亀井英孝の「千年続く経営」ブログ

名南経営コンサルティング 亀井英孝 公式ブログ

2021年05月

本日は、“営業”について考えてみたいと思います。

先日、「営業実績が上がらない」という会社から
相談を受け、アドバイスをさせていただくことに
なりました。

その会社はパッケージソフトを販売している会社
で、もちろんお客様などからの紹介もありますが、
業者から購入した名簿を元にDMを打つ、または
セミナーを開催するなどして営業リストを作り、
営業パーソンがアプローチをするという営業の
仕方をされていました。

いろいろな視点でヒアリングをさせていただいた
のですが、少々気になるところがあってその営業
リストを拝見させていただきました。

ソフトを販売している会社だけあって、営業管理
の仕組みは、大変素晴らしいものでした。

しかしその使われ方は、あまり望ましいものとは
いえませんでした。

具体的には、
 ・アプローチした履歴が残っていない。
 ・「次回提案」と書かれている先の「次回」の記載
  がない。
といった状況が多々見受けられたのです。

少し厳しい言い方をすれば「食い散らかしている」
といった状態でした。

好景気の時代であれば、このような“狩猟型”とも
いえる営業も一定の成果を挙げることができていた
かもしれません。

しかし現在のような環境下にあっては、
「一度いただいたご縁を丁寧に扱い、育てていく」
といった“農耕型”の営業が大切です。

そこで今回ご相談いただいたその会社には、
 ・出会った縁を大切にする習慣をつける。
  営業管理情報は「育てていく」気持ちで、
  記載情報を充実させていく。
 ・成績が滞ってきたら、新たなリストを求める
  前に、手元のリストを洗い直す。

などとアドバイスをさせていただきました。

営業リストは営業パーソンにとってとても重要な
宝物のような存在です。

その取り扱いをないがしろにするようでは、営業
成績が上がらなくて当たり前と認識すべきでしょう。

その上で、農耕型でお客様を育てていく。

そういう営業が、真に成果をあげることができる
営業といえるのだと思います。

本日は、“標準化”について考えてみたいと思います。

 

標準化を進めようとするときの一番の足かせは、

「できない理由に引っ張られてしまう」ことに

あります。

 

たとえば、「あのお客様は難しい」とか「この業務

は特別だ」といったような発言が際たるものです。

 

結局、そのできない理由によって組織全体の標準

化の取り組み自体が否定されてしまうことが多い

のです。

 

よって標準化を進めようとする場合は、まず理想

の標準形、すなわち「当社にとって最も効果的・

効率的な方法とはどのようなものか」を明らかに

した上で、その実現可能性によって、お客様や業務

内容などをランキングすることをおすすめします。

 

ランキングとは、たとえば、

 

 A:すでに標準に近いやり方になっている。

 B:少し指導・修正は必要だが、標準に移行する

ことが可能である。

 C:将来的には移行したいが、今は大きな制約

条件がある。

 D:標準に移行することが困難である。

 

といった感じです。

 

そして標準化に向けた取り組みは、まずAから進め、

徐々にCへと進めていきます。

 

何より大切なのは「Dは諦める」ことです。

 

やっていただくとお分かりいただけると思いますが、

Dは意識の中では大きな存在ですが、数はそれほど

多いものではありません。

 

D以外を標準化できれば、相当の効果が出ます。

 

またAを確実に標準化させることによって、組織に

標準化に対する自信が生まれ、AからB、そして

Cへとチャレンジングに改革が進んでいくように

なるものなのです。

 

もし標準化がなかなか進まないということであれば、

このような視点で取組みの見直しをしてみていただ

ければと思います。

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