本日は、“議論”について考えてみたいと思います。
議論を進める中で、ときに進行が滞ってしまうことが
あります。
その理由はさまざまですが、今回は特徴的な2つの
原因とその対応策についてお伝えしたいと思います。
第一に、お互いの持論に固執してしまう場合です。
人は同じ物事に触れても、その感じ方や、そこから
導かれる考え方は異なるものです。
それはどちらかが間違っているのではなく、
あくまでも捉え方の違いから来るものであり、
いずれの視点も正しいことが多いものです。
ところが、持論に固執し、相手の意見を否定することに
終始してしまうと、停滞が発生します。
しかし本来は、互いの見方・捉え方の違いを知り、
その根拠を冷静に見極め、その正しさが証明されれば、
それを素直に受け容れ、互いの見識を組み合わせて、
新たな正しい見方・捉え方を構築していく、
そういう姿勢が大切です。
そして、そのような議論から、新たな事業発展の道が
拓けてくるものなのです。
逆に、
「異見が出ないような議論からは何も生まれない」
との認識が必要です。
かのP・F・ドラッカーは
「全会一致の時は意思決定するな」
と言っています。
それほどに“異見”が大切なものだということです。
特に人の上に立つ者は、
「人は、聴く耳をもたない人の前では無口になる」
という認識が必要です。
“異見”が出ないどころか、“意見”さえ出ないようであれば、
余程自分の日頃の姿勢を疑う必要があるのです。
第二に、現状に縛られ過ぎてしまう場合です。
「人がいません」
「時間がありません」
「ノウハウがありません」
などなど、私たちの周りには“できない理由”が
てんこ盛りです。
そのようなできない理由を前提に考えてしまったら、
何もできなくなってしまいます。
しかしよくよく考えれば、人がいなければ採用すればいい、
時間がなければ作ればいい、ノウハウがなければ教えて
もらえればいいのです。
“できない理由”に縛られることなく、あるべき姿から
何をすべきかを考える、そういう姿勢が必要なのです。
みなさんも、このような観点に立って、より充実した
議論を現実のものにしていただきたいと思います。
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