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アメリカ軍の使用する航空機のフライト・シミュレーター
1機20億円、コックピットが360度回転し、最大3Gの加速度を再現するフライト・シミュレーターとは?
F-35戦闘機、F-16戦闘機、F/A-18戦闘機、AC-130ガンシップ、C-17輸送機のシミュレーター映像

特定の航空機の操縦室を模し、操縦装置の操作信号を元に機体の反応をコンピュータで計算し、結果を操作パネル表示、視界画像、動揺装置による動き、音響などで出力することで、航空機の動作を高度に再現する装置はフル・フライトシミュレータ(Full Flight Simulator、FFS)と呼ばれる。日本では模擬飛行装置と呼ばれる。

航空機乗組員の訓練、試験、審査などに使用される装置であり、通常の操縦訓練とともに事故など考えられる事象の対応訓練などに使用される。特定の型式の航空機の操縦室をそのまま使用したものが多く、航空機メーカーが自社の各機体専用に製造している。

現在では航空機の開発段階においても想定される機体の数式モデルを構築し、風洞試験データ等を反映させたFFSをテストパイロットに操縦させて問題を洗い出し、開発の効率化に貢献している。

国際民間航空機関では動揺装置などにより第1種(さらに3段階)〜第4種の合計で6段階に分けている。厳密には「飛行時間」とは違うものの、多くの国では承認した機種の場合は航空日誌(ログブック)に記録できる欄があり(日本では国土交通大臣が承認)、操縦士資格取得訓練の一部を成している。たとえば計器飛行証明であれば、「…時間以上の計器飛行練習(ただし模擬飛行装置によるものは〜時間まで)」となる。また装置の動作についても当局の認証が必要となる。

FFSは非常に高価で整備や電気代などの維持費も別途かかり、航空当局の認証手続きが複雑で定期検査が必要などハードルが高く導入できるのは大手に限られており、中小や格安航空会社では所有する会社にパイロットを派遣して訓練したり、導入したFFSをリースバックに変更するなどしている。例としてボーイング737用は約2億1550万円、エアバスA330用は約7億9700万円である。

F-35はFFSに武装使用など実戦的な訓練の機能を搭載したフルミッション・シミュレータ(FMS)を用意し、復座型による訓練を不用としている。

近年では動揺装置として大型のロボットアームを使用するFFSも登場している。

コックピット内部を整備する航空整備士の訓練にも使用されており、各種エラーの表示を任意で発生させる整備士向けのモードを搭載した装置もある。