亀井英孝の「千年続く経営」ブログ

名南経営コンサルティング 亀井英孝 公式ブログ

2019年12月

本日は、“預かる”ということについて考えてみたい

と思います。

 

2015年にお亡くなりになった、歌舞伎役者の十代目

坂東三津五郎さんは、常日頃

 

「歌舞伎の芸というのは先輩たちからの預かり物」

 

「しっかり次の世代に譲り渡さないと先輩たちに

申し訳ない」

 

と仰っていたそうです。その話を耳にしたとき私は、

事業承継において最も大切なことを、ずばりと言い

当てられているように感じました。

 

「歌舞伎が400年続いてきたのは、後輩に芸を移す

という繰り返しがあったからこそ」

 

「僕も後輩から教えて欲しいと言われれば、隔てなく

教えます」

 

深い言葉だと思います。

 

翻って世間では、譲る者、譲られる者の間の争いごと

がよく見受けられます。

 

そのような場合、どちらが悪いとは言い難いもので、

それぞれに問題があるものです。

 

ただ、もしどちらかを判定せよ、と問われたら、私は

譲られる側に問題があることが多いように思います。

 

譲られる者が大切にしなければならないことを疎かに

してはいないか、その点に反省すべきことがあるよう

に思うのです。

 

そのためにもまず、三津五郎さんのいう“預かり物”

とは、自分にとって何なのか、またその本質とは

いかなるものなのかを明確にする必要があるように

思います。

 

みなさんもぜひこれを機に、

 

「私が預かった物の本質とは何か?」

 

を考えてみていただければと思います。

本日は、“目標”について考えてみたいと思います。

 

目標を達成し続けるためには、

 

・常に目標を意識し、達成するために何が足りない

か、何が必要かを常に考えて、行動すること。

・就業時間の制約を守りながら、行動量を最大限に
 確保すること。

・これまでの常識に囚われず、どんどん新しい方法

 や働きかけの仕方を模索し続けること。

 

などがその要因として挙げられます。

 

それらの中でも一番の要因は、“目標意識”にある
思います。

 

達成できないときや人を眺めてみると、突き詰めて

みれば、「目標を絶対に達成させる!」という強い

意志と意欲の欠如にあることが多いものです。

 

もちろん方法論の問題もありますが、それもまた、

目標を必ず達成させるという気持ちが強ければ強い

ほど、いろんなアイディアが湧出してくるものです。

 

目標意識を全員に共有させることはなかなか難しい
ものですが、まずは目標達成のための行動を徹底
に実践させることが大切です。

 

意識や考え方の誤りを責めるという姿勢ではなく、
行動の実践を徹底させ、その中で目標達成の喜びを
何度も何度も感じることで、真の目標達成意欲を
持つことができるものなのです。

 

目標意識の共有においても、

 

「人に優しく、仕事に厳しく」

 

の姿勢が大切なのだと思います。

 

行動の徹底によって、全員が高い目標意識を持ち、

全体の目標を達成し続けることができる強い組織

にしていきましょう。

本日は、“先祖”について考えてみたいと思います。

 

今こうして生きていられるのは、その命の元である

先祖代々の方々のおかげであり、そのことに感謝の

気持ちをもつことの大切さは、いまさら言葉にする

必要はないでしょう。

 

その気持ちの表れとして仏壇や神棚に手を合わせる
「親の後姿」はとても大切な教育となります。

 

親が仕事に尽力すればするほど、その後姿は子供の
憧れや尊敬の的になります。

 

オーナー企業の場合、それは親の会社を継ぐことの

意欲にも繋がっていきます。

 

一方で、親が立派過ぎる(と感じる)と、萎縮の心

も生まれるようです。

 

「親のように立派な経営者になれるだろうか」

「自分のような非力な者が本当に跡を継げる

だろうか」

 

と思い悩むのは、実績も経験もない後継者にとって

は当たり前のことかもしれません。

 

現にそのプレッシャーから、心の病となってしまう

後継予定者がいることも事実です。

 

そのときに大切なのは、仏壇や神棚に額ずく親の姿

ではないかと思います。

 

「あんなに優秀な親でさえ、神仏にすがるのだ」

「非力な自分も守られているのだ。」

「だから一生懸命に生きさえすれば、親のよう

 になれるに違いない」

 

と・・・

 

また、親として「私が守る」という意識は必要です

し、自分の存在そのものが心の支えになることは

よいことです。

 

ときに、子に不足する能力や仕事を補ってあげる

ことも必要でしょう。

 

しかし、いずれ直接的な支援はできなくなる。

 

必ずやってくるそのときに、子や後継者に支えに

なるものが何もない、では困りものです。

 

子育て、そして後継者教育において、自分がいなく

ても大丈夫な心の支えをこしらえてあげることが、

最も大切なのだと思います。

 

それが譲る者の神仏への祈りだと思うのです。

 

なかでも、「ご先祖様が守っていてくださる」との

意識は、元来日本人にとって最も心強いもの。

 

そして自分自身がご先祖さまの仲間入りしたその

とき、後継者にとって最高の心の支えになること

は間違いありません。

 

「何があっても父母が見守ってくれている」と。

 

神仏へ額づく親の姿が、子や後継者への最強の

教育となり、心の支えにもなるものだと思います。

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