亀井英孝の「千年続く経営」ブログ

名南経営コンサルティング 亀井英孝 公式ブログ

2013年12月

今日は、「誇り」ということについて考えてみたいと思います。

 

先日、ある本を読んだところ、次のような文章がありました。

 

「彼らは皆よく肥え、身なりもよく、幸福そうである。一見したところ、富者も貧者もない。これが恐らく、人民の本当の幸福の姿というものであろう。私は時として、○○を開国して外国の影響を受けさせることが、果たしてこの人々の普遍的な幸福を増進する所以であるかどうか、疑わしくなる。私は質素と黄金の時代を、いずれの他の国におけるよりも、より多く○○において見いだす。生命と財産の安全、全般の人々の質素と満足とは、現在の○○の顕著な姿であるように思われる。」

 

さて、この文章の○○の部分に入る国名、どこか分かりますか?

 

そうです。我が国・日本です。

 

この文章が記載されている「日本滞在記」(坂田誠一氏訳、岩波文庫)の著者は、アメリカの駐日総領事としてわが国が列強諸国から迎え入れた初めての外交官、タウンゼント・ハリスです。

 

彼は敬虔なキリシタンで、野蛮国の日本をキリスト教によって文明国へ引き上げ、人々を幸福にしたいという宗教的使命感から日本領事の職を熱望したといいます。しかし、はからずもその野蛮国だと思い込んでいた日本に「地上の楽園」を目の当たりにしてしまい、キリスト教的価値観を大きく揺さぶられ、彼の本国から与えられた任務であった、日本にとって大変不平等な日米修好通常条約(1858年締結)を押し付けることにためらいを感じたのだそうです。

 

この文章を読んでまず湧いた感情は「誇り」と「喜び」でした。この日本という地に生まれたことそのものへの誇り、そして喜び・・・

 

しかしその直ぐ後に生まれた感情がありました。それは「申し訳なさ」というか「情けなさ」というか・・・。先達が2600年以上の歳月を掛けて作り上げて下さった「地上の楽園」を、わずか65年で誇りなき国にしてしまった、その「不甲斐なさ」というか・・・

 

一方で、200年以上続く企業は3,000社以上という事実、まだまだ捨てたものではありません。

 

また私個人の中にも、そのDNAは確かに継承されているように思います。この文章に「誇り」と「喜び」を感じたその心が、まだ私の中に生きている・・・

 

私はこの文章を通じて、

 

「我々経営に携わる者は、企業経営を通じて「地上の楽園」の本質を追求していく責任がある。そして当社は、それを全面的にサポートしていく会社であり続けたい。」

 

そう強く心に刻みました。

 

今一度「質素と黄金の時代」を取り戻していきましょう、再び誇りが持てる国を作るために、私たちの力で、私たちができることを精一杯実践し続けていきましょう。

本日は、「実践」について考えてみたいと思います。

 

私が主宰する後継者のための勉強会「千年経営研究会」にて、私が退席した後のやりとりがメールにて報告されましたので、ご紹介したいと思います。

 

《以下、メールより》

 

二次会ではAさんの話となりました。「親の事業を継ぐ気があるのか?」「技術承継はどうするのか?」などとみんなからいろいろと質問を投げかけ、事業承継に対する彼の真意を探りました。

 

みんなが一番問題だと感じたのは、「親の言うことをちゃんと聴いていない」ということ。

 

いくらか時間が経過した後、Bさんがこの研究会で指導され、指摘され、実践してきた3年間の出来事を熱烈に語り始めました。

 

いつもは突っ込みどころ満載のBさんのこと。皆が「どっかで突っ込みを入れてやろう!」と、虎視眈々と狙いながら聴いておりました()

 

しかし、Bさんの話には全く突っ込みどころがありませんでした。最後にはみんな「その通りだ!」と・・・

 

そこで痛感したことがありました。「Bさんは実践したからそれがいえる」「やはり実践した人の話は全然違う」と・・・

 

Aさんは、みんなから「何もやらずに、話もせずに、親父はこうだと決め付けるな!」と、最後まで攻められておりました。

 

そして「親ときちんと話をすべきだ。来月はそれが宿題だ!」ということになりました。来月が楽しみです。(以上)

 

やはり実践ほど重みのあるものはありませんね。知識ばかり追っ掛けて頭でっかちで終わらず、真摯に実践を繰り返し、さまざまな経験の中から学ぶことの大切さを感じます。

 

そしてこの姿勢こそが、後継者が立派な経営者へと成長できる唯一の道だと思います。

本日は、「けじめ」について考えてみたいと思います。

 

私は事業承継の際、必ず「就任披露バーティを開いてください」とお願いしています。

 

「うちのような小さな会社で社長就任披露なんて・・・」と言われる方が多いのですが、全くの誤りです。逆に、トップの声が直接末端までいきわたる中小企業においてこそ必要です。

 

披露会以外にも、社長室や専用車を明け渡す(部屋も車も別に用意する)、意思決定権者が出た方が良い会やイベントはバトンタッチするなど、形から入ることは大変重要です。そうすることで、内外に後継がなされたことを示すことができるからです。

 

このようなことを疎かにする会社でよく見受けられるのは、

  いつまで経っても社員は前社長にお伺いを立てる。

  得意先や金融機関も、まず前社長に話を持っていく。

などといった弊害です。名刺だけ変えても、形が変わっていないと周囲はそれを認識することができません。また、そういう前社長に限ってそれらの弊害を拒まない・・・

 

物事にはきちんとした“けじめ”が必要です。そしてその“けじめ”を大切にしてきたのが日本という国柄です。

 

七五三、元服、結婚、襲名披露・・・人生の転換点では必ずイベントが行われ、内外のその事実をきちんと公開し、周知する。そうすることで周囲の意識が変化し、またその者を支えていこうという心が芽生えるのです。

 

また就任披露は、前社長が経営者としての責任を全うされたことの証しでもあります。

 

世に優秀な経営者と優秀そうに見える経営者がいらっしゃいます。自分の治世において業績を大いに伸ばされるのは、確かに素晴らしいことです。しかし、そうであったとしても事業承継がきちんとできなかった経営者は、やはり優秀とはいえません。逆に、それほど業績が伸ばせなかったとしても、きちんと事業承継することができた経営者は、優秀です。企業はゴーイングコンサーン、続けることが大切なのです。潰すことなく襷を渡すことが出来る、これこそが本物の優秀な経営者なのです。もちろん、より素晴らしい会社に出来ればそれに越したことはありませんが・・・

 

譲る者は、引き継ぐ者がやりやすい環境を作るために、引き継ぐ者は、引き継ぐことができるものを残してくれた譲る者への感謝の気持ちを伝える場として、社長交代の際には是非就任披露会を執り行っていただきたいと思います。

 

「けじめを付ける」

 

とても大切なことだと思います。

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