2017年02月18日

私は時勢についてゆけない

安倍総理のアメリカ詣でを人々はどのように受け止めておられるのか? 私は恥ずかしさのあまり穴があったら入りたい気持ちで、テレビから流れる報道も一切目にせず、国会における総理の自画自賛と与党の「よいしょ」も見ませんでした。何がそんなに恥ずかしいのか、安倍総理の振舞いが爽やかでないからです。あまりにも無節操、予想もしなかったトランプの当選に慌てて駆けつけ、信頼できそうな人物だと早速胡麻をする。去ってゆくオバマ氏やクリントン氏には一顧だにせずゴルフに興じて大満足、私は世界の誰よりも早く朝貢する姿を見て恥じ入ったのです。

 この腰の軽さが支持率を押し上げ、メディアの評判も上々、そのうえ私は次の記事を読んで仰天したのです。阿比留瑠比氏の「安倍総理を通じて国際社会を学ぶトランプ大統領」ですが、世間の感覚はもうここまで来ているのか、これではとても付いてゆけそうにないと観念したのです。この珍しい名前の記者は産経新聞の「極限御免」を担当する政治部編集委員の最右翼論客として知られ、一説によれば安倍総理の側近であり、特に歴史問題での旗頭として知られています。

 >トランプ大統領は安倍総理を通じて国際社会を学び、各国首脳は総理を通じてトランプ氏を知る。大袈裟に言うのではなく、こんな構図が生まれつつあるのではないか。政治歴も軍歴もなく、外交、安保に詳しくないトランプ氏は、安倍総理を相談相手にしたいのだろう。G7ではドイツのメルケル首相に次ぐ古参であり、内閣支持率も6割を超えるなど総理への信頼は極めて高いと思われる。<

 更にこの記者は安倍総理の効用を次のように言うのです。>逆に各国首脳も、「未知」の存在であるトランプ氏の正体を安倍総理に尋ねる状況が生まれている。今回の訪問と一連の対談の成功は、そんな時代の始まりを告げるものとなりそうだ。< 如何に単細胞の論客とは言え、この人は本気で夢のような事を考えておられるのか? 尖閣は安心、安全保障は完璧だと訪米の成果を誇り、ゴルフを楽しんだ裏にはいくらの手土産が必要であったのかについては一切触れられていない。

 筆者の妄想は止まるところを知らず、>オバマ氏が安倍総理に親愛のハグをするまでには1年半を要したが、トランプ氏はホワイトハウスでいきなり抱き付いた。「慰安婦」も「南京事件」も歴史問題についてアメリカは、従来日本の説明をなかなか受け入れようとはしなかったが、今からは率直に事実を伝える最大のチャンスだ< と飛躍するのです。

 さらに追い打ちを掛ける奇想天外な提唱を産経新聞で発見、本当にこの国はここまで来てしまったのか、とてもついてゆけそうにないと私は観念いたしました。「トランプ大統領にぜひ、靖国神社参拝を」と題する論説を「正論」に掲げているのですが、何処からこのような発想が生まれてくるのか私には隔世の感、仮にヒットラーを祀った霊廟があったとすれば、トランプ氏は花を持って恭しく礼拝するでしょうか? 我が国は天皇ですら参拝しないのです。

 この提唱はジャーナリストの井上和彦氏によるものですが、その要旨は次の通りです。>両国は揺らぐことのない「日米同盟」を再確認し、日本の防衛に対してはあらゆる種類の軍事力を使うと言明した。稲田朋美防衛相がハワイ慰霊の直後に靖国神社を参拝したが、中国や韓国からはなんの「いちゃもん」もつかなかった。これで安倍総理の参拝再開の道が開かれたとみてよいだろう。今回の訪米で安倍総理はアーリントン墓地を訪れて鎮魂の誠を捧げたが、次はトランプ大統領の番である。日本の戦没者を祀る靖国神社を参拝してもらえないだろうか<

