作者いわく「集大成」として作られた大河歴史浪漫ファンタジーSRPG。 本作はゲームであり、またファンタジーであるが、自分がやった作品の中では圧倒的なリアリティがあり、現実の重みというのをとても感じさせた。 「戦争をするな」「殺戮兵器を使うな」と言葉で言うのは簡単だが、それを真に伝えるのは難しい。 グレイメルカの最大の見所はそういったことを言葉で教えられるのではなく、物語を通して感じさせてくれることだ。



私的えろすけ基準点数:91点
自分のサマリー

Ver0.7時点で一度クリアし、Ver1.0になってから完成してもう一度再クリアいたしました。

ゲームプレイの利便性は格段に向上し、グラフィックも美麗に生まれ変わりました。
個人的にクレミトやマテルは前回の方が好きなのだけど、ファテナ姫とかグレミア双子の美人っぷりがすごい。

ハッキリ言って隙のないSRPGです。耳に残る名曲もありながら戦闘アニメーションはちゃんと動き、絵も上質でありながらなによりシナリオが素晴らしい。
エンディングもちゃんとキャラ全員のエピローグを完備しており、読後の満足感も随一。
ここまでやる作品ってなかなかありません。

内容に関してネタバレ無しで言及すると、本当に一言感想の通りなんですよ。
クレンフゥやカピンのようなギャグ要因の馬鹿はいるけれども、それでも現実的な側面が強い。(理由は後述)

プレイ時間は長いけれども、名作を求める人にはぜひともやってみてほしい作品です。
ノーマルモードならまだ楽にクリアできるはず……。



以下、少しだけネタバレ含む内容の感想。


個人的なブログの文章の大半そのまま引用する形となります。
同じ文を何処かで見かけた場合は本人なのでご安心ください。








どこまでいっても人間の物語だった。
ファンタジーな世界だが、ファンタジーじゃない。
唐突に未知の敵が現れるわけではなく、戦う相手は人同士。

それぞれの人物像や展開模様に繋がりがあり、作者の無理矢理な意図を感じさせない作りは見事。
それはまるで、ひとつの歴史を見ているかのように。

グレイメルカの展開っていうのは何も驚くようなことはほとんどない。
どれも、我々がいる現実の歴史上での出来事を彷彿させるような展開で構成されている。
けれども面白い。 だからこそ面白い。

なにより考えさせられるのはタイトルにもなっている「グレイメルカ」だ。
細菌兵器としてのそれは、現実でいうところのベトナム戦争の枯葉剤、第二次世界大戦での原爆に近いものを感じさせる。
また、戦争以外で言うと水俣病も思い出す。

細菌兵器を用いない戦争に関しては、「戦争をしてはいけない」という気持ちよりもやるせない気持ちのほうが強かった。
敵を殺すのも、戦争を仕掛けるのも多い作品だが、それにはそこに至る理由というのがしっかりと描写されており一言に否定できるものではなかった。
ただただ、悲しい。 「戦争をしてはいけない」というより、「戦争は悲しい」というのが彷彿させられた。
(ハルカのデミライトを守るための人殺しや、フィアカルタの復讐心、カレンケェスの怨念など)
ただ、はっきりと、細菌兵器のような後世にまで影響をおよぼすようなものは決して認めてはいけないと強く思った。

そして、復讐のために利用されるキルスイハと、それと対になるハルカの立ち位置が絶妙。
未だに現実で解決できていない様々な国際問題がこの作品で浮かび上がってきていたのだ。
そういった面で言うと、人種の違いもとても良く描き分けられていたと思う。
ビジュアル的なところでは髪の色。 性格的な面でもそれぞれ国によって特徴が異なっているのがはっきりと分かる。

そういった細かいところが本作のリアリティをより強めていく。
確かに突っ込みどころはいろいろあるかもしれないが、そういった無粋な気持ちが沸かないほどに熱中してしまった。

逆に、それ故の欠点も確かにあった。
あまりにもの深い重みにより、爽快感というのはほとんどない。 しかしそれは作品のテーマとしては正しいのかもしれない。
敵に勝っても、復讐ができても、ただただ悲しいのだ。 戦いの先に見えてくるのが悲しみしかないというのが物語を通して伝わってきた。

