亀井英孝の「千年続く経営」ブログ

名南経営コンサルティング 亀井英孝 公式ブログ

2023年12月

本日は、“仕事”について考えてみたいと思います。

 

少し前の話ですが、

 「おかげさまでいい仕事との出会いがありました!」

 と、喜びの声をいただきました。

 

コロナ禍前に

 「売上の20%強を占めていたお客様を失ってしまった」

 と嘆いておられたO社長からでした。

 

そのときお話しをお伺いした際に私は、

単に大口顧客を失っただけではなく、

ビジネスモデルそのものが老朽化していると感じ、

そのことをお伝えしていました。

 

「そうですよね」と言われてはいましたが、

残念ながら、私の思いは届いていなかったようです。

 

その後、

 「その後、5%ほど挽回したんですが、
 コロナで蒸発してしまいました」

 とのこと。

 

その消えた上澄みは、残念ながらそのビジネスの

延長線上にあるものでした。

 

コロナのタイミングで失うことになったのですが、

早晩なくなっていたのだと思います。

 

私は改めてモデルチェンジの必要性をお伝えした上で、

次のことを質問してみました。

 

 「社長が本当にお付き合いしたいと感じるのは、

どんなお客様ですか?」

 「そのお客様が、今一番困っていらっしゃることは

何ですか?」

 「それに対して、社長の会社で何かできることは

ありませんか?」

 

そして、その答えが今回の喜びの声の内容でした。

 

「まさに灯台下暗しでした」というその内容は、

蒸発してしまった雪の下にひっそりと隠れていた

可憐な花のようなもので、

新たにできたものではなく、

元々あったのに目の前の仕事に追われて気付かずに

いたことだったそうです。

 

詳しくはお伝えできませんが、

「起こってから対処する」のが当たり前の業界において、

「起こる前に対処する」方法を思い付き、

お客様の多大な損失を回避させることができるように

されたのだとか。

 

「損害額の10%くらい払っても全然惜しくない」

 

と、価格競争に明け暮れていた既存事業とは打って変わって、

多額の報酬を喜んで支払ってくれたのだそうです。

 

さらにそのマーケットは、

「東海地区だけで1,000社はある」というのですから、

まさに「金脈を掘り当てた感じ」と喜びを隠すことができないようでした。

 

こんなにうまくいく話はそうそうあるものではないでしょうが、

なくなってしまったものを追い掛けるのではなく、

その下に眠る伸びる芽に目を向けることは、

とても大切なことだと思います。

 

みなさんもこれを機に、

先の3つの問いを繰り返し、

足元に眠る雪下の花探しをしてみてはいかがでしょうか。

本日は、“会議”について考えてみたいと思います。

 

活気のある会議というものには、いくつかの共通点が

あると思います。

 

第一に、

「現地・現場で起こっていることに基づいている」

ことです。

 

まずは現状認識を徹底的に共有することが大切なの

です。

 

机上の空論では議論を深めることはできませんし、

現状に対して共通の認識を得ることは難しいもの

です。

 

実際に起こっていることを知り合うことによって、

議論の土台というものができるのです。

 

第二に、

「人の意見を否定しない」

ことです。

 

もちろん、理解できないことや受け入れ難い意見も

出されることがあります。

 

その際、「お前は間違っている」というスタンスで

対応すれば、議論が深まらないどころか、互いに

禍根を残す結果にもなりかねません。

 

「間違っている」のではなく、「ただ違っている」だけ

と捉え、なぜその違いが出てくるのかを掘り下げていく

ことが大切です。

 

そこに、それまで自分が気付いていなかった視点を

得ることもできるかもしれません。

 

そして最後に、

「人の意見に便乗する」

ことです。

 

「それだったらこんなこともできる」 

「じゃあ、こんなこともいいんじゃない?」

などと、どんどん膨らませていくことによって、

新たな気づきやアイディアを得ることができるもの

です。

 

最終的には収斂させていくとしても、まずは一つの

テーマに対して

「これ以上出てこない!」

というところまで広げていくことが大切です。

 

いずれにしろ、現場主義・現物主義で、かつ人の意見を

尊重しつつ、議論そのものを楽しみながら行うことが

大切なのだと思います。

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