October 12, 2004

9月3日


泥のように眠った。でもさすがにここ数日はたいして睡眠もとらずに過酷な旅をしていたせいか体調すぐれず。体だるいなー。

まずはキレーでずっと同部屋だったコバさんがシャングリラに出発。リキシャで去っていくのを見送る。さらにノリ・サトシも出発。仲の良かった韓国人たちも出て行ってしまい、もう当初のメンバーは尚美さんくらい。9月に入ったせいか、旅行者の数自体が格段に減った気がする。空いてるベッドもあるし。

昼前にビザの問題をなんとかするべく公安局へ。ガイドブックにはラサではビザに関する業務は行っていないとなっているが、隣のベッドの高橋くんはダメ元で行ってみたところ、なんと一日でビザが延長できたらしい。おれはそれを聞いていたからこそ安心してエベレストまで行ってこれたわけだ。

同じ公安でもビザの申請と発行で扱っている部署が違うらしく、まずは申請所に行って書類を書いてもらう。空いていたので意外とすんなり。そこから20分ほど歩いて発行所へ。が、ここで全く愛想のない、かつものすごい聴きずらい英語をものすごい早口で喋るお姉さんに「書類が足りないから戻ってとってきな」とバッサリ。なんだよー

また20分かけて申請所へ。書類が足りないと伝えたところ、これまた無表情のおっさん「いまは順番待ちだ。4日後まで無理だ」と言いやがる。待て待て、さっきのは何だったんだよ。それに明日もうラサを出発しちゃうんだって。「なら次の街で申請すればいい」成都にも1日しかいなくて帰国するんすが・・・「ならインポッシブルだ。」友達は一日で取得できてたぞ!なんでおれはダメなんだよ!「今は混んでるんだ。インポッシブル。」じゃあおれはどうしたらいいのさ?「知らん。インポッシブル。」頼むよおっさん、なんとか今日中にできないの?「インポッシブル。」

と、インポッシブルという単語で切り刻まれてしまった。いたた・・・「じゃあ成都でトライしてみるか」とも思ったが、考えてみたら明日は土曜日。当然公安はお休み。ハイおしまい。

もうこうなったら出国審査の見落としに期待するしかない。期待薄だが・・・そうなったら罰金は2000元(30000円)。一応銀行で両替しとかねば。あー、めんどくせー

だるい体で歩き回ったので疲労してホテルへ戻って少し休憩。疲れたぁ。ここで、何気なく明日のラサ⇒成都の航空券を眺めてみた。と、驚愕の事実発見・・・やばい、departure dateがなぜか9月21日になってやがるぞ・・・焦る。焦りまくる。これはしゃれにならん。帰れないじゃねえか。

キレーの旅行社に駆け込むも担当者はおらず、ホテル中を探し回る。外出していたらアウトだが、中庭でカップラーメンを食っているところを発見。詰め寄る。「おい、おれは4日のチケットと言ったよな?!なんだこの日付は!どういうことだおい!」さすがにおれもいっぱいいっぱい。このチケットが使えなかった時点で確実に5日に帰国は不可能。大学ではすでに授業が始まっているので、これ以上休むわけにもいかないし、研究グループにも迷惑がかかってしまう。
そいつもやばさを察知したのか、すぐに車で出て行った。頼むよほんと・・・

まあちゃんとチケットもらった時点でチェックしていなかったおれにも問題あるんだけどね。やっぱこういうのはきちんとしとかないとダメだな。結局無事に明日の日付に変更することができました。あー、助かった。胃がいてえ。

lhasaお土産を全然買っていないのでジョカンへ。ぶらぶら歩いてマニ車などを購入。そのまま両替をするために銀行へ向かう。で、この道中、北京路というかなり賑やかな通りを歩いていたのだが、ふっと肩掛け風に背負っているヒップバックが引っ張られたような感覚が。後ろを振り向いてみると白いシャツを着た中国人。一瞬目があうと走っていってしまった。そしてなんとバッグが半分開けられているじゃないか。道端に座って念仏を唱えていたおばあさんが「あの男があんたのかばん開けようとしていたんだよ!」というようなジェスチャーをしている。スリか!中にはデジカメ入ってんだぞ!焦って中身を確認。幸い唯一の高級品であるデジカメは無事で、どうやら他の被害もなし。肝心の男はというと、とっくに視界から消えてしまっていた。

陸上競技で鍛えた鬼の反射神経(?)でスリを凌駕してやったわけだが、さすがにこれは血の気が引いたわ。財布はチェーンをしてあるし、パスポート・TC類は腹巻の中なので問題ないが、デジカメ取られてここまでの写真なくなったと思うと・・・

ビザ・航空券・スリ、今日はなんという一日だ・・・日本でもこんな致命的なことが重なるなんて滅多になかろう。おれのチベットは高山病に始まりスリに終わるか・・・ハードな旅行っす。

夜は卓矢に同部屋の高橋くん・小寺くんを加えてラストディナー。余った料理を靴磨きの少年に分けてあげる(レストランにいると靴磨きや物売りが堂々と入ってきて飛び入り営業を行う)。おそらく10歳にもなっていないような小さい少年。きっとこれだけで暮らしているのだろう。食べ終わると慣れた手つきでタバコをふかす。彼らはおれらとは全く別次元で、奇麗事なんてない世界を生きているのだろう。行き抜いているという感じか。なんとたくましい。

部屋の連中と惜別の会話をしつつ、たいして物は買っていないはずなのに膨れ上がった荷物をバックパックに詰め込む。いよいよ明日チベットを離れるのか。ここにきてやり残したことが山のようにあるような無いような。もっとここにいたいというのが正直なところか。

明日は5時半起き。しっかり起きねば。


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