんだか急激に現実に戻ってきてしまった感が・・・駅に着いたのは12時半にも関わらず後輩を呼び出して車で迎えに来てもらった。すまねえ栗原、ありがとう。
部屋に帰ってきたのは深夜1時過ぎ。そして明日は1限から授業、みたいな。現実戻るにしてももうちょっとリハビリが欲しかったが・・・ここで今回の旅は終了。いや楽しかった。こんなに楽しいものとは、ちょっと忘れかけてたな。
Posted by kajiya_macho1 at
13:45
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9月4日
起きると外はまだ真っ暗。寒い。顔を洗って髭を剃る。だるかった体も、薬を飲んで寝たせいかだいぶ回復。準備は夕べほとんど済ませてあったので、洗面用具をバックパックに詰め込んで準備完了。隣のベッドで寝ていた尚美さんにだけ一声かけて出発。
空港までのバスが出ているバスターミナルへ。さすがにリキシャは走っていないのでタクシーを使う。そういえば初のタクシーか、これ。バスは満席になり次第出発。ここでも外国人は2・3人で、他は漢民族。みんな遠慮なく密閉空間でタバコをふかすのでかなりの苦痛。1時間ほどでゴンカル空港へ。余裕を持ってきたせいか手続きもなんなく済む。
10:30発。飛行機は行きよりも一回り大きいもの。見渡してみるとエコノミーは満室になってるじゃねえか。よく昨日取れたな・・・考えると恐ろしい・・・。なにより気づいたのが昨日でほんと良かった。空港まで気づかなかったら完全アウトだわ、こりゃ。
12時前には成都に到着。ん、やはり空気が重い感じ。湿度が高くてじっとりしてるからなおさらか。とても上着を着てられない。
バスで市内へ。中心地近くで降りて、尚美さんに紹介してもらったsim's cozy guest houseへ。5元で行くと言ったリキシャのドライバーが10元よこせと言ってちょっともめる。あー、めんどくせーから10元持ってけこのヤロー
部屋は2段ベッドが2つの4人部屋。出来たばかりというだけあってめちゃめちゃきれい。部屋もすっきりしてるし、シーツは真っ白だし、荷物棚もあるし、鍵もきちんとしてるし。設備も充実していて、シャワーもきれいでお湯が出るし、ネットも使えるし、漫画もたくさん。成都は三国志で有名な都市だけあって、横山光輝の三国志全巻完備。時間さえあれば沈没しかねないな、ここは。
昼寝をしたあと外を散歩。成都はいかにも地方都市といった感じ。通りには大きなビルが立ち並ぶなかで、一本路地を曲がると長屋のような家が並んでいて、ちょっと薄汚れたような雰囲気の中で人がゴロゴロしている。雀荘がけっこうあって、上半身裸の男どもが雀宅を囲む。
友達へのお土産を全く買っていないのでデパートを覗く。成都はパンダでも有名ってことでパンダチョコレートでもないか探してみるが見当たらず。お土産になりそうなものはなし。しょうがない、明日ちょっと早めに空港に行って探すか。
夜は同じ部屋の人たちと食事へ。本当のラストディナー。中国語について話していると、「昨日お茶を頼んだら楊枝が出てきたんだよねー」と言う話が出た。さっそくおばちゃんに「チャ、チャ」(日本語の『茶』と発音近い)と頼んでみると、やはり爪楊枝登場。爆笑。
上のベッドの安藤さんという方と遅くまで話し込む。世界中を旅しているだけあって、いろいろなところの生の感想を聞けてとても楽しい。とりあえずオーロラと南極は行っとけ!と。オーロラは近いうちに見るしかねえ
明日はいよいよ日本へ帰国。昼のフライトだから明日は遅くまで寝るぞ。
Posted by kajiya_macho1 at
22:48
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9月3日
泥のように眠った。でもさすがにここ数日はたいして睡眠もとらずに過酷な旅をしていたせいか体調すぐれず。体だるいなー。
まずはキレーでずっと同部屋だったコバさんがシャングリラに出発。リキシャで去っていくのを見送る。さらにノリ・サトシも出発。仲の良かった韓国人たちも出て行ってしまい、もう当初のメンバーは尚美さんくらい。9月に入ったせいか、旅行者の数自体が格段に減った気がする。空いてるベッドもあるし。
昼前にビザの問題をなんとかするべく公安局へ。ガイドブックにはラサではビザに関する業務は行っていないとなっているが、隣のベッドの高橋くんはダメ元で行ってみたところ、なんと一日でビザが延長できたらしい。おれはそれを聞いていたからこそ安心してエベレストまで行ってこれたわけだ。
