August 03, 2006

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February 03, 2006

CFO

▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▼
     CFOが企業価値を高める実践的方法とは?


                    ----- 2005.8.14 号外---
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 今日は、大切なことを伝えたくて、お手紙を書きました。

 単刀直入に言います。
 あなたは、「かっこ悪いけど、実効性のある中期経営計画」に
 興味がありませんか?

 なぜ、こんなことを言い出したかというと、
 今回一部上場企業TACさんと共同で、独立行政法人
 雇用・能力開発機構が運営する。生涯職業能力開発促進センター
 (愛称:アビリティガーデン、東京:錦糸町)にて、
 「事業計画助言支援コース」を開催するからです。

 このメルマガをお読み頂いているあなたは、
 もしかして私の経歴について、ご存じかもしれません。

 私は、前職は、マイカルのとある子会社に勤務していました。
 その子会社は、マイカルの会社更生法のあおりを受けて、一緒に
 倒産するところでした。

 しかし、倒産しませんでした。

 なぜか?

 いろいろな要因があります。

 ・親会社に、資金保証を受けていなかったこと。
 ・上場していたこと
 ・食品で、地場企業から仕入れを多くしていたこと。
 ・優秀な社員がいたこと
 ・お客様に支持されていたこと


 しかし、
 ほんとうにそれだけ?



 それだけで、親会社が倒産したのに、子会社が生き残れる?本当に?




 そんなわけはありません。
 たとえ、マイカルが倒産していなくても、企業としての
 弱点はありました。

 それに加え、親会社が“瞬間蒸発”したわけですから、
 やっていけるわけ訳がありません。

 そこで、連鎖倒産を回避するために武器になったのが、冒頭に上げた
 「かっこ悪いけど、実効性のある中期経営計画」なのです。


 一般的に中期経営計画など、経営計画とつくものは、
 きれいな数値、プレゼンテーションで非常にかっこいいものです。

 ですが、逆に、経営計画は「使えない」ものだという批判も
 受けています。


 かっこいい経営計画は、資金調達などプレゼンのためのもの

 かっこ悪い経営計画は、








「組織を動かすため」のものです。







 もう一度いいます。
 かっこ悪い経営計画は、


 「組織を動かすため」


 作られるのです。


 私が、今回、このような事業計画助言支援コースでお伝えしたいことは

「かっこ悪いけど、どろどろしているけど、実際に組織をぶんまわして、
 会社を生き残らせる経営計画の作り方」です。


 どろどろしている、というのはおだやかではありませんね。
 しかし、経営計画をまじめに遂行しようとすると、
 組織に軋轢が生じます。

 必ず、です。

 経営計画を実行するには、人との対決が避けられません。
 特に、変化に対応できない人との対決は、100%あります。

 事実、私は、恥ずかしいことながら、当時行っていた
 組織プロジェクトを遂行するために、土下座までしました。

 私は、店でお客様にお叱りを受け、頭を下げるのは苦になりません。
 しかし、なぜ、幹部のメンツのために、ここまでやらなければ
 ならないのか。
 腹立たしいことですが、これが現実です。
 「経営計画は、会議室で作られるものではない!」のです。


 私が,この講座で具体的にお伝えできる中身を,少しだけ紹介しますと…


 ■ 会社や経営者や競合環境など、現実を知るためには…

 ・財務分析は、ほとんど意味がない。でも、使いこなすには、
  たった4つのポイントを知るだけで良い。そのポイントとは?
 ・手強い競合が進出してくるところを特定する方法
 ・あなたの会社やあなた自身の絶対的な強みを、瞬時に把握する方法
 ・教科書では絶対に教えない、店舗の利益率を極端に高める方法
 ・現実と理想のギャップを、現場で具体的に把握する方法
 ・今後、力を入れるべき業種や業態を特定する方法
 ・利益が出ているのに閉店する?その見極めをカンタンにする方法



 ■ リスクリカバリーの方策としては、

 ・親会社の倒産で、物流ルートが止まっても、商品を仕入れる方法
 ・プライベートブランドの納入が無くなっても、利益を稼ぐ方法
 ・短期間に地場の企業からの仕入れを、20%上げる方法
 ・親会社に依存していたシステムを、止まらせないで、動かす方法
 ・動揺する店舗の社員を安心させるための効果的な
  コミュニケーションとは?
 ・親会社の“消滅”で、広報と法務で問い合わせるところが無い!
  問い合わせ先を再構築する方法
 ・親会社合同のコマーシャルが打てない!その代わりに使った
  秘策とは?
 ・商品情報、トレンド情報、販売促進方法は、常に親会社から
  入ってきていた!新たなルートを造るときに、一番無理が
  かかるのはどこか?


 ■ また、人材・組織マネジメントとしては

 ・仕入れ担当者の行動を把握し、計画との乖離を指摘して、
  言うことを聞かせる方法
 ・これには参った。。「社長がやれと言っても、俺は認めんぞ!」と
  どなる役員を、無理矢理、動かす方法
 ・その部長からの逆襲を防ぐ方法
 ・社員のモチベーションを上げるためには一つの単純だが、
  効果的な方法がある。その方法とは?
 ・物流が止まろうが、システムが止まろうが、台風がこようが、
  6時に帰る定年間近の社員を、やる気にさせる方法
 ・親会社任せで、いまさらノウハウのない役員・幹部を、
  なだめすかして、新しい状況にフィットさせる方法
 ・公正取引委員会からの不正勧告ですら守ろうとしない!
  事実をつかんで、従わせる方法


 ■ さらに、こんなノウハウも…
 ・金がない!合法的に営業キャッシュフローを作る裏技とは?
 ・直感的な戦略に、数値的な裏付けを与える禁断の技
 ・部の政策の不実行をひた隠しにする役員を、実行せざるを得ない
  状況に追い込む方法
 ・仕入れのスケールメリットが無くなっても、計画通りの数値を
  出す方法
 ・かつての親会社がお金が無くて、帳簿を印刷して送ってくれない
  (当社では、印刷できない仕組みだった)。
  帳簿が印刷できないと仕事ができない!その回避策とは?
 ・親会社の倒産で、動揺する仕入れ先を、安心させるための
  非常識な伝達のしくみとは?



