教師による演示実験は、実験そのものが正確で、きちんとした結果を子どもたちに示す時には大変効果的です。ですから、検証実験には最適な方法です。

一方、班実験または一人一実験は子どもたち自身が実験を行うため意欲と主体性を持たせるためには効果的な方法です。しかし、子ども自身が実験を行うため誤差が生じやすくなります。

このような時には、次のような手順で授業を進めると、子どもたち自身が実験の主体者でありながら導き出した結果を基に確かな結果を導きだすことができます。


3年生「風とゴムの力」の授業を例にとって考えてみます。授業は
「ウインドカーに当てる風の力を強くすると動く長さはどうなるか」の場面。実験では、送風機による風の強さが、弱と強の2段階のため風の力が弱と強の時で動いた距離を測り、比較します。班で距離を測る子、送風機のスイッチを入れる子を役割分担して行いますが、自分のウインドカーを使うため、一人一実験的な面もあります。

ここでの留意点は2つです。


①実験は一人3回行い、真ん中の距離を結果とする。


②各自、結果を黒板に記入し、一覧にする。

黒板に一覧になった結果を示しながら教師は「この表の結果から風の強さと動いた距離について共通していることはありませんか」と問いかけます。すると、子どもたちは「共通していることは風の強さが強になると大体〇m動いた。」と答えるでしょう。この時「この表から何か気がついたことはありませんか?」というような問いかけでは子どもたちは違いなのか共通点なのかはっきりせず混乱してしまいます。

そこで、結果の一覧、つまり「横(友達同士)の結果の比較」言い換えれば「結果の共通点に着目させること」により「全体的な傾向」に着目することができるのです。そして「風の力を弱から強にすると距離は〇mくらいになった」という全体の結果を導きだすことができるのです。
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参考:「小学校理科 問題解決8つのステップ」 村山哲哉著 東洋館出版