亀井英孝の「千年続く経営」ブログ

名南経営コンサルティング 亀井英孝 公式ブログ

2018年12月

本日は、“道楽”について考えてみたいと思います。

 

“道楽”は通常、三省堂「大辞林」にもあるように

 ①本職以外の趣味にふけること。趣味を楽しむこと。
  また、その趣味。

 ②酒色・ばくちなどの遊興にふける・こと(さま)。

などと説明されます。

しかし、ここでの“道楽”は、

 

「道を楽しむ者は、
  困難に遭遇するも挫折せず、
  敢然として道に進む」
        (澁澤榮一氏)

 

といった意味での“道楽”です。ちなみに「大辞林」では

 ③仏道修行によって得た悟りの楽しみ。

と続きます。どちらかというと、こちらが近いですね。

 

このところ、社員育成に情熱をもって取り組みたいけれども、
熱くなり過ぎるとパワハラと言われるんじゃないか、
精神的な病に罹ってしまいはしないか、と心配される方が
多いようです。まさに今の時代を反映したものですね。

 

これはあくまでも私の主観ですが、仕事にやりがいを感じ、
楽しく面白く、常に達成感を得ながら仕事をしている人に
対しては、そのような心配はないように思います。

 

しかし、やりがいがもてる、楽しく面白くなる、ないしは
達成感が得られることが最初から保証されている仕事なんて
ありません。

やりがいをもって仕事をする、自らの創意工夫で楽しく
面白く仕事をする、目標を達成させよう一所懸命仕事を
することによってしか得ることができない境地です。

 

「職業に貴賤はない。しかし仕事の仕方には貴賤がある。」

 

と言われる所以です。

 

では、貴い仕事の仕方ができる社員さんを育てるには、
どうしたらよいのでしょうか?

 

もちろん、言葉で伝えていくことも大事です。ただ、

 

「子は親の言う通りにはならない。親の通りになる。」

 

と言われます。これは社員さんにも通じる話です。

 

何より大切なのは、自分の仕事好きを伝染させることです。

まず自らが「道を楽しむ」。それを社員さんに伝染させる。

人材育成のためにも、好ましい企業文化を醸成するためにも、
とても大切なことだと思います。

本日は、“臆病”について考えてみたいと思います。

 

人は失敗をすると、どうしても委縮してしまうもの
です。

しかし、失敗を恐れて、その後の仕事に対する取り
組みに消極的になってしまってはいけません。

 

私は、失敗してしまった者に対しては、

 

「ビビる必要はないが、もっと臆病になりなさい」

 

と伝えるようにしています。

 

ビビるのではなく、もっと積極的に、もっと前向きに
事前の確認やチェックを行い、確かで間違いのない
仕事を追求し続ける姿勢を持って欲しいからです。

 

臆病になるとは、「これで大丈夫」と思ったとき、さら
にもう一歩進めて

 

「他に考えておくべきことはないか?」

「やり忘れていることはないか?」

 

と考えること。

 

国民教育の父と言われる森信三氏も

 

「真の誠とは、何よりもまず己のつとめに打ち込むところ
 から始まる。」
「もうこれ以上尽くしようがないというところを、なおも
 そこに不足を覚えて、更に一段と自己を投げ出していく」

 

ことが大切だと述べられています。

 

私は「臆病者ほど良い仕事をする」と思っています。そして
いつも、「これで本当に良いか?」と自問自答しています。

 

ぜひ皆さんもこれを機に、自分自身の仕事の進め方を見詰め
直してみてはいかがでしょうか。

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