亀井英孝の「千年続く経営」ブログ

名南経営コンサルティング 亀井英孝 公式ブログ

2015年08月

本日は、“組織の力”について考えてみたいと思います。

 

私の尊敬する経営者のおひとりの方からお聴きしたことで、
とても印象深いものがあります。その会社は、中期経営計画
発表会や社内研修会、または会議の運営方法などでとても
有名な会社で、多くの見学者がいらっしゃいます。

 

その社長様が、見学者に対していつもおっしゃる話があります。

 

「確かに当社には求心力があると思いますが、まだまだ本物
 ではない。当社では発表会や会議に研修、または慰安旅行や
 運動会などと、さまざまなイベントを行っていますが、こう
 いう取り組みをしないと維持できない程度のものでしかない
 と感じているんです。」

 

多少の謙遜はあるのでしょうが、現状が社長の目指されている
レベルではないことは確かなようです。

 

「求心力で維持しているうちはダメなんです。遠心力が働く
 組織にならないといけない。そういう意味では、まだ外部に
 対して私と同じ影響力を及ぼす社員が育っていない。十分な
 遠心力が働くほどになっていないのです。」

 

「求心力を維持するためには何かとお金が掛かります。求心力
 はコストなんです。だからうちはまだまだ儲かっているとは
 いえない。それに対して遠心力はプロフィットの源泉です。
 当社が大儲けし始めたら、遠心力が効き始めたと思ってくだ
 さい(笑)。」

 

初めてお聴きしたときは、まさに目から鱗でした。
しかし、確かにその通りだと感じます。

 

やはり求心力を生み出す努力は、不断に行うべきです。しかし
そこに満足してはいけないことを、教えられました。そして
コストを掛けて獲得した求心力を基に、外部に強い影響力を
及ぼす、遠心力をもつ組織にしていくことを常に意識し続ける
ことが必要です。

 

このような切り分けの仕方で、組織の力を考えられてはいかが
でしょうか?

本日は、“接点”について考えてみたいと思います。

 

営業や部下育成など、人と関わるシチュエーションで
一定の成果が求められる場合、最も大切なのが、接点
の多さです。

 

もちろん、一度の接点で大きな影響を及ぼす、という
観点も必要ですが、どうしてもそれだけでは不足する
ようです。会っている時間がどれだけ充実していても、
期間が空いてしまうとその価値はどんどん下がって
いきます。月
12時間半じっくり話をするのと、毎日
5分話をするのでは、総時間は変わりませんが、どうも
後者の方が深い人間関係を築けるようです。

 

方法はいろいろありますね。もちろん毎日会って話が
できることが一番なのですが、なかなかそうはいきま
せん。ならば、営業の場合であれば、お手紙を認める、
FAXやメールで情報提供する、電話でご機嫌伺いする、
などなど。考えればさまざまな方法が考えられます。

 

また自分一人に限る必要もありません。会社として
全てのお客様に一斉にお送りできるものもあるでしょうし、
また担当以外の者が接点を持つ、ということもあるかも
しれません。

 

部下育成においても同じで、大事なことは、
 「いつも繋がっている」
という感覚だと思います。

 

接点の多さが及ぼす営業上の価値は、何も「売る」こと
だけに留まりません。いや直接的な「売る」ことよりも
数倍の価値があります。接点の多さから得られる身内・
仲間意識、情報を提供することによって得られる信頼や
報恩感情といったものから、いろいろご要望をいただける
ようになる、アドバイスをしてもらえるようになる、
アイディアを教えてもらえるようになる。その価値は、
何物にも替え難いものです。

 

そしてその声に素直に、真摯に応えていけば、更に成長する
ことができる、磨くことができる、より良くしていくことが
できる。そしてそれが更なる信頼を生む・・・。

この善の循環の入り口が“接点”であり、その多さが様々な
成果を生み出すのです。

 

いろんな場面において接点を増やすために何ができるか、
常に考え続けたいものです。

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