2017年03月16日

そろそろ衣類の防虫の話

20170315
自然の中には問題もたくさんあるけれど、解決策も全てある。
そのことを知ったのは、もう昔のこと。 連絡を取らなくなって25年も経つが、敬愛する友人がいた。イギリス人の彼女はエコロジー問題の先駆でもあって、企業のエコロジー戦略やエコロジー的運営の啓蒙やレクチャーなどをしていた。

情報と知識の玉手箱のような存在で、多くの新しい「考える種」の切れ端をもらった。支配時代の白人種みたいな教育的な言い方は少し気に障ったけれど、おしゃれな素敵な人だった。その彼女が教えてくれて感銘を受けたひとつに「土」のことがある。

スプーン一杯の土にはありとあらゆる微生物が棲んでいて、その種類はほぼ地球上の微生物数に匹敵するのだ、と。なんか素敵!と思った。無機質に見える小さな世界が、実は密やかに確実に息づいているなんて。

「土」は汚いものだという通念もある。遡っちゃうけど、スタイリスト時代、浜辺の椅子にまどろむモデルの風景を撮影していた。水着の上にローブを着て寛ぐモデルの足元が、まっさらで不自然だと思った私は周囲の砂をそのきれいな足に少しつけた。

途端にディレクターが「何するんだ!汚いじゃないか。」とすっ飛んで来たのだった。私には砂や土が汚いという気持が無かったので、結構驚いた。だが、都心の高層マンションに住むそのディレクターの観念では、これは汚いのだなと理解した。(私は地べた民なので少し野蛮なのだと思う。)

砂や土は結局のところ菌の宝庫で、人々に都合の悪い菌を問題にしているわけだ。(砂と土を同類に扱うのは雑かも知れない)そこから発生する問題を解決するのも実は同じ「そこ」なのかも知れない、と彼女の話を聞いた時から思っている。いや、きっとそうだ。根拠無く確信を持っちゃう。

昔売っていたことのある「イースタン・レッド・シーダー」は、アメリカの東北部にのみ生育する、香りの良い檜のような木。15cmほどの隙間で植えることができる。計画伐採、植樹に最適なこの木の欠片(かけら)は防虫効果があって、地元の人は山に入る時にズボンの裾の折り返しに入れていく。

油分が少ないのでエッセンスを抽出することができないが、防虫効果があるので箪笥の内張りに使われたりする。桐ダンスみたい、と思う方も多いだろう。日本には桐もあるし、桐よりもっと積極的な防虫ができる楠(くすのき)がある。

くすのきは樟脳の原材料だ。そのブロックを入れて衣類を仕舞うと、妙に匂いの強い化学薬品に頼らずに毛織物やウールのセーターの防虫ができる。抽出した樟脳より香りがおとなしい。虫は鼻が私たちよりずっと良いみたい。

香りが弱くて心細くなったら抽出液(カンフルオイル)を沁み込ませて活性化する。
こういう自然の解決策が私は大好きだ。心配な方には私の実体験が保証する。前述のシーダーと楠のブロックなどで防虫し、もう何十年も季節の衣類の保存に化学的な薬品を使っていないから。

ただし、食べこぼしをそのままにしたり、取り損ねたりすると、そこははっきり虫食いになる(化学薬品の防虫剤では大丈夫かどうかを知らない)ので仕舞う前にきちんと清潔にしないとね。これもまた経験があるので本当です。厳重ご注意。

虫たちも黴菌(ばいきん)も同じひとつの地球の中にある。私たちもだ。
もしかしたらもっと小さなスケールでも、ひとつのものの中には全てがあるのかも知れない、と思う。東洋的思想ってそんなふうじゃなかったっけ?あれはアタリだな、きっと。理屈じゃなく体験からポコンと這い出て来たような感じでそう思う。

小さくて収納庫のあちこちに置ける楠のブロックはネットショップで扱っています。
今年の冬物の入れ替えから、ぜひ使ってみて欲しい。こんな木の欠片が、役立つんだ!という素直な驚きでうれしくなります。
 

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