本日は、“道楽”について考えてみたいと思います。
“道楽”は通常、三省堂「大辞林」にもあるように
①本職以外の趣味にふけること。趣味を楽しむこと。
また、その趣味。
②酒色・ばくちなどの遊興にふける・こと(さま)。
などと説明されます。
しかし、ここでの“道楽”は、
「道を楽しむ者は、
困難に遭遇するも挫折せず、
敢然として道に進む」
(澁澤榮一氏)
といった意味での“道楽”です。ちなみに「大辞林」では
③仏道修行によって得た悟りの楽しみ。
と続きます。どちらかというと、こちらが近いですね。
このところ、社員育成に情熱をもって取り組みたいけれども、
熱くなり過ぎるとパワハラと言われるんじゃないか、
精神的な病に罹ってしまいはしないか、と心配される方が
多いようです。まさに今の時代を反映したものですね。
これはあくまでも私の主観ですが、仕事にやりがいを感じ、
楽しく面白く、常に達成感を得ながら仕事をしている人に
対しては、そのような心配はないように思います。
しかし、やりがいがもてる、楽しく面白くなる、ないしは
達成感が得られることが最初から保証されている仕事なんて
ありません。
やりがいをもって仕事をする、自らの創意工夫で楽しく
面白く仕事をする、目標を達成させよう一所懸命仕事を
することによってしか得ることができない境地です。
「職業に貴賤はない。しかし仕事の仕方には貴賤がある。」
と言われる所以です。
では、貴い仕事の仕方ができる社員さんを育てるには、
どうしたらよいのでしょうか?
もちろん、言葉で伝えていくことも大事です。ただ、
「子は親の言う通りにはならない。親の通りになる。」
と言われます。これは社員さんにも通じる話です。
何より大切なのは、自分の仕事好きを伝染させることです。
まず自らが「道を楽しむ」。それを社員さんに伝染させる。
人材育成のためにも、好ましい企業文化を醸成するためにも、
とても大切なことだと思います。