けれども、過ちを繰り返さないためにもグレイメルカを通して我々は学ぶことが出来る。
命の大切さを物語で描き切った本作を傑作と言わずして何を傑作と言えようか。





さて、ここからはネタバレ有りのキャラ感想でも……










クナタ & カタリ
自分にとっては一章だけでも面白いし、この2人がいたからこその後々の感動につながる。
冒頭で2人がグレリアのテーマを背に駆け抜けていくところからもう好きだった。
徐々に考えを改め、2人が親になってゆく様は感動的。
最後、ハルカのためにレウシルを逃がそうとするシーンは序盤でありながらもTOP5に入る名場面だと思う。
2人が死んでしまうのはとても悲しいけど、満足そうな顔をした2人を見ると(実際には顔グラ変わってないけどね!)複雑な気持ちになる。



スポポンド
グレイメルカ屈指の癒しキャラ。
最初は「なにこいつw 顔的に裏切ったりやられ役だったりかませだろwww」
とか思っていたのに気づけば
「ぅぉぉぉぉぉぉ………・スポポンドぉぉぉぉぉ……お前は最高の将だよ……・!」
と涙腺が緩むレベルで好きになっていた。
この男はといかく熱い。 義理に厚い。 人情に厚い。 本作で最もファンタジーな人物造形かも知れないが、だからこそ魅力が際立っている。
お世辞にもビジュアルは良いとはいえないどころか酷いのにここまで良いキャラにできたのは本当にスゴイと思う。
2章の最後でハルカを庇うシーンは名場面。 グレイメルカで最も辛いシーンだったがスポポンドのお陰で乗り越えることができた。
彼を見てると、最終的には素直な心が大事なのかなぁと思う。
どんなに見えを張ったり嘘をついても、彼のような素直に思いやる心にはきっと勝てないだろう。


メラ
不殺には大変お世話になりました。
無表情ながらも豊かな感情があるように見えて、そこがなんともキュート。
というより良くスポポンドの良さに気づけたと思うよ。 あの早い段階で。
最終的にはカンツラと結婚したらしいけど絶対太るよね……w


フィアカルタ
最初は馬鹿でかませだと思っていたのに2章の後半から人柄が見えてくるに従って好きになってゆく。
というよりは、やっぱり彼も変わったんだろうなぁ、ハルカと出会ったことで。
最初に登場した時よりも話を聞くようになっているし、なにより穏やかになっている気がする。
まるで、知らない人種の外国人に警戒するものの、知り合って一緒に過ごしていたらそういった偏見がとれているかのように。
最後の「カオルは俺の孫だ」の台詞はすごくジンときます。

彼と彼の国、バーメイルは我々の世界でいうところの、どこの国がモチーフなんだろうなぁ。
こういうケースって、きっとあると思うから。
異文化交流ってのも大事なのかもしれないと思ったキャラクターです。



ザリップ & ヘイント
グレイメルカのテーマには「いのち」もあって、それに関して意味のある言葉を度々言ってくるのがこの2人。
その言葉には確かに意味があり、何かを伝えようとしているのは分かるのですが、完全に理解できていません。
この2人の生の執着というのは凄まじく、なぜここまで生きようとするのだろうと思いました。
けれども、その台詞には確固たる理由を感じられる力強さが有ります。



フェクテン
おそらく本作で最も解釈が難しいと思われるキャラクター。
彼は一体何がしたかったのか? デミライトが負ける未来は本当に見えていなかったのか? なぜ命を奪うことが糧になると考えているのか? どうしてマテルだけは殺さなかったのか?
その答えは、作品をしっかりと読み解いていけばわかるという確信はある。
ヘイントも 「難しく考え過ぎなんだよ。 あいつの考えは単純だよ」 というようなことを断言しているだけに、フェクテンの考えがどのようなものなのかという解答はちゃんとあるのだろう。
しかし一緒にいたマテルが最後まで理解できていなかったように彼を理解するのはやはり難しい。