 いかがでしょうか?
“使う”ための経営計画を作るには、このようなノウハウが必要なのです。

 しかし、本当にお伝えしたいことは、次のことかもしれません。
 それは、

 「使える計画を、儲ける計画を作ろう」

 ということなのです。


 私の場合は、親会社の倒産のため、企業のインフラが“瞬間蒸発”
 したので、やらざるを得なかった。
 よく言えば、作るだけの経営計画から、使う計画に、脱皮したのです。


 「会社が無くなりますか?それとも、行動しますか?」
 という究極の2者選択なのです。

 そのようなやばい状況で使った生きている経営計画の作成ノウハウを、
 ご提供します。


 ところで、ここで良いニュースと悪いニュースがあります。

 良いニュースは、この講座をわずか「21,000円(税込み)」
 という価格で行うこと。(4回コースです)

 一方、悪いニュースは、30名限定で行い、もう半分以上埋まって
 いること。
 そして、開催が、今週の木曜日(11日)に迫っていることなのです。

 現状に満足できないビジネスマン、数値だけではない、生きた
 経営計画をマスターしたい方は、お申し込みになられることを
 お勧めします。

 お申し込みは、今すぐ、下記のサイトにアクセスしてください。
 http://tinyurl.com/cdqgf



 少しごちゃごちゃしているので、ご説明しますが。
 1.申し込み書をダウンロードし、ご記入
 2.お支払(銀行のみ、拠点は不可だそうです)
 3.振り込み証と申し込み書を、FAX
 4.当日来るだけ(東京:JR 錦糸町駅)19時30分スタート


January 31, 2006

TOC(制約条件の理論)

