レノボ・ジャパンは11月13日、Windows 10を備えた19.5インチワイドのオールインワンデスクトップPC「Lenovo C20」を発売した。価格はオープンで、レノボ・ジャパンのウェブサイトでの税込価格は9万4824円。

 ブラウジングから映画鑑賞まで、さまざまなコンテンツをストレスなく楽しめるディスプレイ一体型モデル。CPUにインテルCeleron N3050を採用し、19.5インチワイド非光沢液晶ディスプレイ(解像度1920×1080)、4GBのメモリ、500GBのHDD、DVDスーパーマルチドライブ、Microsoft Office Home & Business Premium プラス Office 365 サービスを搭載する。

 インターフェイスは、USB3.0×2、USB2.0×2、HDMI出力×1、6in1メディアカードリーダー、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T準拠の有線LANポートなどを備えている。対応無線通信は、IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LANと、Bluetooth 4.0。OSはWindows 10 Home 64ビット。

 Windows 10の無償提供が、2015年7月29日からスタートして、既に3カ月が経過した。10月からは、PCメーカー各社からWindows 10搭載PCが相次ぎ登場。日本マイクロソフトの平野拓也社長は、7月29日からの無償提供期間をWindows 10の第1章と位置付ける一方で、10月からのWindows 10搭載PCの投入フェーズを第2章と定義。「日本市場においては、260機種のWindows搭載デバイスが発売される。機種数が最も多いのが日本市場。世界最強のラインアップが実現される市場になる」と、日本市場での盛り上がりを期待する。
 だが、10月のWindows 10搭載PCの市場構成比は、BCNの調べによると、わずか8.6%。これを多いと取るか、少ないと取るかは判断が分かれるものになりそうだ。

■ 過去最速の勢いで広がるWindows 10
 Windows 10は、7月29日から、Windows 7および8.1のユーザーを対象に、無償でアップグレードの提供を開始。マイクロソフトの発表によると、9月末までの2カ月間で、全世界において、1億1,000万台のデバイスでWindows 10が利用されているという。
 Windows事業を統括するMicrosoft オペレーティング システム エグゼクティブ バイスプレジデント テリー・マイヤーソン氏は、「過去のWindowsに比べて、最も速いスピードで広がっている」と胸を張る。
 Microsoft OEM部門コーポレート バイス プレジデントのニック・パーカー氏も、それを補足するように、いくつもの数字を羅列してみせる。
「192カ国で、9万機種以上のPCとタブレットにWindows 10がアップグレードされており、最も古いPCは2007年の製品。既に、12億5,000万以上の人がWindowsストアを訪問し、Windows 10の提供が開始されて以降、ダウンロードごとの開発者の収益は4倍になった。Windows 8と比べて、デバイスあたりのアプリダウンロード数が6倍以上になっている」などとする。
 中でも同社が強調するのが、企業においても、既に800万台でWindows 10が利用されているという点だ。もともと、検証などに最低でも半年間から1年間をかけてから導入に踏み出す企業が多いなか、これまでに例を見ない速さで企業に浸透しているという。
 日本においても、セブン&アイ・ホールディングスが、Windows 10を搭載した「Surface 3」を、役員およびシステム企画部を対象に200台導入。大和ハウス工業、ベネッセホールディングスが、Windows 10の導入を表明している。
 日本における実績については、日本マイクロソフト自身が具体的な数値を公表していないため、どの程度のWindows 10が普及しているのかは分からないが、平野社長は、「第1章の出足という点では、日本においても、社内指標はクリアしている」と語る。そして、「第2章においても、PC需要を喚起するものと期待している」と語る。