 フロリダゴルフの後、世の中はいったいどのように変わってゆくのか、誰もヘンだと気が付かない流れになってしまったのか? 安倍総理の妻昭恵夫人が名誉校長を務める豊中の森友学園は、その幼稚園で教育勅語の朗誦をしていると聞きますが、この神道式の教育が今から堂々と行われる時代に逆戻りするのでしょうか。もう一度言わせてください“私はもう、付いてゆけない”


kamakiriikeda at 21:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

私は時勢についてゆけない

安倍総理のアメリカ詣でを人々はどのように受け止めておられるのか? 私は恥ずかしさのあまり穴があったら入りたい気持ちで、テレビから流れる報道も一切目にせず、国会における総理の自画自賛と与党の「よいしょ」も見ませんでした。何がそんなに恥ずかしいのか、安倍総理の振舞いが爽やかでないからです。あまりにも無節操、予想もしなかったトランプの当選に慌てて駆けつけ、信頼できそうな人物だと早速胡麻をする。去ってゆくオバマ氏やクリントン氏には一顧だにせずゴルフに興じて大満足、私は世界の誰よりも早く朝貢する姿を見て恥じ入ったのです。

 この腰の軽さが支持率を押し上げ、メディアの評判も上々、そのうえ私は次の記事を読んで仰天したのです。阿比留瑠比氏の「安倍総理を通じて国際社会を学ぶトランプ大統領」ですが、世間の感覚はもうここまで来ているのか、これではとても付いてゆけそうにないと観念したのです。この珍しい名前の記者は産経新聞の「極限御免」を担当する政治部編集委員の最右翼論客として知られ、一説によれば安倍総理の側近であり、特に歴史問題での旗頭として知られています。

 >トランプ大統領は安倍総理を通じて国際社会を学び、各国首脳は総理を通じてトランプ氏を知る。大袈裟に言うのではなく、こんな構図が生まれつつあるのではないか。政治歴も軍歴もなく、外交、安保に詳しくないトランプ氏は、安倍総理を相談相手にしたいのだろう。G7ではドイツのメルケル首相に次ぐ古参であり、内閣支持率も6割を超えるなど総理への信頼は極めて高いと思われる。<

 更にこの記者は安倍総理の効用を次のように言うのです。>逆に各国首脳も、「未知」の存在であるトランプ氏の正体を安倍総理に尋ねる状況が生まれている。今回の訪問と一連の対談の成功は、そんな時代の始まりを告げるものとなりそうだ。< 如何に単細胞の論客とは言え、この人は本気で夢のような事を考えておられるのか? 尖閣は安心、安全保障は完璧だと訪米の成果を誇り、ゴルフを楽しんだ裏にはいくらの手土産が必要であったのかについては一切触れられていない。

 筆者の妄想は止まるところを知らず、>オバマ氏が安倍総理に親愛のハグをするまでには1年半を要したが、トランプ氏はホワイトハウスでいきなり抱き付いた。「慰安婦」も「南京事件」も歴史問題についてアメリカは、従来日本の説明をなかなか受け入れようとはしなかったが、今からは率直に事実を伝える最大のチャンスだ< と飛躍するのです。

 さらに追い打ちを掛ける奇想天外な提唱を産経新聞で発見、本当にこの国はここまで来てしまったのか、とてもついてゆけそうにないと私は観念いたしました。「トランプ大統領にぜひ、靖国神社参拝を」と題する論説を「正論」に掲げているのですが、何処からこのような発想が生まれてくるのか私には隔世の感、仮にヒットラーを祀った霊廟があったとすれば、トランプ氏は花を持って恭しく礼拝するでしょうか? 我が国は天皇ですら参拝しないのです。

 この提唱はジャーナリストの井上和彦氏によるものですが、その要旨は次の通りです。>両国は揺らぐことのない「日米同盟」を再確認し、日本の防衛に対してはあらゆる種類の軍事力を使うと言明した。稲田朋美防衛相がハワイ慰霊の直後に靖国神社を参拝したが、中国や韓国からはなんの「いちゃもん」もつかなかった。これで安倍総理の参拝再開の道が開かれたとみてよいだろう。今回の訪米で安倍総理はアーリントン墓地を訪れて鎮魂の誠を捧げたが、次はトランプ大統領の番である。日本の戦没者を祀る靖国神社を参拝してもらえないだろうか<

 フロリダゴルフの後、世の中はいったいどのように変わってゆくのか、誰もヘンだと気が付かない流れになってしまったのか? 安倍総理の妻昭恵夫人が名誉校長を務める豊中の森友学園は、その幼稚園で教育勅語の朗誦をしていると聞きますが、この神道式の教育が今から堂々と行われる時代に逆戻りするのでしょうか。もう一度言わせてください“私はもう、付いてゆけない”