TOC(制約条件の理論) --------------------------------------------------------------------------------  制約条件の理論は、イスラエルのエリヤフ・ゴールドラット氏なる物理学者が作り上げた理論である。ゴールドラット氏は1984年に制約条件の理論について小説風に書いた『ザ・ゴール』を米国で発表した。長らく日本語訳を拒んでいたと伝えられていたが、2001年になって日本語版が出版された。「生産管理メソッド」と「思考プロセス」中心のサプライチェーン改革メソッドの総称である。受注予測から資材手配・製造・販売・物流に至るサプライチェーンの制約条件に着目して、ドラムバッファローブという同期化の手法を用いつつ全体最適を見出す手法である。トヨタ生産方式と似た、切れ目のない流れを重視した経営哲学である。  現在、ゴールドラット氏の4冊の本が日本語に翻訳され販売されている。 『ザ・ゴール』  エリヤフ・ゴールドラット著  2001年5月17日  ダイヤモンド社 『ザ・ゴール2』 エリヤフ・ゴールドラット著  2002年2月21日  ダイヤモンド社 『チェンジ・ザ・ルール!』 エリヤフ・ゴールドラット著  2002年10月10日  ダイヤモンド社 『クリティカルチェーン』 エリヤフ・ゴールドラット著  2003年10月30日  ダイヤモンド社  TOC(制約条件の理論)は、実にトヨタ生産方式と似ている。トヨタ生産方式を理解したふりをしている人は多いが、実際のところ上級者でないとトヨタ生産方式はなかなか理解しにくい。TOC(制約条件の理論)は、トヨタ生産方式を中・初心者向けに理論化したものと理解することもできる。ただ、トヨタ生産方式は経験知の集まりである。生産管理のみならず、人材育成という面を持っている。TOC(制約条件の理論)はその中から生産管理の普遍的法則を見出した点は、大いに評価されるべきと思う。思考プロセスは、日本由来のものとは別の考えを理論化して、まとめたものと推測される。 -------------------------------------------------------------------------------- TOC(制約条件の理論)『ザ・ゴール1』 --------------------------------------------------------------------------------  ユニコ社の出世街道を順調に歩んできたアレックス・ロゴという人物が、故郷ベアリントンの工場長に栄転してしばらくしたところから始まる。この工場は在庫の山で、慢性的に納期が遅れ、顧客からの苦情で工場幹部は右往左往していた。毎日毎日、工場での火消し作業に追われているアレックスが大学時代の恩師であるジョナに偶然に会い、それがきっかけでTOCの原理を教えてもらう。このジョナこそがゴールドラット博士であり、アレックスは博士が指導した多くの企業の工場長たちである。  企業は目的や目標を持っている。そして、その目的や目標を評価するための指標が必要である。その指標の持つ仮定が間違えていると、企業は大きな被害を被ることになる。『ザ・ゴール1』では、企業の目的は「お金を儲けること」と定義することから始まる。企業は何かの目的、目標を達成するために、作られた組織である。単に組織を存在させることが目的で、組織を作るわけがない。ただ、目標を表す方法はひとつではない。異なる面から見ることによって、別の見方ができる。財務管理の面から見ると、「利益」を増やしつつ、「財務収益率」「キャッシュフロー」の増加を同時にみたすことである。 1980年代に「あたまでっかちの経営」と言われたのは、財務管理面で「利益」のみを重視した結果である。また、最近我が国で「キャッシュフロー」は、「利益」と「財務収益率」が協調され、有利子負債が上昇し過ぎたためである。  生産管理面からみれば、「スループット」を増やしながら、同時に「在庫」と「経費」を減らすことである。スループットとは、販売を通じてお金を作り出すことである。トヨタ生産方式を称するコンサルタントは、在庫削減を強調することで目標を達成してきた。 TOC(制約条件の理論)は、部分最適から全体最適を目指している。従来の経営理論(生産管理理論)では、細分化し、それぞれをコストダウンすることで、全体もコストダウンすると考えられていた。TOCの理論では、これを否定する。TOCの理論では、スループットを重視する。TOCの理論では企業の業務をリングがつながった輪、つまりネックレスのようなもので表している。トヨタ生産方式では、これを「流れを作る」という表現で表している。  TOCの理論の特徴は、工場の中の工程(リソース)を、ボトルネックと非ボトルネックに分けることである。ボトルネックとは、その処理能力が、与えられている仕事量と同じか、それ以下のリソースである。非ボトルネックでは、逆に与えられている仕事量よりも処理能力が大きいリソースのことである。ボトルネックを通過するフローを市場からの需要に合わせなければならない。  工場全体の生産能力は、ボトルネックの生産能力により決まる。それ故に、非ボトルネックを改善して効率が上がったとしても、工場全体の効率には全く影響を与えない。それらの改善は、そのリソースがフル稼動している仮定のもとで効率が上がるのである。右肩上りの時代は、そのような改善でも、いずれ生産能力が不足する時が来るので有効であった。  同様に、経済的バッチ量(EBQ:Economical Batch Quantity)も、非ボトルネックでは意味をなさない。 非ボトルネックの使用レベルは、それ自体の能力ではなく、他の制約条件によって決定される。リソースを使用することと、リソースを活用することは別である。  工場の加工時間は、次の4つで決まる。 セットアップ プラセスタイム キュータイム ウエイトタイム  キュータイムは工程待ち、ロット待ちと言われている。ウエイトタイムは、他の部品が揃わないので生産できない時間である。キュータイムとウエイトタイムを減らすことが、スループットを増やすことにつながる。  また、工場では加工工程の順番が『依存的事象』で決まっている。『ザ・ゴール1』では、問題を引き起こす厄介者をマーフィーと呼んでいる。手作業による作業時間のバラツキや、マーフィーによる突発的な出来事による『統計的事象』が存在する。その『依存的事象』と『統計的事象』の影響から、ボトルネックを守らなくてはならない。  具体的な工場でのTOC(制約条件の理論)は、次の5つのステップのとおり行われる。 ボトルネックを見つける。 ボトルネックをどう活用するか決める。 他のすべてをステップ2の決定に従わせる(同期化、ドラム・バッファー・ローブの考え方)。 ボトルネックの能力を高める。 ステップ4でボトルネックが解消したら、最初のステップに戻る。  まず、ボトルネックを見つける。ボトルネックの前には、仕掛品の山ができることが多い。一般的に、ボトルネックは工場に1ヵ所か2ヵ所しかない。ボトルネックを100%活用するために、ボトルネックの前にバッファーとして在庫を置き、マーフィーから守る。ドラム・バッファー・ローブ(Drum-Buffer-Rope)は、ボトルネックと前工程の非ボトルネックにおける資材の投入をつなぐなんらかの信号である。トヨタ生産方式では後工程引取方式が、バッファー・ローブの役割を果たしている。  『ザ・ゴール1』では、ボトルネックはロボット(NCX−10)と熱処理炉であった。それらボトルネックの前で、品質検査をし、不良品のの加工をなくした。旧型の加工機械でボトルネックを下げたり、外注にも出した。 ボトルネックの前の在庫を何らかの理由で消化したら、すぐに補充しなくてはならない。そのために、非ボトルネックは余剰生産能力を持つのである。  それらの方法は、直観でわかっていても、何かきっかけがないとわからないことである。自ら考えることが重要である。それも、より広い視野で考える必要がある。  評論家と言われる人たちは、自ら考えず、今行なっている方法を、当たり前だと思ってやっている。客観的オブザーバーとして、間違いだらけのルールにやみくもに従い、悲惨な結果につなげている。  5つのステップを回して改善が進むと、ボトルネックは移動する。新たに5つのステップを回して改善する。継続的改善の考え方と同じである。TOCの理論によって改善の進んだ工場は、トヨタ生産方式を導入した工場と同じようになるであろう。 『ザ・ゴール1』では、工場で改善が進んだ結果、ボトルネックが市場になってしまった。この時の解決法の1つは、海外進出であった。もうひとつは、1年ごとの数量を定めて、どんなリクエストにも3週間以内の納品を約束して長期契約を結ぶ方法であった。また、ゴールドラット氏は経営の秘訣を披露している。