本日は、“技術”について考えてみたいと思います。
常に新たな技術を追求していくことは、すべての会社
に共通する重要な経営課題です。しかし、ともすると
その新技術を見出すためのアプローチが不明確で、
雲をつかむような話になってしまうことが多いものです。
そこでまず、今の機械・設備で何ができるかを徹底的に
棚卸します。ただその「できること」は、購入した会社
すべてに共通するものですから、その機械・設備を使う
ことによってもたらされている自社固有の技術とはどの
ようなものかを明らかにすることが肝要です。
その上で、その機械・設備と技術を使って産み出される
製品の特長を洗い出すしていきます。これらの視点から
分析することにより、
□今ある機械・設備でできる新しい技術
□今ある技術でできる新しい製品
□今の技術を活かせる新しい機械・設備
□今ある製品をより良くしていくための新しい機械・
設備や技術
を明らかにしていくことができるのです。無手勝流で
新技術を求めても、簡単に手に入るものではありません。
まずは身近なところからきちんとアプローチすることが
大切なのです。
また、新しい技術を求める以前に、もっと大切なことが
あります。それはどんな時代になったとしても生き残る
“技(わざ)”と“術(すべ)”を身に付けつけること
です。
「父は、例えば今日100万円足りないという状況で、
ちゃんと稼いでくることができる。私にはできない。」
以前、ある後継者から聴いたお話ですが、“わざ”と
“すべ”を端的に表すもののように思います。それは
失敗したら死をも覚悟しなければならない立場の者と、
そうでない者の差、と言えるのかもしれません。
新技術を考える以前に、まずは食っていくために最低限
必要なこと、残すべきことを明らかにする。その上に、
伸びるわざ、生きるすべを積む。そういうプロセスが
ないと、新技術の検討は、単なる空想で終わってしまう
ように思います。
新技術を追求することは、会社にとって欠かせない、
とても重要なことです。是非このような観点に留意して
検討していただければと思います。
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