亀井英孝の「千年続く経営」ブログ

名南経営コンサルティング 亀井英孝 公式ブログ

2024年11月

本日は、“伝統”について考えてみたいと思います。

 

以前、岐阜県関市の「御刀鍛冶工 二十五代 藤原兼房」

こと加藤賀津雄氏に話をお伺いする機会がありました。

 

関市では鎌倉末期から刀作りが始まり、多くの刀鍛冶が

いらっしゃったのですが、先の敗戦で刀づくりが禁止され、

転廃業を余儀なくされたとのこと。

 

室町時代に興った藤原家でも、南方戦線から帰還された

お父様が兄弟5人で包丁やナイフを製作する会社を

立ち上げられ、生計を立てられるようになったのだそう

です。

 

しかし、日本の刀は「折り返し鍛錬」という世界に類を

見ない製法で作られたもの。その技術を残すために、

お爺様である二十三代を中心に国やアメリカに対して

陳情を繰り返され、昭和27年にやっと製作が認められる

ようになったとのだとか。

 

但し、誰でも作ってよいというものではありませんでした。

5年間刀鍛冶の下で修業した後、文化庁の試験に合格した

者だけしか刀鍛冶として認められなくなったのだそうです。

 

更には製作本数が制限され、戦前は1日に10振りほど

作っていたものが、長いもので15日に1振り、短いもので

11振りしか作れなくなってしまったとのこと。

 

そのこともあってか、たとえ試験に合格したとしても、10人に

34人しか食っていけない厳しい世界なのだそうです。

 

そんな中で、当家では42歳のご子息が既に二十六代を

継がれています。

 

そこまで続けられる理由をお尋ねしたところ、一言

 

「残していかなあかんという気持ちだけ」

 

と仰います。“伝統”を守っていく重さを感じました。

 

一方で、「お孫さんに継いで欲しいか」とお尋ねすると、

「とても厳しい仕事。気軽に継いで欲しいと言えるもの

じゃない。ただ、自分たちの姿を見て、継ぎたいと思って

くれれば嬉しい」と。

 

この言葉に、事業承継の本質を感じました。

 

「継ぎたいと思える会社にする」

「継ぎたいと思ってもらえる経営者になる」

 

改めてその意義を、600年以上の重みをもって感じることが

できました。みなさんもご一緒に噛み締めてみてください。

本日は、“健康”について考えてみたいと思います。

 

みなさんは『健康経営』という用語をお聴きに

なったことはありますか。

 

「特定非営利活動法人 健康経営研究会」の

ホームページ(http://kenkokeiei.jp/whats)によれば、

 

「企業が従業員の健康に配慮することによって、

経営面においても 大きな成果が期待できるとの

基盤に立って、健康管理を経営的視点から考え、

戦略的に実践することを意味しています。

従業員の健康管理・健康づくりの推進は、

単に医療費という経費の節減のみならず、

生産性の向上、従業員の創造性の向上、

企業イメージの向上等の効果が得られ、かつ、

企業におけるリスクマネジメントとしても重要です。」

 

と解説されています。さらには

 

「従業員の健康管理者は経営者であり、その指導力の下、

健康管理を組織戦略に則って展開することが、

これからの企業経営にとってますます重要になって

いくものと考えられます」

 

と記載されています。

 

このことばを借りるまでもなく、社員の健康の責任者は

私たち経営者であるとの認識が大切であり、

その重要性はますます増してきているのだと思います。

 

みなさんもこれを機に、社内労働環境の総チェックと、

『健康経営』の実践を検討されては如何でしょうか?

 



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