需要よりフローを若干小さくしておかないといけない。市場の需要が減った場合、損失が出るからである。つまり、需要が減っている時に、過剰在庫を持たないことを強調している。需要が減って上に過剰在庫を持ては、価格は下落してしまうからである。 --------------------------------------------------------------------------------  思考プロセス  --------------------------------------------------------------------------------  『ザ・ゴール』の主人公のアレツクス・ロゴが再び登場する。彼は工場長からユニコ社が多角化のために買収した3つの多角化グループを統括する副社長に出世している。ところが会社の業績不振を理由に、これらの事業グループを売却すると通告された。そこで多角化事業グループの売却を防ぐために各社とも数ヵ月以内に画期的に業績を上げるという、不可能に近い難題に挑戦することになる。  TOC(制約条件の理論)の中で最も重要なものが、この思考プロセスであると考える。トヨタ生産方式は手法を通して、最終的にはモノの見方・考え方を習得を最終目標としている。また、コンピテンシーの考え方も高業績を上げている人の仕事のやり方をマネることにより、モノの見方や考え方を習得する方法であると考える。TOCも同様に、どのような問題でも解決できる思考プロセスが最も重要である。TOCの思考プロセスの特徴は、図で示すことと因果関係を重視することにある。  TOCの思考プロセスでは、問題を必要条件間のコンフリクト(対立点)として捉える。私たちは、コンフリクトに遭遇すると妥協点を見つけようとする。Win−Loseのゼロサムの考え方である。一方、TOCの思考プロセスではWin-Winの考え方を導き出す。『何を変えるか』『何に変えるか』『どうやって変えるか』に対して答えを導き出すのが、思考プロセスである。『何を変えるか』は<現状問題構造ツリー>で、真の問題をみつける。正確に『何に変えるか』には答えを与えていない。答えは、業界に対する深い理解と、経験に基づいた勘しかない。そうして作り上げた答えにを検証するのが、<現状問題構造ツリー>である。同様な方法で、『どうやって変えるか』に答えを与えるのが<移行ツリー>である。  問題を解決してコンフリクトを解消するための簡潔な方法を提供してくれる。問題を<雲>として表現している。この<雲>と<雲>をつなぐ前提となった仮定が正しくないことを証明することによって、問題を解決する。これを<蒸発する雲>と表現している。コンフリクトを解消するには、それぞれの矢印の仮定をよく検証しなくてはいけない。  思考プロセスは、本能的に感じることを言葉に表現してみることで、経験に基づいた自らの勘を最大限に活かすことができる。それを確認することができる。業界での経験と勘は、解決策を付け出すための必要条件であるが、十分条件ではない。実用性のあるシンプルな解決策を見つけるには、経験と勘を活かすための手段が必要である。それがTOCの思考プロセスである。  原因と結果の因果関係をきちんと認識できるまでは、状況をはっきり把握したとはいえない。まず最初にシステマティクな方法を用いて、その状況におけるすべての問題を関連づける因果関係を図に表す。この図を<現状問題構造ツリー>(Current Reality Tree)と呼ぶ。このツリーを構築できれば、問題すべてに1つひとつ対応する必要ないことがわかる。コアの部分には原因は、1つが2つしかないのである。  問題のほとんどは症状であって、問題(原因)ではない。コアの問題(原因)として派生する結果(症状)なのである。そうした症状を好ましくない結果(UDE:Undesirable Effect)と呼んでいる。 『好ましくない結果』をリストアップする。 列挙した『このましくない結果』同士の因果関係を見つける。  具体的なやり方は下記である。 『好ましくない結果』をカードにかき出す。 『好ましくない結果』同士を因果関係によって矢印で結び、フリップチャートに貼り付ける。 不足している『好ましくない結果』を付け加える。  これは日本でも良く行われているカードメソッドに似ている。しかし、日本で行われている方法は、類似性でカードを分類する方法が主流である。それに対して、TOCの思考プロセスは、因果関係によってカードを結びつける。  また、『ザ・ゴール2』には、市場がボトルネックとなっている例が示されている。 クライアントの『このましくない結果』から<現状問題構造ツリー>を使って、“コアの問題”を把握します。市場が抱えている根本的な問題を指摘します。物理的な製品だけでなく、それ以外の部分も含めた取引条件全体の中で何を変えるかを考える。 妥協(最適化)は、一定の範囲内で最善を尽くすことであり、その範囲の外で解決策を見つけないといけない。 マネジャーは常に画期的な解決策を探しながら、会社経営に尽力しなければいけない。それを阻んでいるコンフリクトがあるからである。そのコンフリクトは<現状問題構造ツリー>に示されている。これを見つけださなくてはならない。  この本では、『クライアントの価値観を考慮する』と『サプライヤーの価値観を考慮する』であった。そして、『商品に対する市場の価値観を十分に高めるために、何らかの策を講じる』であった。 新たな条件を提示した場合、クライアントにどのようなインパクトがあるのか<未来問題構造ツリー>で構築する。<未来問題構造ツリー>は、“If(もし…ならば)、Then(…ということになる)”のロジックを使って、デメリットを結びつける。次に、問題が起こるのを確実に阻止する方法、つまりネガティブを排除するためにどのような活動を行なったら良いかを考える。構築した<未来問題構造ツリー>を社内のできるだけ多くの部署、人間に見せ、彼らの懸念を聞き出す。1つひとつをネガティブ・ブランチの形にして書いてみると、大きな問題になりそうなものはだいたい全て見つけることができる。大きな問題につながりかねないネガティブ・ブランチはここで排除する。クライアントとの取引条件を完成させる。  更に、営業活動の方法についても書いている。早急に商品を売り込んではならない。 買い手側が抱える問題を、お客様の立場になって説明する。 提案する商品のメリットを説明する。  『ザ・ゴール2』では,3社の例が掲載されている。 ひとつ目の例は、 印刷会社の例である。生産能力は劣るが切り換性の良い旧型の機械を、生産性は高いが切り換性の悪い機械にどう対処させるかの問題である。切り替性の問題はトヨタ生産方式で有名になっているので、馴染みのある問題だろうと思う。  ロットの大きな仕事は、最新鋭の高速機械の単価と競争できなかった。しかし、それらのロットの大きな仕事では、クライアント側のモデル切替えによって、使用されず廃棄される製品も多かった。そこで、受注期間2ヶ月で、2週間毎の納品で、1回目の注文以降いつでもキャンセルできる条件を提示した。クライアントは、多少の契約単価が上昇しても、廃棄処分が減り、コストが下がった。更に、在庫量も減り、キャッシュフローが増える利点があった。これは、トヨタ生産方式の考え方と同じで、馴染み深いであろう。  次に、アイ・コスメテック社の例では、製品物流の例が示されている。アイ・コスメテック社は全米の何千もの販売店に対して、約650種類の商品を提供している。全米に25の倉庫を持っているが、全アイテムを出荷できるのは、注文全体の30%ぐらいだった。不足したアイテムは後から発送し、多くの費用がかかっていた。  倉庫は3ヶ月先の販売を予測して、工場に注文をしなくてはならなかった。ある倉庫では在庫が底をついているアイテムも、他の倉庫では在庫があふれている状況であった。倉庫から倉庫へ製品を移動させる費用も多くかかっていた。  問題は不確実性の高い3ヵ月先の需要を予測することにあると考えた。つまり、制約条件は販売店にあると考え、販売店の注文に合わせて倉庫に在庫を持ち、工場で生産する方法に直した。具体的には、できた製品は工場に在庫し、倉庫には20日程度の在庫を置くことにした。倉庫には販売店の注文に対応でき、補充にかかる日数分の在庫しか置かないようにした。  また、工場は25の倉庫の代わりに在庫を持つことになり、在庫管理の水準は5倍になる。新モデルの切替え時における、在庫管理がより容易になった。  これをTOCで説明すれば、販売店を制約条件に、倉庫、工場がバッファー・ローブでつながり、販売店の注文に応じて工場が生産するようになった。結果、納期内の出荷率が30%から90%に向上し、在庫は90日分から40日分に減少した。全米の倉庫に20日分の在庫、工場に20日分の在庫がある.  