2011年10月11日

 ◆ ◆悪役図鑑◆ ◆

キュゥべえ (インキュベーター)

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1、人物紹介
よく「キュウべえ」と書かれるが、正確には「キュゥべぇ」である(以下QB)。

「僕と契約して、魔法少女になってよ!」

<物語序盤>
少女と契約し、どんな願いも一つ叶える代わりに、「魔女」と戦わせる使命を負わせる存在。
一般人には姿も見えない。この手のアニメにありがちな「お供キャラ」と思いきや、口を動かさず無表情に話す様や、異様にしつこく契約を迫る(特に主人公に対して)様子から、何処となく不気味な印象を漂わせる。

<物語中盤>
「魔法少女になるというのはゾンビになる様なもの」という重大な事実を隠していたり、手段を選ばず契約を迫る様子から次第に魔法少女たちからは憎悪の念を向けられるようになる。しかし、本人としては「聞かれなかったから言われなかっただけ」「どうして非難されるのかわからない」という立場をとる。個体が死んでも、全く同じ記憶・姿を持ったQBが無数に存在することがわかる。

<物語終盤>
「魔女は魔法少女のなれの果て」という事が発覚。実質的には全ての黒幕であるキュゥべぇは、「インキュベーター(孵卵器)」と言う宇宙の熱的死を防ぐためエネルギーを回収する存在だった。魔法少女が魔女になる時に発散されるエネルギーのみが、エントロピーを覆すものだと言う。その「崇高な目的」の為、「死にたくなったらいつでも言ってね」と主人公に言い放つ。


2、講評
QBを語る上で外せないのは「悪意が全くない」ということだ。
作中の全ての悲劇は基本的に全部QBのせいであるため、一応「悪役」というカテゴリに入れたが、QBには知性はあるものの「悪意」や「敵意」というものがまったくない。それがQBと言うキャラクターの立ち位置を微妙なものにし、個性を持たせているのだ。

<キュゥべぇに学ぶ霞が関文学>
Q、魔法少女ならできると言いませんでしたか?
A、魔法少女ならできたとしても驚かないと言っただけで、できるとは言っていない。

Q、どうしてそんな大事な事を言わなかったのですか?
A、聞かれなかったから。

Q、それって詐欺じゃないですか?
A、お互いの合意の上、こちらとしても良心的に対応しているつもりだ。

Q、魔法少女たちには結局なんのメリットも無いように思えるが?
A、将来的に人類が宇宙進出を果たした時の事を考えれば、悪くない取引と自負している。

Q、魔法少女たちは騙されたと言っているが
A、事実の認識がずれていただけなので、それは彼女たち自身の問題だ。

Q、それを騙したというのでは?
A、騙すと言う行為自体、悪意(感情)を持っていない我々には理解できないため答えられない。


QBの星では、感情は「極めて稀な精神疾患」に過ぎなかった。そうだとすれば、QBにとっては精神病者達を相手に「対等に」契約を結んでいるというのは破格の扱いのつもりなんだろう。それでクレームを言われるなんて納得できない(「わけがわからないよ」)のだろう。そんなQBの主張にも、若干理がある、正しいようにも思えるところがまた憎らしい所なのである。

刑法的には、悪意が無くても未必の故意を認定しQBのやったことは「悪」と言ってしまっても良いが…まぁ、「人間の価値観が全く通用しない生き物」にそんな事を言っても虚しいだけか。「悪役」という点ではQBは少し弱いが、言葉は通じるのに人間の価値観が全く通じない「不気味さ」はポイントが高く、悪役名簿に名を連ねることにした。


「悪意がない」事に加えて、QBを特徴づけるものの二つ目が、「契約にかける執念」であろう。

<キュゥべぇに学ぶゴリ押し契約術>
1.不利な未来を伝えることで相手を不安にさせる
2 .そのうえで、自分の言うとおりにすれば解決することを伝える
3 自分にとって不利なことは自発的には言わない
4  相手が突っ込みそうなところは、先回りしていっておく事で信頼感を得る
5 「普通の人」「他の人」「皆」を出して、多数の人がどうするか示す
6 相手が渋っている時には引いて様子を見る
7 引いた上でのアフターフォローも忘れない
8 偶然の邂逅を装う(「運命」であることを示す)
9 ピンチの時、時間が無い時等考える余裕がない時に、契約のメリットを伝える
10 「諦めたらそれでおわり」といった強い言葉を使う
11 「無限」「何でも」という魅力的な言葉を使う
12 契約はしなくても楽しかったと伝える
13 「止めはした」「相手の意思」という逃げ道は逃しておく
14 二度連続で「わからない」とは言わない
16 「どうもしたくない」を「どうしようもない」と言いかえる
17 なるべく自然に話をすり替える
18 友人に勧めさせる
19 結論が不当でも反論しづらい理屈を展開し、正当性を主張する
20 たとえ話は、相手の経験にむすびつくものを用意する
21 相手が不満を漏らしても自分は契約どおり対価を払ったことを強調する
22 自ら足を使って情報収集は欠かさず行う
23 クレームには正面から答えず、とにかく論点をすり替える
24 チャンスが来たら思いっきり相手を持ちあげる
25 断定を避け、核心は相手に考えさせ相手に納得感を与える
26 自分より相手の方が上だと思わせる
27 相手の身の上話等には、契約に関係ないように見えてもちゃんと聞き役になってやる
28 相手の言うことは認めてやる
29 「無関心」を「悪意が無い」と言い換える
30 専門的な用語を使い、相手をけむに巻く
31 相手が特別であることをつたえましょう
32 「合意の上」というのは強力なツールです
33  いざとなったら「価値観の違い」で乗り切りましょう
34 トラブルになっても、あくまで一般論を言っただけだと、言い逃れましょう
35 「助言したくてもできない」といういいわけをしましょう
36 幾通りにもとれる言い方をしましょう
 
とにかく色々な形で契約を迫るQBは実に邪悪カワイイともっぱら評判である。
QBと言えば契約、契約といえばQBということで、今年のサークルの勧誘でも使われまくった。まぁ、安易なネタだとは思うが、意思の合致と、それによる拘束力の発生を契約と言うとすれば、サークルに入るのも一種の契約と言えるだろう。


3、名言
「わけがわからないよ。」
自分は善意でやったことを、相手が非難してきた時に言い放った言葉。本気でわからなかったんだろうね・・・。「価値観が違う」と言う事を端的に表す名言。

「この宇宙の為に死んでくれる気になったら、いつでもいってよ!待ってるからね!」
外道台詞。QBにとっては、「個体が死ぬ」なんて事はどうでも良いことなのだ。この時点で、既にQBは杏子が死ぬ→ほむらが1人で戦う→まどかが契約すると言う勝利の方程式を確信しているため、もはや何も隠そうとしなくなっている。


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