本日は「企業統治」について考えたいと思います。
ときに同族企業の統治機能の不具合が取り上げられます。
これは何も同族企業だけの問題ではありませんが、発生
しやすい体質にあることもまた事実です。老舗企業では、
その点に心砕いていたことが認められます。
代表例として西川屋(現西川リビング株式会社)中興の
祖と呼ばれる七代目・利助が手掛けた「別家制度の定法
目録」をあげておきましょう。
この制度は、「三代目から実施していた従業員に分家の
資格を与える別家制度を、「本家・親類・別家」三者の
共同責任と相互チェックに基づく運営を明確にして、
西川家のグループとしての体制強化を図る仕組みに発展
させたもの」(西川リビング株式会社ホームページより
抜粋)です。
http://www.nishikawa-living.co.jp/company/ayumi/ayumi04.html)
要するに、本家のやることを親類・別家が監視し、道を
誤ることのないようする仕組みを、当主自らが作った、
ということです。そこに大いなる価値があると思います。
現代においても、その機能を果たしてくださる方々は
いらっしゃいます。
代表選手として金融機関が挙げられます。お金をお貸して
いただいていることへの説明責任を果たすことはもちろん
ですが、たとえば月一回、試算表・資金繰り予定表などを
持って支店長を訪ね、よりより経営を実現するためのアド
バイスを求める、そういう姿勢が大事です。
また税務署もこの機能を果たしてくれます。隠さなければ
ならないことがあるなら別ですが、思い当たる節がないの
であれば、これもまた教えを乞うつもりで調査を受けられる
ことをお勧めします。
それ以外にも、得意先様、仕入先様や協力業者様、経営者
仲間や地域コミュニティーの中で、特に箴言を厭わない方
のご意見を定期的にいただく姿勢は、同族企業にとってなく
てはならないものだと思います。
「煙たがられるぐらいの意見を言う人」を自ら求める。
同族企業のトップとして、とても大切な視点だと思います。