マテル
旧絵師さんのお気に入り。 たしかにかわいい。 なにげにおっぱいもでかい。
フェクテンに付いてきた少女だが、彼女の考えていることはフェクテントは違い結構簡単に理解できる。
彼女の何がいいって、フェクテンとの距離感だよね。
友達でも恋人でも主従でもないような何か。 しかしマテルはフェクテンに少なからず好意を抱いている。
でも縮まらない。 そのもどかしい感じがたまらない。
おそらくマテル自身もフェクテンに抱いていた感情がなんなのかを理解していない。

敵キャラでありながらこの2人はほんとうに魅力的でした。
てか称号がヒロインって、ヒロインだったのか……。



クレンフゥ
立ち位置と言動があからさまなかませキャラだと思ったら作中随一の有能キャラだったというね……。
個人の強さ、戦術、策略、政治力、どれをとっても一流。 それでいて王への忠義は決して忘れない将の鑑とも言えるキャラクターだった。
プレイヤーは関係ないけれどもフェクテンvsクレンフゥの戦いはどれも読んでいて楽しかった。
そしてエピローグで長男を追い出すって最低すぎるだろお前www



ペコ
戦いにおいて必須とも言える最凶人間兵器
神技守護と便乗攻撃と前向きには大変お世話になりました。 超スペックユニットすぎるでしょこの子。
クレンフゥもそうだけどコートマ人はほんとうい強いなぁ。
田舎娘ってところも好感高いです。 ペコさんマジ女神。
エンディングでのストパー姿なんか美人過ぎるんだけどあれで次第点ってクレンフゥさん厳しすぎでしょ。



ファテナ
一番敵に回したくないし怖い人だと思いました。
最初ハルカに好意を持っているような言動を見せたときには「ん?」となりましたが、その後メレオネ先生に核心つかれてゾッとしました。
何この子怖い……。
けれども自分の国のためには自分自身も利用してまで目的と達成しようとするその強い意思がなんとも魅力的。

意思の強い女性はやっぱり素敵。
しかし、サーシンに浮気されるわすぐに未亡人になるわ、途中から本当にハルカが好きになるけど三十路のおばさんに妨げられるわで結構散々な扱いだと思う……w
それでも凛としているところがまた素敵なんでけどね。
クレミトに次ぐ名君だったと思いますよ。エンディングでソヴォに助言しているところも見ると。

次第に本心からハルカに惚れ込んでしまうけれども、なぜか10歳以上上のおばちゃんに負けるという……。
エピローグでハルカを想って生涯独身っていうのは彼女の圧倒的なまでの高潔さを表していますね。




カレンクェス
恨み続ける老人の象徴としての彼。彼の存在自体がこの作品のテーマに繋がっているのだろう。
グレイメルカを使うのを許容するのは許せないけど、けれども彼の苦しみを考えるとそう思ってしまっても仕方ないように感じる。
50年間ずっと痛みに苦しみ続け、顔が変形し、同胞は死ぬ。
現実の世界でもそれに近いことを経験している人はどこかにいるだろうし、恨みを持っていても自分に止める権利なんてない。
だけれども、テンマの言うとおり、やはり子供を巻き込んでほしくないとは思うわけで。
複雑な感情を呼び起こさせるキャラクターだった。 彼に対して色々な想いが同期してしまう。



キル & スイハ
最後の最後で登場する凶悪兵器。
双子を倒すステージが一番苦労したなぁ……。 罠張ってスピード下げて便乗攻撃……と戦略練らなきゃ仲間無傷では勝てないレベルに強かった。
そんな彼女たちの立ち位置は、恨みを押し付けられた子どもたち。
この2人も複雑な感情を呼び起こすキャラクターで、30歳までしか生きられないというのはどのような気持ちなのだろうと考えさせられる。
人間は30歳まで、と刷り込まれているのならば平気だろうが、他の人は平気で自分だけとなったら恨まずにはいられないだろう。
グレイメルカの数少ない良心であるグレリアの治療は、上手く行き過ぎだと思うところもあるが、それでも彼女たちが健康な顔つきになって良かったと思う。
やっぱり子供の未来を潰してしまってはいけないんだよなぁ……と思った。



