今日は、採用について考えててみたいと思います。
「よい人を採用したい」採用する側に立てば、
当たり前の心情ですね。しかし残念ながら、どの
組織にも適合する“よい人”などはいないと思った
方がよいでしょう。よって採用にあたってはまず、
「どのような組織にしたいのか」
「どのような仕事を任せたいか」
などを明確にする必要があります。
個性=種、組織・仕事=土壌、教育=肥料
です。
土壌があっていなければ、どんなに素晴らしい
遺伝子を持つ種であっても花を咲かせることは
できません。
また、採用活動にあたっては、徹底的に性悪説に
立つことをお勧めしています。採用活動とは、
“よい人”を採る活動ではなく、
「入れてはいけない人を入れない」
活動であると認識する必要があります。
「悪貨は良貨を駆逐する」
のです。特に小さな組織においては、その影響力は
必然的に大きくなります。たとえば4人の組織に
入れた1名は、20%の勢力を持つ者ということに
なります。
具体的には、
「具体的に挙げてきた成果は何か?」
「どんなことに取り組んできたか?」
「会社や同僚、またはお客様にどのような影響を
与えてきたか?」
など、YES・NOで回答できる質問ではなく、
目を閉じれば瞼に浮かぶほど具体的な状況を
ヒアリングしていきます。
「やりたいこと」と「できること」は異なりますし、
「できること」と「役立つこと」も異なります。
また、過去の実績が自社では弊害になることさえも
あります。だから面接では、
「その実績は本当か?」
「本当に自分でやったことか?」
「それは自社に役立つか?」
を徹底的に確認します。
ところが中小企業においては、どうしてもよいところ
だけに着目する傾向があるように思います。応募して
くれる人が少ないから、
「何とか入ってもらわなければ」
と思ってしまうのは無理もありません。そしていつの
間にか欠点までも長所に見えてくる。
しかし実際に入れてみると「こんなはずではなかった」
となる。「騙された!」と・・・。でもそれはやはり
採用する側の失敗に他なりません。
採用とはよい人を入れる活動ではなく、徹底的にその人
の人となりを知り抜いて、その上で欠点を許せるないしは
育てる覚悟を持てる人を入れることです。その上で、
既存の社員さんが「責任をもって育てます!」と言って
くれる人を採用できれば最高です。
一方、入社後は徹底的に性善説に立ちましょう。採用は
結婚と同じです。結婚する前には両目をしっかり開けて
見極め、結婚したら片目を瞑る。その意味においても、
採用とは、欠点を許せる人、育てる覚悟を持てる人を
入れることといえるのです。