2018年05月13日

本小松石のトロ ってなぁに?

会社のニューズレター本小松うしん(本小松石通信を略しています)第七号発送〜裏面で「たまに真面目に書くコラム」を始めました。これが結構評判良くて激励のお手紙をいただいたりお客さんにコピーして配りたいなんて言っていただいたりして嬉しかったです。書いたコラム載せてみました。お時間ある時に是非読んで下さい〜
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本小松石のトロってなぁに?

「最近インターネットを見た一般のお客様から本小松石のトロでお墓を建てたいと言われたけど、トロってなに?」と多くの石屋さんにお問い合わせをいただくようになりました。美大の学生からも聞かれてビックリしました。ネットでトロと言っている部分は、私の会社では昔から言われている1級品の縞模様があるような本小松石です。その上のランクに縞模様の無い特級品が存在するというのが今までの考え方、お客様への伝え方だったのですが、どうもネットでは1級品と特級品の価値観が逆転しちゃっているといった感じで、多くの石屋さんは「トロと特級と、どっちがランク的に上なの?」と大変不安になりイライラさせてしまっているといった状況になっています。原因は隣町の石屋さんがホームページで載せたり、ネットのウイキペディア(フリー百科事典)の本小松石の説明で、青目材(特級品)の上のランクとして大トロ(超特級品)なんて載せたのを、本小松石に興味のある方が見ていることが原因だと思いますが、まぁ私の率直な感想としましては、「ネットの影響って凄いんだね〜隣町の石屋さんは縞のある石をトロって言い方考えるなんてクリエイティブ(創造的)で素晴らしい!」と思いました(笑)。だってこれは新しい価値創造だもん!こういったイノベーター(発想力のある人)がこれからの時代を作っていくし、求められているってビジネス書やいろんなセミナー行ってもよく言われているわけですから、私は感心してしまいました(笑)。俺たちは困っているんだぞ!と怒る石屋さんもいるかと思いますが、まぁ1級品と特級品の価値観が逆転しちゃっているのは良くないと思います。しかしそれは隣町の石屋さんの価値観ですし、お客様がトロが買えたと満足して喜んでくださるならお客様の想いに沿った材料で揃えてお墓を建ててあげればいいじゃないですか!それに実際に本小松石の墓石になる部分は1級品と特級品を合わせても全体の1%位ですから、やはりマグロで言ったら大トロになりますよね(笑)。ですから私の見解としては1級品に新たな価値が付けられた、トロという新たなバリエーション(石種)が増えたという感じですかね。ちなみにトロ(私の会社では1級品)と言われている石は、私の会社と隣の青木一雄石材さんの境の付近の部分で採れている石の事です。その2社からしか採れていません。昨今、ネットの情報の9割はウソの情報で、誰もが情報発信が出来てしまい、情報が信じられなくなっているなんてことを聞いたことがあります。トロのことをたずねられたお客様に対しては、本当のことをお客様に伝えて新たな価値創造ととらえれば、1級品を売る良いセールストークになるのではないかと思います。最近読んだ高田郁著の「あきない世傳 金と銀」のなかに「買うての幸い、売っての幸せ」なんて話が出てきて、この本小松石のトロに関しては、ちゃんと説明して喜んで買ってもらえれば良いのではないかなと思います。以前本で読んだことですが、七〇年代にディオールなどの一流店が売るためにライセンス契約(他社で製品を製造)などをして売り上げを伸ばしましたが、エルメスはライセンス契約をせず、自社で目の届く範囲でしっかりとした商品を作り続け、結果的に他の一流店とは段違いのブランドを構築したそうです。私も本小松石の材料屋ですから沢山売りたいのですが、適当に売ってしまうと産地の信用を失う引き金になり兼ねないので、プロの目でしっかりとした1級品の材料を供給していきたいと思っております。


Posted by kamegawahiroshi at 23:15│ 墓石