また、販売においては、注文数量による価格設定でなく、年間の販売量に応じた価格設定にした。それでいて、販売店への商品の補充は、1日単位で行なった。短期的に減る販売のため、陳列スペースの確保を条件にした委託販売を始めた。  3番目のプレッシャー・スチーム社の例では、スペアパーツの委託販売を考えた。更に、新規設備のリース、保守・点検事業を提案することになった。 --------------------------------------------------------------------------------  古いルールを変える 『チェンジ・ザ・ルール!』 --------------------------------------------------------------------------------  多くの企業が成功を収めるために最大の制約になっているのは、『部分最適化をベースにしたルール』を持ち続けていることである。具体的に言えば、右肩上りの成長していた時のルールを維持し続けている、若しくはしがみついていることである。例えば、生産管理を例にとれば、改善活動である。改善活動はフル稼動しているという仮定のもとで、改善効果が算出される。右肩上りの頃は、フル稼動していなくても、いずれフル稼動になり、改善効果が出てくる。しかし、現在のような生産能力過剰の時代では、ほとんどの改善活動が意味を持たなくなっている。70%の稼動を60%に下げたとしても、企業には何ら利益をもたらさない。  特に、企業の基幹となるルールが、『部分最適化をベースにしたルール』である場合、企業は致命的な損害を被る。  『チェンジ・ザ・ルール!』では、ERP(統合業務パッケージ:Enterprize Resource Planning)のソフトウェア会社が舞台となっている。近年のITの進歩はめざましい。しかし、最新のソフトウェアを導入しても、企業は画期的な成果を上げていない。その原因は、導入企業が昔のルールを変えることなく、新しいソフトウェアを導入したためである。昔の『部分最適化をベースにしたルール』に基づいて、最新のソフトウェアを導入しているからである。新しいコンピュータシステムのメリットは、従来だったらできないことが、できるようになることである。  従来は、膨大な量のデタを保存したり、転送したり、必要なデータを瞬時に取り出すために使用していた。新しい試みとして、クライアントの利益を向上させる核となるモジュールを追加することであった。ERPは会計データの処理から始まった。『チェンジ・ザ・ルール!』では、MRPのモジュールが組込まれた段階を想定している。ここに生産におけるプランニング(計画)とスケジューリング(統制)のモジュールの追加を目論んだ。  今までの生産管理のコンピュータシステムは、プランニング中心であった。条件変更があると、全生産計画を変えてしまう性格のものだった。これでは生産管理を行なう管理者が管理できない状況になってしまう。  ここでTOCを登場させて、ボトルネックの生産のみをプランニングさせ、他の非ボトルネックを従属させる方法をとった。私たちにも馴染みのある空席予約型生産管理に似ている。  工場で飛躍的な効率アップを実現しても、他のシステムが昔のままだと、その悪い面を増幅してしまうことも示している。この本では、慢性的な製品在庫不足のために、高めに設定した在庫水準であった。『ザ・ゴール2』のアイ・コスメテック社で行なった、工場と倉庫の在庫管理を導入した。  また、ただ先進的なテクノロジーを導入するだけでは不十分で、価値を生むのにそのテクノロジーを活用することを考えなくてはならない。この本の英語タイトル『Necessary But Not Sufficient』そのものであろう。 --------------------------------------------------------------------------------  プロジェクト管理 『クリティカル・チェーン』 --------------------------------------------------------------------------------  大学のエグゼクティブMBAの授業を中心にプロジェクト管理手法を確立していく話しである。MBAを縮小しようと考える学長と、終身雇用教授に就任がかかった主人公を中心にしている。 1年間の研究休暇をもらって、ユニコ社でTOCを学んだジョニー・フイッシャー教授が、MBAの授業にTOCを導入した。『ザ・ゴール2』で主人公アレックス・ロゴのアシスタントのドンが登場する。 個別生産やプロジェクトを管理するものとして、フローチャート、PERT、ガントチャートがあります。しかし、予算のオーバーや期限までに終わらない、さもなければ計画の縮小という減少が起こっているのではないだろうか。  一般的には、クリティカルパスを活用した管理が行われている。クリティカルパスとは、従属関係にあるパス、つまり経路で、一番長い経路(時間)と定義される。第二次世界大戦後行われたU2偵察機の開発では、異例の短さで開発を終えている。プロジェクトの管理が有効でないために問題が生じていると考え、進捗状況の評価方法を見直した。 プロジェクトは、反復生産でないために生じている不確実性が原因となっています。そのために、各々の工程において80%とか90%の確立で完成する安全度を見越した期間が組込まれています。その一方、せっぱつまらなければ取り掛かれない学生症候群、作業の掛け持ち、作業の依存関係がある。  プロジェクト・リーダーは、PERTによってクリティカル・パスを見つけ出します。次に、各担当者の持っている安全を見越した期間を削ります。クリティカル・パスの期間がプロジェクト期間となります。プロジェクト完成期間と整合性をとり、クリティカル・パスの後にバッファー(緩衝)期間を設けます。プロジェクト・リーダーは、予算と同様に予備の期間を持ち、予算とともに期間も管理するのです。プロジェクトを期間内に終わらせるには、クリティカル・パスを期日どおりに行なうことが必要です。その他の工程は、クリティカル・パスと合流する時に合流バッファーを持つようにします。しかし、同じプロジェクトでも、同じ人が行なわなければならなくて、スケジュール管理の難しい場合があります。クリティカル・パスの一部を変更し、同一の人が行なわなければならない工程を組込みます。これをクリティカル・チェーンと呼んでいます。最後に、他のプロジェクトと人を取り合う場合、プロジェクト計画を決める前に、これら工程を早めに行なうボトルネック・バッファーを組込みます。 --------------------------------------------------------------------------------  自動車工場のTOC(制約条件の理論)的解釈  --------------------------------------------------------------------------------  自動車工場のボトルネックは、艤装ラインであろう。溶接組立ライン、塗装ラインはここ20〜10年で機械化が進み、設備産業的になっている。一方、艤装ラインは手作業が主の労働集約的な職場である。短期的に(作業員の数を変えず)、ラインスピードを上げる余地は最も少ない。多くの人が揃わなくては、生産できない。残業を追加すると、最も大きな人件費が出ていく。  自動車会社は市場での販売動向に合せて、艤装ラインの生産台数を決める。艤装ラインをボトルネックとして、最大限活用するために、前に塗装済ボディがバッファーとして置かれている。次に、ドラム・バッファー・ローブとして、溶接組立ラインに対して投入スケジュールが与えられる。  同様に、エンジン、ミッション、部品にも、投入(納入)スケジュールが与えられる。その方法がMRPであったり、カンバン方式であったりする。塗装済ボディ、エンジン、ミッションのバッファーとしての在庫量は、ALCによって直接監視される。部品のバッファーとしての在庫は、MRPの場合は監視の手段がなく、勘と経験と度胸に頼らざるを得ない。カンバン方式はスケジューリングとともに、統制も行なわれている。しかし、一定の在庫しか置かないため、平準化という制限が入っている。  確率的事象のために、つまり溶接組立での手直し、塗装での手直し、ツートンカラー等の影響がある。これらの影響により、艤装ラインには部品手配時の生産計画順にボディは流れない。そのために、艤装ラインにはエンジン・ミッションや部品のバッファーとしての在庫が必ず必要である。  トヨタ生産方式は在庫をゼロにする方式と、誤解されている面がある。正確には、無駄な在庫をなくする生産方式である。適正な在庫水準を計画し、それを統制する方法が必要である。