同じ公安でもビザの申請と発行で扱っている部署が違うらしく、まずは申請所に行って書類を書いてもらう。空いていたので意外とすんなり。そこから20分ほど歩いて発行所へ。が、ここで全く愛想のない、かつものすごい聴きずらい英語をものすごい早口で喋るお姉さんに「書類が足りないから戻ってとってきな」とバッサリ。なんだよー
また20分かけて申請所へ。書類が足りないと伝えたところ、これまた無表情のおっさん「いまは順番待ちだ。4日後まで無理だ」と言いやがる。待て待て、さっきのは何だったんだよ。それに明日もうラサを出発しちゃうんだって。「なら次の街で申請すればいい」成都にも1日しかいなくて帰国するんすが・・・「ならインポッシブルだ。」友達は一日で取得できてたぞ!なんでおれはダメなんだよ!「今は混んでるんだ。インポッシブル。」じゃあおれはどうしたらいいのさ?「知らん。インポッシブル。」頼むよおっさん、なんとか今日中にできないの?「インポッシブル。」
と、インポッシブルという単語で切り刻まれてしまった。いたた・・・「じゃあ成都でトライしてみるか」とも思ったが、考えてみたら明日は土曜日。当然公安はお休み。ハイおしまい。
もうこうなったら出国審査の見落としに期待するしかない。期待薄だが・・・そうなったら罰金は2000元(30000円)。一応銀行で両替しとかねば。あー、めんどくせー
だるい体で歩き回ったので疲労してホテルへ戻って少し休憩。疲れたぁ。ここで、何気なく明日のラサ⇒成都の航空券を眺めてみた。と、驚愕の事実発見・・・やばい、departure dateがなぜか9月21日になってやがるぞ・・・焦る。焦りまくる。これはしゃれにならん。帰れないじゃねえか。
キレーの旅行社に駆け込むも担当者はおらず、ホテル中を探し回る。外出していたらアウトだが、中庭でカップラーメンを食っているところを発見。詰め寄る。「おい、おれは4日のチケットと言ったよな?!なんだこの日付は!どういうことだおい!」さすがにおれもいっぱいいっぱい。このチケットが使えなかった時点で確実に5日に帰国は不可能。大学ではすでに授業が始まっているので、これ以上休むわけにもいかないし、研究グループにも迷惑がかかってしまう。
そいつもやばさを察知したのか、すぐに車で出て行った。頼むよほんと・・・
まあちゃんとチケットもらった時点でチェックしていなかったおれにも問題あるんだけどね。やっぱこういうのはきちんとしとかないとダメだな。結局無事に明日の日付に変更することができました。あー、助かった。胃がいてえ。
お土産を全然買っていないのでジョカンへ。ぶらぶら歩いてマニ車などを購入。そのまま両替をするために銀行へ向かう。で、この道中、北京路というかなり賑やかな通りを歩いていたのだが、ふっと肩掛け風に背負っているヒップバックが引っ張られたような感覚が。後ろを振り向いてみると白いシャツを着た中国人。一瞬目があうと走っていってしまった。そしてなんとバッグが半分開けられているじゃないか。道端に座って念仏を唱えていたおばあさんが「あの男があんたのかばん開けようとしていたんだよ!」というようなジェスチャーをしている。スリか!中にはデジカメ入ってんだぞ!焦って中身を確認。幸い唯一の高級品であるデジカメは無事で、どうやら他の被害もなし。肝心の男はというと、とっくに視界から消えてしまっていた。
陸上競技で鍛えた鬼の反射神経(?)でスリを凌駕してやったわけだが、さすがにこれは血の気が引いたわ。財布はチェーンをしてあるし、パスポート・TC類は腹巻の中なので問題ないが、デジカメ取られてここまでの写真なくなったと思うと・・・
ビザ・航空券・スリ、今日はなんという一日だ・・・日本でもこんな致命的なことが重なるなんて滅多になかろう。おれのチベットは高山病に始まりスリに終わるか・・・ハードな旅行っす。
夜は卓矢に同部屋の高橋くん・小寺くんを加えてラストディナー。余った料理を靴磨きの少年に分けてあげる(レストランにいると靴磨きや物売りが堂々と入ってきて飛び入り営業を行う)。おそらく10歳にもなっていないような小さい少年。きっとこれだけで暮らしているのだろう。食べ終わると慣れた手つきでタバコをふかす。彼らはおれらとは全く別次元で、奇麗事なんてない世界を生きているのだろう。行き抜いているという感じか。なんとたくましい。
部屋の連中と惜別の会話をしつつ、たいして物は買っていないはずなのに膨れ上がった荷物をバックパックに詰め込む。いよいよ明日チベットを離れるのか。ここにきてやり残したことが山のようにあるような無いような。もっとここにいたいというのが正直なところか。
明日は5時半起き。しっかり起きねば。
Posted by kajiya_macho1 at
11:49
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