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2017年02月16日

このままでは北方四島は還らない

 聊か旧聞に属しますが、「北方領土の日」の2月7日、大手三紙が挙って論じているのに朝日新聞だけは無言、一行の記事も見当たりませんでした。これではまずいとでも思ったのか8日朝の「記者有論」で、北海道の関根和弘記者が現場の本音をを詳しく報じました。元島民たちは次第にトーンダウンしてゆく総理の言葉に表情は厳しく、″残念、問題の先送りだ”と失望、“私たちは政治利用されていた”と嘆くのです。総理が気軽に口にする“切実なる願い”とは島民にとり、あくまで島の返還であってそれ以外でない事、「共同経済活動」を彼らは、“なぜこれが島の返還に繋がるのか”「新たなアプローチ」に至っては本能的に“泥棒に追い銭”だと厳しく拒否しています。

 度々述べるように社会主義の国は経済に欠点があり、いつの日にか流通市場の崩壊、国家の破綻があります。、利潤追求の資本主義国は格差や弊害もありますが、国による計画経済に比べれば「神の見えざる手」でバランスを保つことが出来、経済はしなやかです。私はその例を1990年夏、この目で見る機会がありました。ゴルバチョフの時代にソ連を2週間にわたって訪れ、冷戦に負けて流通市場はドルに完敗、ソ連はまさに崩壊、分断の一歩手前にありました。その時のことを旅日記に書き留めておりますのでその一部を参考に供します。

 国民がル−ブルを信用しなくなった、平価切下げで名目レートは10分の1に下落したのですが実質は30分の1と紙屑同然、我々ドルを持つ旅行者をブルジョア気分にしてくれました。百貨店には世界の贅沢品が山と積まれドルで安く買えるのですが、ルーブルより持たないソ連人は何一つ買うことが出来ません。ルーブルでは走ってくれないタクシーまで現れ、ドル買いの横行、一物一貨は市場原理ですがこの国は法外な闇がまかり通り、丸公市場で売っている商品はくずばかり、いくら我慢強いソ連人とはいえ怒り出し、ペレストロイカも限度と見えました。

 私はある売り場の行列で市民が何を買っているのかと見てみると、それはタッパ―容器の蓋でした。3枚5枚と主婦は買ってゆく。いまは不要でも次はいつ売ってくれるかわからないから辛抱強く並んで買っているのです。必要が無くなれば行列も無くなるのですが、丸公の百貨店で売る商品は誰一人並ばない。欲しくないからです。欲しい野菜や果物、日用品はバザールへ、見違えるような品々が並んでいるのですが、庶民には手が出ない。この翌年の12月、ゴルバチョフは退陣しエリツインが引き継いでソ連は崩壊、バラバラに分裂してしまいました。このように社会主義国は経済に弱く、焦らなくとも必ず巻き返しのチャンスは到来します。

 そうこうしているうちにチャンスは必ずやってくる、その時こそが四島返還の時であり、日ソの平和条約締結の日でもあると私は期待しておりました。ところがアメリカの属国のような我が国の現状を見ているうち、その期待も怪しくなってきたのです。特にトランプの足の裏を舐めるような屈辱外交をこの目で見せられて、そうは問屋が卸してくれない事を知りました。

 日本の各所にアメリカの軍隊が居座っている限り無理であり、主権が我が国に無い限り出来ない相談です。日米安保条約を廃棄し、自主独立を回復した日本、自分のことは自分で出来る日本、何処の国とも争わず仲良く付き合える日本でないと、つまり憲法9条通りの国でないと北方四島は還ってこない、安倍総理が声高らかに「新たなアプローチ」を叫ぶより、プーチンの次の言葉の方が余程判りやすいと思うのです。

 “日本が米国との同盟で負う義務の枠組みの中で、どの程度、日ロの合意を実現出来るのか、我々は見極めなければならない。日本は独自に物事を決められるのだろうか”彼は急所を突いています。アメリカにお伺いを立て、一々決済を受けなければ何一つできない。それにもう一つ「ダレスの恫喝」があります。“俺さまに黙ってそんな話が出来ると思うのか?それなら沖縄を還さないぞ”