げんかけいさんきじゅん1

第一章 原価計算の目的と原価計算の一般的基準 一  原価計算の目的  原価計算には、各種の異なる目的が与えられるが、主たる目的は、次のとおりである。 (一)  企業の出資者、債権者、経営者等のために、過去の一定期間における損益ならびに期末における財政状態を財務諸表に表示するために必要な真実の原価を集計すること。 (二)  価格計算に必要な原価資料を提供すること。 (三)  経営管理者の各階層に対して、原価管理に必要な原価資料を提供すること。ここに原価管理とは、原価の標準を設定してこれを指示し、原価の実際の発生額を計算記録し、これを標準と比較して、その差異の原因を分析し、これに関する資料を経営管理者に報告し、原価能率を増進する措置を講ずることをいう。 (四)  予算の編成ならびに予算統制のために必要な原価資料を提供すること。ここに予算とは、予算期間における企業の各業務分野の具体的な計画を貨幣的に表示し、これを総合編成したものをいい、予算期間における企業の利益目標を指示し、各業務分野の諸活動を調整し、企業全般にわたる総合的管理の要具となるものである。予算は、業務執行に関する総合的な期間計画であるが、予算編成の過程は、たとえば製品組合せの決定、部品を自製するか外注するかの決定等個々の選択的事項に関する意思決定を含むことは、いうまでもない。 (五)  経営の基本計画を設定するに当たり、これに必要な原価情報を提供すること。ここに基本計画とは、経済の動態的変化に適応して、経営の給付目的たる製品、経営立地、生産設備等経営構造に関する基本的事項について、経営意思を決定し、経営構造を合理的に組成することをいい、随時的に行なわれる決定である。 二  原価計算制度  この基準において原価計算とは、制度としての原価計算をいう。原価計算制度は、財務諸表の作成、原価管理、予算統制等の異なる目的が、重点の相違はあるが相ともに達成されるべき一定の計算秩序である。かかるものとしての原価計算制度は、財務会計機構のらち外において随時断片的に行なわれる原価の統計的、技術的計算ないし調査ではなくて、財務会計機構と有機的に結びつき常時継続的に行なわれる計算体系である。原価計算制度は、この意味で原価会計にほかならない。  原価計算制度において計算される原価の種類およびこれと財務会計機構との結びつきは、単一でないが、しかし原価計算制度を大別して実際原価計算制度と標準原価計算制度とに分類することができる。  実際原価計算制度は、製品の実際原価を計算し、これを財務会計の主要帳簿に組み入れ、製品原価の計算と財務会計とが、実際原価をもって有機的に結合する原価計算制度である。原価管理上必要ある場合には、実際原価計算制度においても必要な原価の標準を勘定組織のわく外において設定し、これと実際との差異を分析し、報告することがある。  標準原価計算制度は、製品の標準原価を計算し、これを財務会計の主要帳簿に組み入れ、製品原価の計算と財務会計とが、標準原価をもって有機的に結合する原価計算制度である。標準原価計算制度は、必要な計算段階において実際原価を計算し、これと標準との差異を分析し、報告する計算体系である。  企業が、この基準にのっとって、原価計算を実施するに当たっては、上述の意味における実際原価計算制度または標準原価計算制度のいずれかを、当該企業が原価計算を行なう目的の重点、その他企業の個々の条件に応じて適用するものとする。  広い意味での原価の計算には、原価計算制度以外に、経営の基本計画および予算編成における選択的事項の決定に必要な特殊の原価たとえば差額原価、機会原価、付加原価等を、随時に統計的、技術的に調査測定することも含まれる。しかしかかる特殊原価調査は、制度としての原価計算の範囲外に属するものとして、この基準には含めない。 三  原価の本質  原価計算制度において、原価とは、経営における一定の給付にかかわらせて、把握された財貨又は用役(以下これを「財貨」という。)の消費を、貨幣価値的に表したものである。 (一)  原価は、経済価値の消費である。経営の活動は、一定の財貨を生産し販売することを目的とし、一定の財貨を作り出すために、必要な財貨すなわち経済価値を消費する過程である。原価とは、かかる経営過程における価値の消費を意味する。 (二)  原価は、経営において作り出された一定の給付に転嫁される価値であり、その給付にかかわらせて、把握されたものである。ここに給付とは、経営が作り出す財貨をいい、それは経営の最終給付のみでなく、中間的給付をも意味する。 (三)  原価は、経営目的に関連したものである。経営の目的は、一定の財貨を生産し販売することにあり、経営過程は、このための価値の消費と生成の過程である。原価は、かかる財貨の生産、販売に関して消費された経済価値であり、経営目的に関連しない価値の消費を含まない。財務活動は、財貨の生成および消費の過程たる経営過程以外の、資本の調達、返還、利益処分等の活動であり、したがってこれに関する費用たるいわゆる財務費用は、原則として原価を構成しない。 (四)  原価は、正常的なものである。原価は、正常な状態のもとにおける経営活動を前提として、把握された価値の消費であり、異常な状態を原因とする価値の減少を含まない。 四  原価の諸概念  原価計算制度においては、原価の本質的規定にしたがい、さらに各種の目的に規定されて、具体的には、次のような諸種の原価概念が生ずる。 (一)  実際原価と標準原価  原価は、その消費量および価格の算定基準を異にするにしたがって、実際原価と標準原価とに区別される。 1  実際原価とは、財貨の実際消費量をもって計算した原価をいう。ただし、その実際消費量は、経営の正常な状態を前提とするものであり、したがって、異常な状態を原因とする異常な消費量は、実際原価の計算においてもこれを実際消費量と解さないものとする。  実際原価は、厳密には実際の取得価格をもって計算した原価の実際発生額であるが、原価を予定価格等をもって計算しても、消費量を実際によって計算する限り、それは実際原価の計算である。ここに予定価格とは、将来の一定期間における実際の取得価格を予想することによって定めた価格をいう。 2  標準原価とは、財貨の消費量を科学的、統計的調査に基づいて能率の尺度となるように予定し、かつ、予定価格又は正常価格をもって計算した原価をいう。この場合、能率の尺度としての標準とはその標準が適用される期間において達成されるべき原価の目標を意味する。  標準原価計算制度において用いられる標準原価は、現実的標準原価又は正常原価である。  現実的標準原価とは、良好な能率のもとにおいて、その達成が期待されうる標準原価をいい、通常生ずると認められる程度の減損、仕損、遊休時間等の余裕率を含む原価であり、かつ、比較的短期における予定操業度および予定価格を前提として決定され、これら諸条件の変化に伴い、しばしば改訂される標準原価である。