亀井英孝の「千年続く経営」ブログ

名南経営コンサルティング 亀井英孝 公式ブログ

2023年02月

本日は、“変革”について考えてみたいと思います。

 

企業には、おおむね次のようなステージがあると

思います。

 

〇創業期(~ 5年):とにかく生き残る!

〇成長期(~10年):専業でトコトン儲け、

次の事業展開資金を蓄積する

〇発展期(~20年):第2・第3の柱を創る

〇成熟期(~30年):後回しにされた課題を整理し、

安定を求める

〇第2創業期(~50年):事業領域の抜本的見直し

を図る

 

これは、「企業50年の軌跡」といってもいいでしょう。

 

企業が生き残るのは、5年で10%と言われます。

それだけ創業期を耐え忍ぶことは難しいことです。

 

新しい事業を始める際にも同様ですが、3年で単年度

黒字、5年で累積損失解消を実現することが、ひとつの

目安になります。

 

幸いにして生き残ることができれば、企業は成長期に

入ります。

 

ただこの時期に、複数の事業に取り組むのは得策では

ありません。

 

経営資源の最も乏しい中で、手を広げ過ぎれば力の

分散となり、非効率な経営を余儀なくされることに

なります。

 

ここはじっと我慢して、次の展開に十分な資金が投入

できるようになるまで、専業特化することが大切です。

 

そうすれば、充実した発展期を迎えることができる

でしょう。

 

成熟期には、成長・発展のアクセルを少し緩めてでも、

積み残された課題を解決し、安定かつ充実した会社

つくりに励むことになります。

 

この取り組みがないまま走り続ければ、それは成長

ではなく膨張といえるものになってしまう可能性が

あります。

 

さて、この成熟期を無事に過ごされた後が大切です。

 

多くの企業で見受けられる悪しき状態は、安定の安堵

の中で、変革の意思と意欲を失ってしまうことです。

 

このころになると、若くして創業された方であっても、

還暦が近くなってきています。特に、会社経営に専念

するあまり、後継者選定や育成を疎かにされてきた

経営者ほど、陥り易い過ちです。

 

そうなれば、本来「第2の創業」をしなければならない

にもかかわらず、「現状維持」に埋没し、いつの間にか

衰退企業の仲間入りをしてしまうことになります。

 

そんな魅力のない企業の後継者になりたいと思う人は

少ないでしょうし、「後継者がいないからM&Aでも」

と思っても、買い手がつくのは難しいでしょう。

 

そうならないためにも、“安定”の次には必ず“変革”が

必要なのです。その時期に後継者が頭角を現してくる

年齢になるのも、必然です。

 

いずれにしろ経営は、“安定”と“変革”を振り子のよう

に繰り返しながら成長・発展していくものです。

 

これを機に、今何に注力すべきか、振り返りをされ

ては如何でしょうか。

本日は、“覚悟”について考えてみたいと思います。

 

以前、20代後半で、原因不明の半身不随になった

方のお話をお聴きしたことがあります。

 

その内容は、次のようなものでした。

 

「ないものを探そうとするから暗くなる、悲しく

なる、死にたくなる」

 

「でも、私は話ができない訳ではない。耳が聞こえ

ない訳ではない。目が見えない訳でもない。手が

動かせない訳でもない。ましてや、考えることが

できない訳でもない」

 

「できることを探せば、こんなにたくさんある。

ああ、なんてありがたいのだろう」

 

「そのことに気付いたら、病気は自然に快方に向かい

ました。病を作っていたのは私の心でした」

 

「拾った命を世の中のために捧げたい」

 

そう語る言葉の奥に秘められた覚悟に、私自身「まだまだ

頑張らなくてはいけない」という勇気と励ましをいただき

ました。

 

そして、私の人生において、何らかの苦難に遭遇した時の

叱咤激励の言葉となりました。

 

誰しも足りないものは五万とあります。

 

しかし、あるものに着目し、それが人世のためになることを

見出して、生きていく。

 

その覚悟をもって過ごしていくことが、何より大切なのだと

思います。

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