 いくら騒いだところでこのままでは北方領土は還らない、そうと判れば還る可能性を根本から思案する必要があるのではないでしょうか。従属性をますます高め、アメリカべったりの安倍政権では四島は遠のくばかり、ここは抜本的な別の方法を検討すべきだと思います。大谷山荘でのプーチンへのおもてなしは総理自らの敗北宣言ではなかったか?フロリダでのゴルフはトランプへの更なる朝貢外交ではないでしょうか、」ここの所物思う事の多い日々でした。

 



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2017年02月08日

続、引き返すべき原点

 日ロ両国が平和条約を締結するためには、ロシアが「北方四島」を元の日本領に戻して謝罪すべきです。そうでなければ心からの仲直りは出来ません。何故なら争いの原因は全てソ連の不法な参戦によるもので、その被害は甚大、このような非道な振る舞いが許されて良い筈がないのであります。我が国は一歩も引かずロシアに抗議し、相手が引かないのであれば平和条約など結ぶ必要はなし、「四島返還」までは譲るべからずというのが私の意見です。

 仮に敗戦直前の「ポツダム宣言」を受け入れていればどうなったか? ソ連の参戦も「シベリア抑留」もありませんでした。ソ連は相変わらず条約に基づく中立国であり戦勝国ではありません。折しも2月7日は「北方領土の日」、主要紙は一斉にこの日の事を論じていますが、プーチンと安倍総理、また国民は領土問題に対してはどのような展望を持っているのか、果たして安倍総理は巷間言われているように“仕方がないから諦めろ、別の方法を考えよう”と真面目に考えているのでしようか?

 毎日新聞はその社説で、日ロ交渉の道筋が大きく変わり、不透明感が増す中で領土問題の前進は無く、元島民の3分の2は他界して残る6300人の平均年齢は81歳を超え、国民の失望感は大きい。そのなかでの大会は両首脳が合意した「新しいアプローチ」に望みを託し、領土問題の解決につなげてほしいというアピールを採択した。今までとはどこが違うのか、いったん棚上げをして“歴史的経緯ばかりにとらわれず、四島の未来像を描く中から解決を探る”と説明するが、これではまるで政府の提灯持ちではないでしょうか。

 共同経済活動というサービスと引き換えに四島の「特区」化を図り、法的な中間地帯を狙った作戦のようですがあまりにも見え透いた浅知恵で、厳しいプーチンが許す筈はないではありませんか。ロシアの法律と統治権の下、ますます領有権を強化し、餌だけ取られて馬鹿を見るに違いありません。読売新聞も社説を使って「元島民の自由往来拡大を急げ」と全く同じような迎合記事、国民はいつ四島を諦めてしまったのか、“共同経済活動などを領土解決につなげてほしい”の大会決意に対する疑問もなければ批判もない、実に無責任極まる論調でありました。

日露双方は、平和条約が結ばれていないことを不正常と言いますが、いまだに不法占拠が続いていることこそが異常なのであり、そのことをはっきり指摘する産経新聞の「主張」は近頃出色の達文で、最右翼の新聞にこの記事ありと頼もしく思いました。その「四島主権の明確化譲れぬ」の概要は以下の通りです。>安倍総理は“私とプーチン大統領は、戦後ずっと残されてきた問題に終止符を打つ強い決意を共有した”と述べている。自らの手で、北方領土問題を何とか前進させたいという首相の意気込みはわかる。問題は、それが北方四島の返還に資するアプローチにつながるかどうかである。<

 >交渉の進展を演出するため、ここで主権をめぐる立場を曖昧にすることは許されない。そのような形で経済協力に踏み込めば、居留する人々の居心地をよくし、ロシアによる実効支配の強化に手を貸すことになるからだ。北方領土は、先の大戦の終結前に日ソ中立条約を一方的に破棄したソ連が武力で不法に占領した。この事実を覆い隠して、交渉を進めることはできない。<

 正論です。この新聞はこれだけのことが書けるのに、度重なる安倍政権の暴政にどうして気が付かないのか? ロシアは昔日のロシアにあらず、弱みは随所にあるのです。武力の行使を永久に放棄し、戦力を持たず交戦権も認めない我が国は、丸腰のままで息長く外交努力を重ねるべきで、焦らずひるまず結果を待ちましょう。正論には右も左もないのであって、泥棒に追い銭の如き「新しきアプローチ」だの「共同経済活動」は愚の骨頂と心得るべきではないでしょうか。




