亀井英孝の「千年続く経営」ブログ

名南経営コンサルティング 亀井英孝 公式ブログ

2022年06月

本日は、“評価”について考えてみたいと思います。

 

中堅・中小企業の経営者の方々からよくお聞きする

内容に、「評価制度を導入したけど逆効果だった」と

いうものがあります。

 

その理由はさまざまですが、総じて、大企業が導入

しているようなものは、うまくいってないようです。

 

端的に言えば、抽象的な評価項目を設定し、5段階

程度の評点を付け、その総合点で評価を決めると

いった制度です。

 

残念ながら、そのような仕組みは、社員一人ひとりの

顔が見える中小企業には、不向きです。

 

「評価項目に応じて点数をつけてみたが、合計して

みると納得できない。だから鉛筆なめなめで修正する

が、その時点で説明がつかなくなってしまう」

 

という結果に陥りやすいのです。

 

実は、中堅・中小企業には、最初から「鉛筆なめなめ」

にした方が馴染むものです。

 

実際に、社員一人ひとりの顔が見えていますから、実は

もうどう評価をするかは決めていることが多いものです。

 

だったらその腹づもりを起点としたアプローチの方が

有効です。

 

「なぜその点数なのか」「なぜそう思えるのか」を追求

するのです。

 

そして、その内容から彼、彼女に期待することは何かを

明らかにしてきちんと伝える。

 

そういうスタイルの方が、中堅・中小企業には明らかに

マッチしています。

 

安易に制度に頼ろうとせず、ご自身の曇りなき目で見極め、

彼らの成長を心から願って、明日への期待を込めて、一人

ひとり丁寧に評価する。

 

そういう姿勢が大切なのだと思います。

本日は、“質問”について考えてみたいと思います。

 

人は、問題であるとわかっていて、どうすればよいかも

薄々気付いてはいるものの、行動に移すことができずに

いる、ということが往々にしてあるものです。

 

私は、そういう状況にある方とお話しする際には、ある

質問法を頭に浮かべながらお話をするようにしています。

 

それは『SPIN話法』というものです。

 

具体的には、次のような質問ステップを踏んでいきます。

 

○状況質問(Situation question

・まずは近況などをお聴きする。

○問題質問(Problem question

・近況の中から、現在どのような問題を抱えているのか

仮説を立て、その仮説を立証するための質問をする。

○示唆質問(Implication question

・特定された問題が引き起こす影響について質問する。

その問題を放置することで、どれだけの影響を及ぼすか

に気付いてもらう。

○解決質問(Need-payoff question

・どうすればその問題が解決できるかを質問する。

答えは既に相手の頭の中にあるもの。

それを引き出し、解決に向けての動機づけをする。

 

特に大事なのが、3つ目の『示唆質問』です。

 

結局、「気付いているのに、何も行動を起こさない」のは、

その問題を放置することの影響にまで想像が至っていない、

ないしは想像することから逃げている状態であることが

多いものなのです。

 

一方で、「問題だ」「何とかしなくてはいけない」と口に

されるものの、『示唆質問』に対して、それほどの危機感が

伝わってこない場合もあります。

 

その場合私は、話をすることを断念します。

 

詰まるところ、本人に解決する意思がないからです。

 

これはお互いにとって、時間の無駄と言えるでしょう。

 

逆に、問題放置の影響を明確にイメージできた瞬間、

物事が動き出すということは多いものです。

 

皆さんの周りで、問題解決に向けてくすぶっておられる

ような方がいらっしゃったら、ぜひ『SPIN話法』を

頭に思い浮かべながらお話ししてみてください。

 

もしかすると長いトンネルを抜けるきっかけになるかも

しれません。

 

ご自身の問題も含めて・・・

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