■ 日本独自の発表スタイルでWindows 10搭載PCを発表
 第2章への取り組みは世界的な仕掛けの中で行なわれている。
 Microsoftは、10月6日に、自社ブランドの「Surface Pro 4」と「Surface Book」を発表したのに続き、社内で「パートナーツアー」と呼ぶ新製品発表会見を主要デバイスメーカーと連携する形で相次ぎ開催。10月7日にバルセロナで米HPが新製品を発表したのを皮切りに、8日にはDellがニューヨークで、9日にはASUSがサンフランシスコで、12日にはAcerが台北で、13日には東芝が東京で、14日にはLG電子がソウルで、15日にはLenovoがサンフランシスコでそれぞれ会見を開き、全ての会見に、Microsoft本社から、テリー・マイヤーソン氏をはじめとする同社幹部が直接会場に駆けつけて、会見を盛り上げてみせた。
 マイヤーソンエグゼクティブ バイスプレジデントは、「それぞれのデバイスパートナーが、ユニークなスキルやアイデアを、新たなデバイスの中に表現している」と、デバイスメーカー各社から登場したWindows 10搭載PCに強い自信を見せた。
 日本においては、こうした動きとは別に、独自の発表手法をとってみせた。これは世界的に見ても日本だけの取り組みだという。
 東芝が東京でdynaPadなどの新製品を発表した翌日となる、10月14日には、日本マイクロソフトが、国内で展開する15社のデバイスベンダーとともにWindows 10搭載デバイスの会見を行なったのに続き、10月22日には、Surface BookおよびSurface Pro 4による自社ブランド製品を、国内で正式発表した。
 グローバルでは、Microsoftブランドの製品を発表してから、デバイスメーカーの製品を発表するという順番であったが、日本では、デバイスメーカーの製品を発表してから、自社ブランドの製品を発表するという逆の手法を採用。しかも、15社がひな壇に並ぶという会見は、ほかの国ではどこもできないスタイル。数多くのデバイスメーカーが存在し、パートナービジネスが軸となる、日本ならではの市場性を配慮した仕掛けだったと言えよう。

■ 出足は遅れているのか?
 では、実際にWindows 10搭載デバイスが発売となった第2章の出足となる10月の動きはどうだったのだろうか。
 全国の主要量販店のデータを集計しているBCNによると、Windows 10搭載PCの販売構成比は8.6%。これに対して、Windows 8.1搭載PCの構成比は77.3%と、依然としてWindows 8.1搭載PCが主力になっていることが分かった。
 既に、8月時点から、マウスコンピュータが、スティックPC「MS-NH1」で、Windows 10搭載デバイスを発売。9月も、NECや東芝、日本エイサー、ASUSがWindows 10搭載PCを発売していた実績があったことから、Windows 10の投入から3カ月目という点で見れば、出足は極めて遅れていると言わざるを得ない。
 過去の発売3カ月目の最新Windows搭載PCの構成比は、Windows 7では51.9%と過半数を突破。Windows 8では47.4%、Windows 8.1では39.3%となっているからだ。
 もちろん、この背景には、Windows 7および8.1のユーザーに対して、Windows 10を無償で提供するという新たな施策の存在が見逃せない。最新OSを既存ユーザーに対して、無償で提供するというのは、これまでにない取り組みであり、それが新たなPCへの買い替えにマイナスになったと見ることもできそうだ。
 だが、その一方でこんな見方もできるだろう。
 実際にWindows 10搭載PCが出揃ってきたのが、10月に入ってからのこと。日本マイクロソフトで、デバイスメーカーによるWindows 10搭載PCを軸とする第2章のスタートを、10月としており、仮にこれを1カ月目として捉えた場合、過去のWindowsの1カ月目よりも圧倒的に高いシェアを記録しているとも言えるからだ。
 しかも、10月という時期は、過去のWindowsに比べて、1、2カ月早いタイミングではあり、年末商戦が本格化する前の状況。これから商戦が本格化するに従い、Windows 10を搭載したPCの売れ行きが加速する可能性がある。
 Windows 10では、「発売」に先立ち、無償による「提供開始」という2カ月間の助走期間があった。それだけに、これまでの立ち上がりと直接比較しにくいという状況にもある。10月を1カ月目と捉えるか、3カ月目として捉えるかで、その評価を大きく変わってくるだろう。
 その点では、11月、12月と、年末商戦が本格化するのに従って、どんな勢いでWindows 10搭載PCの構成比が上昇してくるのかといった観点で、勢いを推し量るのがいいのかもしれない。つまり、本番はこれからだということだ。
 ちなみに、10月におけるWindows 10搭載PCの売れ筋ベスト10は下表の通り。上位は、東芝とNECが独占する結果となった。