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2017年02月06日

引き返すべき原点が狂っている

 “領土は消えて無くならないが捕虜の命には限りがある”人質を取られたような困難な交渉に耐え、鳩山一郎元首相は1956年、「日ソ共同宣言」に同意して日本人捕虜を一兵残らず日本に連れて帰りました。しかし領土問題では同意に至らず、平和条約の締結もそのままです。領土問題の難しさは11月に来日したプーチン大統領のしたたかさを知れば充分でしょう。

 紛争の解決や交渉には先ず争いの発生した原点に立ち戻り、何故争いが発生したかの原因をじっくり双方が考え、話し合う。これが常識であり当然なのですが、プーチン氏はいきなり戦争で手に入れた四島領有という結果ばかりを持ち出し、そのようになった経過については触れないのです。問題はいつ、どこで、何故争いが起きたのかであって、つまり原因があって経緯、その結果があるのであり、その逆はあり得ない。だから双方が立ち返るべき原点は1945年8月9日以前であって、決して9月2日以後ではないのです。

 我が国は当時の中立国ソ連を介して有利な和睦を期待して果敢ない努力を続けていましたが、連合国は敗戦直前の7月26日、無条件降伏を勧告する「ポツダム宣言」を発令いたしました。往生際の悪い大本営はみすみすこのラストチャンスを見逃しました。意地を張らずになぜすんなり受け入れなかったか、我が国は悔いを千載に残したのですが、この宣言はアメリカ大統領、中華民国主席、イギリス総理大臣の3人の名で出されたもので、ソ連代表の名はありません。

 我が国とは不可侵条約を結ぶ中立国であったソ連が、なぜ約束を破って攻め込んで来たのか。4月には沖縄が、5月にはドイツが降伏、漸く勝敗の帰趨が明らかになった2月にはヤルタで会談が行われ、その後の方針について米英ソの三首脳が密約を行ったと言われています。出来るだけ早い時期に参戦してくれれば「サハリン」、「千島列島」の領有を認めよう。“なるほど中立国の裏切りは違法だが、戦争を終わらせるための大義に比べれば取るに足らない小事にすぎない ” と参戦を唆し、勝ち馬に乗りたくて堪らないスターリンはこの誘惑に乗り、僅か10日の参戦で大きな戦果を手に致しました。従って彼らの原点は8月9日、火事場泥棒的参戦の日以外ではありません。

 このとおり、未だに解決を見ない日ロ両国の領土問題発生は8月9日ですが、中立条約を勝手に破って不意に戦争を仕掛けるなど、ソ連の不法は許されない、これでは国際信義が成り立たないうえ平和が守れない。ロシアは不法を陳謝して直ちに参戦前の状態に戻すべきです。参戦や領土の取得はヤルタの約束で解決済だというのでしょうが、これらはいずれも強者の密約で、公的な効力が疑わしいのです。「カイロ宣言」「太平洋憲章」に盛られた連合国の領土不拡大原則を確認するとともに、果たして日本が暴力や強欲により略取した地域であるのかどうか? 精査する必要があります。

 焦点である「北方領土」ですが、連合国の領土不拡大原則を確認している「カイロ宣言」によれば、日本が暴力、強欲により略取した地域は返還されるものとしていますが、「千島列島」領有は歴史的に見てすべて合理的、これに該当しないのです。しかし日本は対日平和条約でその千島列島を放棄したのですが、これは国後、択捉が千島ではなく、北海道の固有の領土とする考えが強かったからです。樺太はともかく、北方四島はロシアに譲るわけにはゆきません。

 なぜ国際法に反する不法な攻撃により占領した「北方四島」をロシア領として認めねばならないのか、これでは永遠に平和条約は結べません。我が国はロシアの非を粘り強く咎め、決して諦めないことです。慌てることもありません。中立条約を勝手に破って寝首を掻く、こんな卑怯な振る舞いが許される筈がないのであって、いずれロシアは赤い顔をして何らかの修正を余儀なくされることでしょう。

 私はロシアを相手に折衝するには、その原点をしっかりとらえることのほか、領土問題と「シベリア抑留」の二つは切り離してはいけない、必ずペアで話し合うべきだと思います。別々では効果半減、このことを次項で述べたいと思います。
 



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