本日は、“組織の力”について考えてみたいと思います。
私の尊敬する経営者のおひとりの方からお聴きしたことで、
とても印象深いものがあります。その会社は、中期経営計画
発表会や社内研修会、または会議の運営方法などでとても
有名な会社で、多くの見学者がいらっしゃいます。
その社長様が、見学者に対していつもおっしゃる話があります。
「確かに当社には求心力があると思いますが、まだまだ本物
ではない。当社では発表会や会議に研修、または慰安旅行や
運動会などと、さまざまなイベントを行っていますが、こう
いう取り組みをしないと維持できない程度のものでしかない
と感じているんです。」
多少の謙遜はあるのでしょうが、現状が社長の目指されている
レベルではないことは確かなようです。
「求心力で維持しているうちはダメなんです。遠心力が働く
組織にならないといけない。そういう意味では、まだ外部に
対して私と同じ影響力を及ぼす社員が育っていない。十分な
遠心力が働くほどになっていないのです。」
「求心力を維持するためには何かとお金が掛かります。求心力
はコストなんです。だからうちはまだまだ儲かっているとは
いえない。それに対して遠心力はプロフィットの源泉です。
当社が大儲けし始めたら、遠心力が効き始めたと思ってくだ
さい(笑)。」
初めてお聴きしたときは、まさに目から鱗でした。
しかし、確かにその通りだと感じます。
やはり求心力を生み出す努力は、不断に行うべきです。しかし
そこに満足してはいけないことを、教えられました。そして
コストを掛けて獲得した求心力を基に、外部に強い影響力を
及ぼす、遠心力をもつ組織にしていくことを常に意識し続ける
ことが必要です。
このような切り分けの仕方で、組織の力を考えられてはいかが
でしょうか?