私どもでは毎月、多くの研修を開催させていただい
ています。私も講師をさせていただいたり、私自身の
学びの場とすることがありますが、ご受講いただく
方々の姿勢の違いから、どんなによい講座であって
も、学ぶ姿勢ができていなければ価値がない、と
感じることがあります。

もちろん、どんな方がいらっしゃっても満足して帰って
いただくための努力を惜しむつもりはありませんし、
常によりよい講座にしていこうと精進しているのです
が、残念ながら、力不足を感じざるを得ない場合が
あるのです。

私は『教育』について、常々次のようなお話をします。

教育の“教”は「押得る(おしえる)」、すなわち「押して
(強制的に)得させる(習得させる)」であり、“育”は
「素立てる(そだてる)」すなわち「素(元々持っている
もの、素材)を立てる(活かす、引き出す)」こと。

要するに、教育には「押得る」ことと「素立てる」ことの
二側面があり、これをケースバイケースで使い分け
なければならない、ということです。

また教育には、しつけ教育・知識教育・技能教育・
動機づけの4種類あります。多くの企業で入社後、
すぐに知識や技能に関わる教育をされているよう
ですが、その効果は疑問です。

まず、働く姿勢をきちんと身に付けさせ、働く意義と
価値をしっかりと植えつけることを先行しなければ
ならないのです。即ち、しつけ教育と動機づけこそ
先に行われなければなりません。この2つがまさに
「押得る」対象です。

そしてこの姿勢と考えがきちんと浸透すれば、教え
なくても知識や技能を身に付けようとし始めます。
即ち勝手に「素立つ」ものなのです。

よって、研修に参加させる場合は、ただ「こういう研修
があるから行って来い」ではなく、
 ・なぜその研修を受けなければならないのか
 ・その研修を受けることでどのようなものを身に
   付けることができるのか
 ・自分にとってどのような価値があるのか
などを伝え、理解・納得してもらった上で参加させなけ
ればなりません。結果として、研修受講成果はより
大きなものになります。

研修に関わらず、日頃の教育においても、「押得る」と
「素立てる」の視点をお持ちいただき、使い分けて
いただくとよいと思います。