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イギリスで開発された短機関銃「ステン短機関銃」の射撃動画です。

ステンガン(Stengun)、もしくは単にステン(STEN)は、第二次世界大戦中のイギリスで開発された短機関銃である。合理化された設計によって傑出した生産性を備え、大量生産されて、連合国軍やレジスタンスの主力小火器として大戦中を通じ用いられた。

ステンガンの構造はオープンボルト式で、引き金を引くとボルトが弾薬を叩くが、チェンバーが空でボルトが閉鎖されていても強い衝撃を与えると、安全装置を掛けていないと次弾を拾って発火してしまうオープンボルト式SMG共通の欠点がある。

照準器は固定式ピープサイト。左側へ突き出したマガジンハウジングは90°回転させ下方へ向けることができた。これは非戦闘時に排莢口と装弾口を塞ぎ異物侵入を防止することと輸送時の都合を考慮した設計だったが、耐久性に問題があったほか、戦闘時にもマガジンハウジングと装弾口のズレが起こりやすく、特にマガジン部を保持して連射するとしばしば装弾不良が発生した。

小火器としての全体性能はMP40や米軍供与のトンプソン・サブマシンガンに及ばないとされているが、短機関銃として標準的な使い方である100m前後での射撃であればそれらに劣るものではなく、正しく保持しさえすれば実射時のバランスは意外なほど良好であった。また下方にマガジンを備えた銃に比べて伏せ射ちのしやすさが評価されている。

Mk.IIの実射レポートでは「噂の装弾不良はなく、問題なく全弾発射した」「反動はマイルドでマズルブラストは気にならず、M3グリースガンやトンプソンと違い、発砲時の銃口の跳ねや片方への首振りするようなことがなく、非常にコントロールしやすい」と評価されており、後にドイツ軍がコピー生産(後述)した事実や、1943年以降、兵器不足の危機が過ぎた後もステンに代わるSMGが大戦中に制式化されなかったことからも、当初は完璧とは言えなかったものの、その後の改修、改良を重ねられていったことからも兵器としての基本設計が優れていたと言える。

英軍将兵からは「ステンチ(悪臭)ガン」や「ウールワースガン」(「ウールワース」は安売りスーパーマーケットチェーンの名) 、はなはだしくは「プランパーズデライト(デブ女の性具)」や「パイプ・ガン」という蔑称で呼ばれたが、一丁あたりの製造単価はわずか7ドル60セントであり、当時としては類を見ないほど低コストで大量生産化に成功した銃だった。最終的に400万挺以上が生産され、これによってイギリス軍は歩兵用兵器の再整備を図ることができた。