現実的標準原価は、原価管理に最も適するのみでなく、たな卸資産価額の算定および予算の編成のためにも用いられる。  正常原価とは、経営における異常な状態を排除し、経営活動に関する比較的長期にわたる過去の実際数値を統計的に平準化し、これに将来のすう勢を加味した正常能率、正常操業度および正常価格に基づいて決定される原価をいう。正常価格は、経済状態の安定している場合に、たな卸資産価額の算定のために最も適するのみでなく、原価管理のための標準としても用いられる。  標準原価として、実務上予定原価が意味される場合がある。予定原価とは、将来における財貨の予定消費量と予定価格とをもって計算した原価をいう。予定原価は、予算の編成に適するのみでなく、原価管理およびたな卸資産価額の算定のためにも用いられる。  原価管理のために時として理想標準原価が用いられることがあるが、かかる標準原価は、この基準にいう制度としての標準原価ではない。理想標準原価とは、技術的に達成可能な最大操業度のもとにおいて、最高能率を表わす最低の原価をいい、財貨の消費における減損、仕損、遊休時間等に対する余裕率を許容しない理想的水準における標準原価である。 (二)  製品原価と期間原価  原価は、財務諸表上収益との対応関係に基づいて、製品原価と期間原価に区別される。製品原価とは、一定単位の製品に集計された原価をいい、期間原価とは、一定期間における発生額を、当期の収益に直接対応させて、把握した原価をいう。  製品原価と期間原価との範囲の区別は相対的であるが、通常、売上品およびたな卸資産の価額を構成する全部の製造原価を製品原価とし、販売費および一般管理費は、これを期間原価とする。 (三)  全部原価と部分原価  原価は、集計される原価の範囲によって、全部原価と部分原価に区別される。  全部原価とは、一定の給付に対して生ずる全部の製造原価又はこれに販売費および一般管理費を加えて集計したものをいい、部分原価とは、そのうち一部分のみを集計したものをいう。  部分原価は、計算目的によって各種のものを計算することができるが、最も重要な部分原価は、変動直接費および変動間接費のみを集計した直接原価(変動原価)である。 五  非原価項目  非原価項目とは、原価計算制度において、原価に算入しない項目をいい、おおむね次のような項目である。 (一)  経営目的に関連しない価値の減少、たとえば 1  次の資産に関する減価償却費、管理費、租税等の費用 (1)  投資資産たる不動産、有価証券、貸付金等 (2)  未稼働の固定資産 (3)  長期にわたり休止している設備 (4)  その他の経営目的に関連しない資産 2  寄付金であって経営目的に関連しない支出 3  支払利息、割引料、社債発行割引料償却、社債発行費償却、株式発行費償却、設立費償却、開業費償却、支払保証料等の財務費用 4  有価証券の評価損および売却損 (二)  異常な状態を原因とする価値の減少、たとえば 1  異常な仕損、減損、たな卸減耗等 2  火災、震災、風水害、盗難、争議等の偶発的事故による損失 3  予期し得ない陳腐化等によって固定資産に著しい減価を生じた場合の臨時償却費 4  延滞償金、違約金、罰課金、損害賠償金 5  偶発債務損失 6  訴訟費 7  臨時多額の退職手当 8  固定資産売却損および除却損 9  異常な貸倒損失 (三)  税法上とくに認められている損金算入項目、たとえば 1  価格変動準備金繰入額 2  租税特別措置法による償却額のうち通常の償却範囲額を超える額 (四)  その他の利益剰余金に課する項目、たとえば 1  法人税、所得税、都道府県民税、市町村民税 2  配当金 3  役員賞与金 4  任意積立金繰入額 5  建設利息償却 六  原価計算の一般的基準  原価計算制度においては、次の一般的基準にしたがって原価を計算する。 (一)  財務諸表の作成に役立つために、 1  原価計算は、原価を一定の給付にかかわらせて集計し、製品原価および期間原価を計算する。すなわち、原価計算は、原則として (1)  すべての製造原価要素を製品に集計し、損益計算書上売上品の製造原価を売上高に対応させ、貸借対照表上仕掛品、半製品、製品等の製造原価をたな卸資産として計上することを可能にさせ、 (2)  また、販売費および一般管理費を計算し、これを損益計算書上期間原価として当該期間の売上高に対応させる。 2  原価の数値は、財務会計の原始記録、信頼しうる統計資料等によって、その信ぴょう性が確保されるものでなければならない。このために原価計算は、原則として実際原価を計算する。この場合、実際原価を計算することは、必ずしも原価を取得価格をもって計算することを意味しないで、予定価格等をもって計算することもできる。また必要ある場合には、製品原価を標準原価をもって計算し、これを財務諸表に提供することもできる。 3  原価計算において、原価を予定価格等又は標準原価をもって計算する場合には、これと原価の実際発生額との差異は、これを財務会計上適正に処理しなければならない。 4  原価計算は、財務会計機構と有機的に結合して行なわれるものとする。このために勘定組織には、原価に関する細分記録を統括する諸勘定を設ける。 (二)  原価管理に役立つために、 5  原価計算は、経営における管理の権限と責任の委譲を前提とし、作業区分等に基づく部門を管理責任の区分とし、各部門における作業の原価を計算し、各管理区分における原価発生の責任を明らかにさせる。 6  原価計算は、原価要素を、機能別に、また直接費と間接費、固定費と変動費、管理可能費と管理不能費の区分に基づいて、分類し、計算する。 7  原価計算は、原価の標準の設定、指示から原価の報告に至るまでのすべての計算過程を通じて、原価の物量を測定表示することを重点におく。 8  原価の標準は、原価発生の責任を明らかにし、原価能率を判定する尺度として、これを設定する。原価の標準は、過去の実際原価をもってすることができるが、理想的には、標準原価として設定する。 9  原価計算は、原価の実績を、標準と対照比較しうるように計算記録する。 10  原価の標準と実績との差異は、これを分析し、報告する。 11  原価計算は、原価管理の必要性に応じて、重点的、経済的に、かつ、じん速にこれを行なう。 (三)  予算とくに費用予算の編成ならびに予算統制に役立つために、 12  原価計算は、予算期間において期待されうる条件に基づく予定原価または標準原価を計算して、予算とくに費用予算の編成に資料を提供するとともに、予算と対照比較しうるように原価の実績を計算し、もって予算統制に資料を提供する。