クレミト
なにこの子ちょーかわいい
ぶっちゃけヤバイ。 3章でこのこ登場した瞬間 「なに、この子……なんか、違う」 と絵柄から感じさせられたが、言動もヤバイ。
魔性ショタ。 魔性ショタだよこれ。 こんな子に「ぎゅ」とかされたら僕も堕ちるわ。
そして包容力あふれる優しい言葉は泣きそうになる。 僕もクレミトちゃんに癒やされたい。
グレイメルカ最強の萌えキャラです。 でもほんとに宗教じみた雰囲気を出すときもあるから怖い。 でもハマっちゃうの♡♡♡♡♡
これじゃあデミライトが負けてもしょうがないよ……だって魔性だもん。 この子には人の心をたぶらかす力がある。




ハルカ
クナタとカタリが好きだったのでハルカには幸せになって欲しかったのに最初から悲しい結末を運命づけられているようで更に悲しくなった。
でもデミライトと一緒のままだとハルカは自分を見つけることもできないし、彼はずっと影のままだったのだろう。
だからこそ複雑で、彼の運命はどうあがいても絶望だった。
メレオネと歩みだして、子供が生まれて、自分というものを見つけ出して、ようやくってときにあれですよもおおおおおおおおおおおおおおおお

途中から、ハルカがグレミアだというのはわかったからすごく悲しくなって、でも治療法が見つかって「やった! ハルカが助かるぞ!」って思ったのにあれですよもおおおおおおおおおおおおお

いや、分かってたんだ。 ハルカも罪人なんだって。 いくらデミライトの命令とはいえサーシンを殺したのは事実だしそれは覆せない。
彼は、臣下としてあそこで諌めるべきだったのにそれをしなかったのは彼の罪なんだと思う。
だからこそ、デミライトと同じように短命で終わってしまった。 分かってたさ……いつまでもデミライトと一緒だってことぐらい。

立ち位置的な話をするならば、人種よりも生まれた環境が大きく影響するというのが分かるキャラクターでもありますね。



デミライト
大物だと思っていたのに小物だったデミたん……。
彼の悩みは、たしかに悩むだけの理由はあって、そうなってしまうのも設定的にしかたがないのだけれども悲しすぎるよ。
途中までは「よくもハルカをおおおおおおおおおおおゆるさんんんn」ってなっていたのにウィラにすべてを話して弱さを見せた時にすごく人間味を感じた。
ずるい、あれずるい。
デミライト許せない気持ちのままのほうが楽だったよね。 あそこで感情移入しちゃったから最後にデミライトに勝っても爽快感がなかった……。
いいキャラしてると思いますよ。 敵としての圧倒性はなかったが、人間らしい面を見せてくれるキャラクターだった。



ウィラ
真面目系キャラだーーーーーーやったーーーーー!!!
というわけでウィラは結構好きでした。 なによりデミライトとのやりとりがいちいち萌える♡♡♡
なんで彼女のエロシーンがないんですか!!!! めっちゃ見たかったです!!!(ゲームが違う

あとなんで、エピローグで彼女の母としての絵がなかったんですか!!!(涙
めっちゃ見たかったです!!!(涙
あああああもっとエピローグみたいよおおおお未亡人ウィラが見たいよおおおお



メレオネ
まさかこの人がヒロインだなんて誰が考えただろうか
ハルカとの歳の差10歳ぐらいあるのに、他のヒロインを押しのけてその座を手にしたメレオネ先生さすが。
彼女とハルカのやりとりも結構好きでとても萌えました♡
なにより、ハルカへの興味の伏線が影魔法だったことに関しては「やられた!」と思いました。
まさか恋愛感情が入っていたとはな……気づこうと思えば気づけたのに。

だって歳の差10歳ぐらいあるんですよ?
普通だったらファテナ姫がその座に収まるはずだったのに……先生さすがです。
メレオネ先生の母としての姿ももっと見せてくださいお願いします………。






~Ver1.20をプレイして~

6章でさらに満足度あがりました。
最後の台詞の応酬が素晴らしすぎる……。