本日は、“連携”について考えてみたいと思います。

 

愛知県の特産品の一つに、「有松絞」があります。

 

有松はその昔、石ころだらけで農耕に向かなかった

貧困な土地で、そんな環境の中から生まれたのが

“絞り”産業なのだとか。

 

かなりの儲けが出たそうですが、誰もそれを独り

占めすることなく、皆が町のために私財を投じた

ことで、小京都ともいわれる町並みと豊かな文化

などが育まれたのだそうです。

 

そんな有松には、「五番蔵小路」という道があります。

 

しかし、通常はどの絞り商家も蔵は4つしかないとの

こと。あるはずのない五番蔵に通じる道というのは、

おかしな話です。

 

その理由は・・・

 

お客様がせっかくご来店いただいたにも関わらず、

お店に好みのものがなかった場合に、「五番蔵行って

探してきておくれ」となるそうです。

 

そして五番蔵小路を通って向かうのは、隣の商家の

裏口、すなわち五番目の蔵とは、ライバル店の蔵と

いうことです。

 

こうして有松では、お互いに助け合いながら、共存

共栄を図ってきたということです。

 

このような関係は、今のようにマーケットが縮小して

いく時代においては学び多きことであり、これからの

時代、他社との連携を深めていくことは、とても大切

な戦略の一つだと思います。

 

この国に元々あったこのような文化を、これからの

時代に改めて見直される必要があるのではないかと

感じます。

 

皆さんの会社でも、五番蔵のありかを探してみては

いかがでしょうか?