■ Windows 10は年末商戦を盛り上げることができるのか?
 Windows 10の評価を見る上で、もう1つの指標が、市場全体を押し上げることができたのかどうかという点だ。
 10月のPCの販売台数は、前年同月比13.5%減。2014年5月から続いている前年割れは18カ月連続となリ、マイナス成長からは抜け出せてはいない。市場活性化という意味での効果はまだ見られていない状況だ。だが、金額ベースで見ると、前年同月比5.7%減と、1桁台のマイナスに回復。Windows 10搭載PCの発売により、平均単価が上昇するという動きが出てきている。
 平野社長は、「Windows 10の新機能を試してみたいという声が多く、それに対応した新製品が登場することで、年末のPC市場は活性化するだろう。Windows 10の新たな体験ができるという観点から、ユーザーの関心が高まり、需要を喚起するのではないか」と語る。
 Windows 10の新機能である「Windows Hello」は、顔や眼球の虹彩を認識してサインインできる生体認証機能であり、それに対応したカメラが必要だ。10月から発売された新製品では、Windows Helloに対応した製品が相次いでいる。
 「既存デバイスでは、Windows 10の新機能を体験してもらえない場合が多かった。だが、新たに発売されるデバイスは、新機能に対応した製品ばかりとなる。いよいよWindows 10の機能を体験してもらえる」と平野社長は期待を寄せる。
 だが、2014年4月のWindows XPのサポート終了に伴う駆け込み需要が発生し、空前の出荷台数を記録した後の反動が続いているのは確かだ。そのため、買い替えサイクルはしばらく先であり、この年末商戦は、PCへの買い替え需要が限定的というのも実態だ。
 厳しい市場環境が予測される年末商戦において、商戦が本格化するのに伴い、果たして、Windows 10は、PC市場全体を盛り上げることができるのか。逆風の中で、その動きが注目される。

 日本マイクロソフトは10月22日、都内で開催したSurface新製品発表会にて「Surface Pro 4」および「Surface Book」の国内展開について発表した。

 Surface Pro 4はCore m3モデルおよびCore i5モデルが11月12日、Core i7モデルが12月発売予定で、全国の家電量販店およびMicrosoft Storeで10月23日0時に予約を開始する。

 国内モデルのスペックや主な仕様は、発表済みの米国モデル同等だが、日本市場向けには1Tバイトのクラウドストレージ「OneDrive」が利用できるサービスなどを備えたOffice(Office Home and Business Premium プラス Office 365 サービス)を搭載して提供する。法人向けはOfficeなしで、別途ボリュームライセンスの購入となる。

 同社の平野拓也氏は発表会で「Surfaceは(2in1のような)新しいカテゴリのPCを作る、(市場を)切り開く、活性化させる製品だ」とコメント。質疑応答で挙がったLTEモデルの投入については、「LTEはよいオプションである」としながらも「現時点では考えていない」という。

●Surface Bookの発売は2016年初頭へ

 「Surface Book」については、2016年初頭に発売を予定する。詳細については後日発表となるが、同日発売ではない理由として平野氏は、「Surface Bookは米国でも限定的な展開となっている。需要を考えて、供給体制が十分に整ってから順次提供する」と説明した。

 製品について米Microsoftのブライアン・ホール氏は「これまで24年間の情熱と知識を全て(Surface Bookに)入れ込んだ。ペンの書き味とキーボードのキータッチに何も妥協はしていない。指がキーボードについた瞬間の感触が素晴らしい」と自信を見せた。

●Surface Pro 4の製品ラインアップ

 今回の発表会では、日本における発売日や価格が注目されていた。発表されたSurface Pro 4はCore m3、4Gバイトメモリ、128GバイトSSDの最小構成で12万4800円から、アクセサリのタイプカバーは1万6400円(税別の参考価格)」となる(Surfaceペンは製品に付属する)。Surface Pro 3のCore i3モデルが発売した2014年8月当時で、最小構成となるCore i3、4Gバイトメモリ、128Gバイトが9万1800円だったことを考えると、円安ということもあるが割高感が否めないのが正直なところだ。

 なお、Surface Pro 4 タイプ カバー(シアン)と、シルバーを除くSurface ペンについては12月発売を予定する。

●写真でSurface Pro 4をチェックする

 Surface Pro 4は、前モデルとなる「Surface Pro 3」のデザインとフットプリントを継承しながら、ベゼルを狭めることで画面サイズが12型から12.3型に大型化し、画面解像度も2160×1440ピクセル(約216ppi)から2763×1824ピクセル(267ppi)に向上した。さらに0.7ミリの薄型化と約12グラム(Core Mモデルは約32グラム)の軽量化が施された。

●アイソレーションデザインになった「Surface Pro 4 タイプカバー」

 キーボードカバーもSurface Pro 4に合わせて刷新された。キーが独立しているアイソレーションデザインとなり、タッチパッドも大型化している。カラーバリエーションは新色のティールグリーンを加えた計5色(ブラック、ブルー、シアン、レッド、ティールグリーン)となる。

 米国で発表された、指紋センサーをタッチパッドの右側に配置する「Surface Pro 4 Type Cover with Fingerprint ID」は、今回ラインアップに含まれていない。

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