2019年11月14日

五輪塔ってなぁに?

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五輪塔って言葉を聞くと一般の方はオリンピックの塔?なんて思ってしまうかもしれませんが、実は五輪塔はとても伝統のあるお墓の形なんです。
五輪塔とは
五輪塔は密教、真言宗での仏と成るための実践から生まれた形で、平安時代後期以来日本の供養塔、お墓として宗派を超えて1300年もの永い間用いられています。1300年もの永い間廃れずに使われていた、そして今でも墓地に建てられているなんて凄いですね!四角の地輪、丸の水輪、三角の火輪、半月の風輪、宝珠の空輪の5つの石のパーツからなり、密教で言う「地・水・火・風・空」の宇宙(あらゆる世界)を構成する五大思想(宇宙の構成要素についての考え)を表しています。五輪塔を普及させたのは真言宗の高僧、覚鑁(かくばん)嘉保2年生まれ、 康治2年没(1095〜1144年)と言われています。覚鑁は五輪塔が普及するきっかけとなった「五輪九字明秘密釈(ごりんくじみょうひみつしゃく)」の著者でもありました。覚鑁は「五輪塔を建てるということは亡き人は大日如来と一体となり仏と成ることが出来、極楽浄土へ往ける」と教えました。五輪塔は今日まで「ありがたい最高のお墓」とされています。
平安時代から建てられるようになった五輪塔ですが平安時代〜鎌倉時代までは身分の高い貴族や高僧、武士などの方しか建てられなかったのですが、室町時代になると小型化した五輪塔が作られたり、5つの部材ではなく、1つの石で彫った小さい一石五輪塔(いっせきごりんとう)が一般庶民のために作られるようになりました。一般的な和型の四角い石を重ねた位牌型と呼ばれているお墓を墓地で見慣れていると「私たちのような一般の人が五輪塔なんて建てていいの?」なんて思われるかもしれませんが、全然建てて大丈夫なんですよ。江戸時代位に和型のお墓が出現したようですが、ではなぜ五輪塔は建てられなくなっていったのでしょうか?それはたぶん作るのが面倒だから。かもしれません。実際に作ってみると丸くする五輪塔を作るよりも四角くする和型のほうが簡単で手間が掛かりません。または阿弥陀信仰が爆発的に流行したため南無阿弥陀仏の字(六字名号)をお墓の竿石に彫る人が増えたため五輪塔ではなく四角い和型になっていったと考えられます。こうして鎌倉、室町時代では一般庶民でもごくあたり前だった五輪塔という形は700年経った令和の時代となった今、五輪=オリンピックと認識が変容していった訳なのですね(笑)ですから五輪塔というとよく分からないし、高野山で沢山立っているの見たけど偉い人のが沢山建っていたから身分の高い人のお墓なんじゃないの?という何か特別なような感じがして自分のお墓に五輪塔を建てようという気になれないのは日常ではあまり目に触れることが少なくなってしまったからなのかもしれませんね。五輪塔は宗派を超えて建てられていますとはじめのほうに言いましたが真宗は建てないほうが良いです。なぜならば真宗は如来への供養は行っても先祖の供養をしません。四角い和型の竿石に南無阿弥陀仏と彫った名号塔をおすすめします。

五輪塔は宗派によって彫る文字が違ってきますので注意しましょう(参考書は福原堂礎さんの 間違いだらけの正しいお墓)
真言宗は五輪塔の各輪に梵字のキャ・カ・ラ・バ・アと刻みます。宗派の最高仏である大日如来をお迎えして供養します
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日蓮宗は 五輪塔へ髭(ひげ)文字で各輪に妙・法・蓮・華・経と刻みます。宗派の最高仏である日蓮大菩薩をお迎えして供養します
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禅宗は五輪塔の各輪に空・風・火・水・地と刻みます。宗派の最高仏である釈迦如来をお迎えして供養します
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天台宗は 五輪塔へ梵字のキャ・カ・ラ・バ・アと各輪に刻みます。宗派の最高仏である阿弥陀如来をお迎えして供養します
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浄土宗は 五輪塔へ各輪に南・無・阿・弥・陀・仏と刻みます(梵字のキャ・カ・ラ・バ・アでも可)宗派の最高仏である阿弥陀如来をお迎えして供養します
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真宗は五輪塔は建てません。四角い位牌墓(和型)の竿石に南無阿弥陀仏と彫った名号塔をおすすめします。倶会一処(ぐえいっしょ、極楽で往生しましょうの意)でも大丈夫ですし釋(しゃく)があれば構わないとも言われています。釋(釈)は、お釈迦様の弟子という意味になります。法名(ほうみょう)の一番上に釋(釈)の文字が入ることで、お釈迦様の弟子ということになります。法名は浄土真宗独自のもので、他の宗派にはありません
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Posted by kamegawahiroshi at 22:25│