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月 次 決 算 制 度 の 構 築

新企画「革新するマネジメント」の第3回目です。 月次決算で正確な利益が分からない、在庫や売掛金の管理が徹底されていないといった悩みはないでしょうか?月次決算は、会計を経営の羅針盤として活用し、利益管理制度や部門別損益管理制度の導入、在庫管理やコストマネジメントなど、管理会計システムの導入を図っていく基礎となるものですので、しっかりとした制度の構築と整備が必要です。今回は足元を固める意味も含めてこのテーマを取り上げてみました。 1.月次決算の意義  (1)月ごとの経営状況を把握し意思決定する 月次決算は、月ごとに損益計算書、貸借対照表、その他経営管理に必要な書類を作成し、経営活動の結果について会計数値を中心に計数的につかみ、自社の経営状況を判断する基礎とするものです。現在の環境変化のスピードに対処していくには、年次決算だけでは遅く、月次決算を翌月5日までに行い経営判断をしていくことが求められます。 また月次決算の正確性が保証されていなければ誤った経営意思決定をしてしまいますので、正確性を確保する会計システムの整備も必要です。 (2)月次決算により経営活動に秩序と統制を与える 経営意思決定を行うため、月次決算の正確性を確保していくためには、売掛金、買掛金及び棚卸資産に関する内部統制と会計処理システムの整備が必要です。売上や仕入金額の決定が遅れたり、棚卸資産の管理や評価が不充分なところでは、正確な損益や財政状態の把握はできません。一定のルールの下に月次決算を行い、意思決定が現場にフィードバックされ、営業や生産の第一線で目標達成に向けた活動が展開されていくとき、会計のはたらきが組織全体に活かされていきます。 (3)利益管理制度の構築に向けて 月次決算の結果が利益計画や予算と対応することによって、利益管理や予算統制が可能になります。さらに部門別の業績目標・利益計画や予算を設定することにより、部門別の利益管理や予算統制が可能になります。このように利益管理制度や部門別損益管理制度を行っていくには、“月次決算が正確・迅速に行われていることが前提”ですので、まずは月次決算制度の構築・整備から取り組むことが必要です。 2.月次決算でこんなことに困っていませんか? (1)今月は利益が出たのか出ないのか? 年次決算だけの場合や月次決算が遅れた場合、会社の現在地(今現在利益が出ているのか)を見失ってしまいます。また現金主義会計による場合には、売上や仕入をした月ではなく実際の現金収支のあった月で売上や仕入を計上するため、「今月は売上の入金が多く、材料の支払が少ないので黒字だ」となってしまいます。対前年や累計、経営者の長年の勘で判断できることもありますが、創業者から2代目経営者にバトンタッチしたときなどは、意思決定を誤る可能性があります。発生主義会計により合理的に毎月の損益を正確に捉えていく必要があります。 (2)売上の請求、支払の確認が遅れたり漏れたりしていないか? 月次決算が正確に行われていない場合、会計処理システムのチェック機能が有効に働いておらず、売上の請求漏れや支払内容の確認漏れ、二重支払などが発生している可能性があります。 (3)在庫や仕掛品を考慮すると、実際の利益はどれくらいになるのか? 月次決算の検討を行うとき、在庫や仕掛品の棚卸高が把握されていないため、「今月は仕入や外注が多かったので原価が高い」という話が聞かれます。月末の在庫や仕掛品の棚卸高をきちんと把握することで、正確な損益が把握されるだけでなく、仕入・在庫管理を行うベースが築かれてきます。 (4)設備投資をしたが、減価償却費は利益にどれくらいの影響なのか? 月次決算をより正確に行うためには、減価償却費を月割で計上していく必要があります。また期中で固定資産を取得した場合には、その分の減価償却費も月割計上額に上乗せしていく必要があります。減価償却や仕掛品の棚卸高などは利益の調整弁ではなく、正確に計上することで経営の実情が把握でき、将来の意思決定と経営活動に活かすことができます。 (5)今期の決算ではいくらぐらいの利益(赤字)になるのか? 毎月の月次決算をおろそかにしては、年次決算の利益予測を期末までに行うことはできません。月次決算のスピードと正確性は、現実の決算対策にも大きな影響を与えます。「今期も利益が出るだろう」と予測し、政策的経費や決算賞与を支払ったが、ふたを開けてみたら思っていたほどの利益が上がらず、一歩間違えば赤字になるところであったということにもなりかねません。 3.自社月次決算の整備状況チェックリスト 1.月次決算のスピードと実績検討 ○ 月次決算は翌月5日までに行い、実績検討会では対策中心で討議している △ 月次決算は翌月15日までに行い、実績検討会は報告中心で行っている × 月次決算が翌々月になることもあり、実績検討もほとんど行っていない 2.月次決算書 ○ 3ヶ月先までの利益・資金見通しも出ており先行管理が行える △ 損益計算書に加え、貸借対照表や資金収支表、原単位資料が提出される × 売上関係の資料、損益計算書のみである 3.発生主義会計 ○ 毎月在庫の実地棚卸(仕掛品棚卸高の計算、売掛金の回収状況報告)を行い、在庫管理(又は債権管理)も行われている △ 売上、仕入のほか重要な科目は未払計上を行い、発生主義会計を適用している × 現金主義会計で行っている 4.月割経費の計上と管理 ○ 経費予測と収益見通しにより決算日前に精度の高い利益予測が行える △ 減価償却、賞与引当、労働保険、年払経費など月割で計上している × 減価償却などの計上は年次決算のときだけで月割の計上は行っていない 5.創造的会計担当者 ○ 各部門に対して過去実績だけでなく改善に必要な分析データや予測情報の提供を行っている △ 月次実績を分析し、問題点を報告している × 日常の処理業務に追われ資料を作成するのが精一杯である 4.月次決算の進め方 (1)月次決算のルールの決定 企業の活動は毎日継続して行われているため、売上高や仕入高について計上や締切の基準を定める必要があります。また商品・仕掛品等の棚卸高の計算方法や減価償却費や労働保険料などの経費の月割計上などに関してもルールを定める必要があります。 (2)日々の確認(チェック及び記帳と入力) 各部門では担当者により日々原始伝票・証憑等が作成されており、責任者がその内容をチェックしています。これらは伝票に基づき、コンピュータに入力されるか、または帳簿に記入されていきます。月次決算のルールを各人が守り、責任者が確認を行うという会計処理のシステムがしっかりと機能することにより、正確・迅速な月次決算が実現されます。 (3)実地棚卸、売掛金のチェック 在庫がある場合には実地棚卸が必要です。毎月正確な数量や金額を把握することだけでなく、商品の陳腐化・滞留・紛失等の状況を把握できます。実地棚卸を行うことそのものが在庫管理につながっていきます。また帳簿を締める段階では、売掛金の中に長期滞留のものはないか、受取手形には不渡りになったものはないか、承認を受けずに支払期日を延ばしたものはないか、買掛金や支払手形については、計上分については請求書等と照合を行ったか、架空の計上はされていないか、などのチェックが必要です。 (4)月次決算資料の作成 必要な月次決算仕訳として、月末在庫の把握、月割経費、未払費用の計上等を行い、試算表を作成します。勘定科目の確認後、月次損益計算書、月次貸借対照表、その他の書類の作成を行い、各書類の適正性をチェックし、経営者へ配布・報告を行います。目的により作成すべき書類や様式は異なりますが、何を管理したいのか、管理するためにはどのような情報が必要かを的確に把握し、必要に応じて簡潔あるいは詳細な月次決算書を作成する必要があります。 5.月次決算早期化の改善ポイント (1)社内処理の改善と取引先の協力 早期化するためには、ネックとなる処理を特定し社内での改善可能性を検討します。請求書到着時期の問題など社内だけで解決しないようなことは、取引先の協力を得る必要があります。 (2)仮計上による月次決算 月次決算が遅れる理由には、特定の得意先の売上確定や特定の仕入先からの請求書が遅れたりすることが多いようです。月次での意思決定に影響を与えない金額であれば、仮計上でひとまず月次決算を行い、後日確定した後に置き換えて最終確定する方法があります。意思決定に影響を与えないようなことで月次決算が遅れては本末転倒となります。 6.事例 (1) 実地棚卸による在庫管理の改善 A社は食品を取り扱う年商20億円の卸売会社で、自社倉庫には常に2億円の在庫を保有していました。年次決算の時だけしか実地棚卸を行わず在庫管理が不十分でした。月次決算では帳簿棚卸高を使うため正確な損益が把握できず、年次決算でふたを開けてみると1千万円の黒字見込みが商品減耗損で帳消しになってしまうこともありました。陳腐化した商品も増加傾向にあり、数千万円の評価損を含んでいました。 そこで、倉庫担当だけでなく、営業マン、仕入担当も含めて全員で毎月実地棚卸を行い、正確な月次損益の把握を目指しました。最初は実地棚卸に1日半かかりましたが、帳簿と実地の差を把握できるようになり正確な月次損益で業績検討が行えるようになりました。倉庫担当者の不正が発覚するなどの問題も表面化しましたが、棚卸差異の原因追究や在庫削減が進み、社員の在庫管理意識も高まりました。倉庫担当の整理整頓や荷扱い、仕入担当の商品の選別や発注タイミング、また営業マンは在庫状況を意識した販売を行い、得意なものだけしか売らない体質も改善されてきました。また現在では実地棚卸も2〜3時間で効率良く行っています。 実地棚卸による在庫管理の改善を通じた月次決算制度の整備により、業務の改善と関連する人の成長が図られたことがポイントでした。 (2)現金主義から発生主義への変更による正確な月次損益の把握 B社は年商10億円の運送会社で、現金主義会計による月次決算を行っていました。2つの営業所を新規に展開し、新しい得意先との取引が始まり、売上のボリュームや回収条件にも変化があったため、従来は通用した現金主義会計による単純な前年比較では、経営状況が把握できなくなってしまいました。運転資金が増えたことや営業所と本社の処理などで経理担当が忙しくなり、月次決算が遅れたまま半年ほど経過した頃、資金繰りが徐々に厳しくなってきたため、早急に手を打つ必要がでてきました。しかし月次決算が遅れている状況の中では素早い意思決定ができませんでした。 その後B社では、営業所会計業務の整備、売掛金のチェック体制と得意先別入金予定表の作成による回収管理の充実、発注チェックが不十分であった修繕費の管理と請求書確認による未払計上などの改善を行いました。そして発生主義会計に変更して毎月の損益を正確に把握するようになりました。営業所の業績が思わしくないとの憶測で撤退するかという問題にもなりましたが、結果として営業所の採算に問題はなく、本社の人材が手薄になったことによる運送収入が落ち込み、管理不十分による運行費用や人件費の増加が大きな原因であったことも分かりました。 現在では月次決算は勿論、部門別利益管理制度と人材育成を結びつけたしくみを導入するなど、経営管理システムの充実を図っています。 以上

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