本日は、“制度”について考えてみたいと思います。
組織運営上、制度つくりは欠かせない取り組みです。
しかしそこには、陥りやすい問題が存在します。
第一に、
現状を前提とした制度つくりは、課題解決を阻害
する要因になりうる
ということです。
もし今が正しい状態であるのであれば、その状態を
制度としてルール化することは、その良さをキープ
し続けるための“歯止め策”として有効に働きます。
しかしそうでないとすれば、制度化は好ましくない
現状の肯定となり、問題を固定化してしまう恐れが
あります。
よって制度つくりをする際には、現状が好ましい
状態にあるかどうかを見極めなければなりません。
そしてそうでなければ、どのような状態を目指すか、
理想の状態とはどのようなものかを明らかにし、
その実現に向けた制度化を検討する必要があるのです。
第二に、
一度制度化したら、元に戻すことは困難である
ということです。
制度つくりは、よりよい状態を目指して検討される
ものであり、制度化によって得られる効果は間違い
なくあるのだと思います。
しかし一方で、
制度化によって、どのような問題が生じる可能性
があるか
も同時に、かつより慎重に検討する必要があります。
社員さんにとって利益に働くことであればなおさら
です。
仮に導入してから問題が明らかになったとしても、
不利益変更はまずできないものだと思っておいた方
がよいでしょう。
よって制度つくりをする際には、制度化のメリット
・デメリット、効果とリスクを徹底的に見極めると
共に、多少融通の利くものにしておいた方が無難だ
と心得ましょう。
そして、制度つくりに際して最も気をつけておかな
ければならないのは、
制度によって社員さんを縛ろう、強制しようと
いった心根であってはならない
ということです。
制度は会社と社員さんの約束であり、共存の証しで
あり、互いによりよい関係を構築するための土壌と
いった考えが根底になければなりません。
制度検討にあたっては、そのような心根で、上記の
点に特に留意をしていただき、素晴らしい制度を
構築していっていただきたいと思います。
